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グラディオスA02

「ねぇエー先輩。私のほっぺも気持ちいいよ?」


 おっと………なに言ってるんですかね、ヒナさんや。


 なにか? そりゃ、触れと?


 思い出してみれば、俺の記念すべき転生初日、なんなら覚醒数分後にヒナを横抱きにしたましたとも。


 あの感触は今でも忘れられない。胸と胸が密着する感触なんて、ね、もう………うん。


 それに比べれば頬に触れるのなんて、もはや呼吸をするのと同じ分類なんですかね?


 いいんですか? 触るぞ?


「………うん。プニプニ、だな」


「でひょぉ」


 俺は今、なにをしているんだろう?


 頬袋に餌をしこたま溜め込んだハムスターの頬を撫でているような?


 実際に触ってみてわかる。なんてありがてぇ。昇天しそう。


 三回くらい軽く押し込んで、撫でただけだけど………決めた。今日、手を洗わない。


「エー先輩。セクハラで訴えますよ?」


 アイリ様の突き刺すような視線、いただきました。マジうめぇ。


「ごめんって。だからヒナ、俺に寄りかからないで、ちゃんと座りな」


「ヒナだけじゃないですよね。ソータにも………その、キ………えっと」


「キス? ああ、やろうとしたな」


「男同士で」


「悪いか?」


「ダメでしょ!?」


 ごめんな、アイリ様。それは俺が悪かった。


 でも俺は、多分………できると思う。


 転生したせいかな。ソータって中性的な容姿をしてるし。前世では女子たちにとても人気で、ネットではよくオモチャにされてたし。総受けってやつだな。


 実際に見て、俺も実感した。ソータにならキスだってしてやるよ。愛おしい。ファンならお触り禁止とか知らね。前世のルールだし。なんならディープなやつだってやってやる。


 思考がおかしい? 知ってる。


 多分、アレだ。転生のせいだな。転生が全部悪いんだ。そういうことにしておこう。


「もうっ」


 アイリはソータを離し、ツンと俺から視線を外す。


 すると、アイリとソータは真顔になった。ヒナもだ。「え? え?」と交互に見てみる。動く様子はない。


 ………思い出した。この顔を。


 本編だ。本編が始まろうとしている。


 これは第3話「グラディオス」の冒頭だ。


 起床して食堂で食事をするシーンなどなかった。


 前回のあらすじを数秒で振り返り、あの激しいオープニングが流れ、ミーティングルームに集合したシーンから始まるんだ。


 ソータとアイリは今と同じ位置に座っているが、ヒナはもっと離れていたような。


 室内はまだ騒然としていたが、ひとりの女性の登場で、ピタッと会話が止む。


「おっ………さすがは学生さんたちだね。別に、私は先生じゃないし、これから授業をするわけじゃないんだけど、清聴しようとする姿勢を見るのは懐かしいなぁ」


 軍服ではなく、医師として、白衣を身に着ける妙齢の女性だった。


 この声と台詞。すべてが合致している。


「初めまして。私はグラディオスの衛生を担当しているレイシア・デネトリアといいます」


「デネトリア?」


 名もなきモブの少年、俺と同室の同級生が呟く。


「そう。私の父はここの艦長をしているクランドです。あ、不安に思わないで欲しいんだけど、私は父みたいに高圧的とか、上から目線で文句を言わないから。なんでも気軽に相談してね」


 レイシアの発言に「おお」と歓声が沸く。


 レイシア・デネトリア。白い肌とブロンドの髪を後頭部でまとめている。グラディオスにおける一輪の花。明るい性格と持前のコミュニケーション能力で、艦内でも人気が高く、告白しようとしている男性クルーが大勢いるものの、あの艦長が父親ゆえ、どうしても手が出せない高嶺の花でもある。


 けど俺は知ってる。


 レイシアには片思いしている異性がいる。そっちはまだ自覚はしてないけど、無意識には反応してるっぽい。


 ………うまくいけば、レイシアを通じてみんなを良い方向に動かせるかもしれない。あとで必ず接触しなければ。


「今日は艦内の説明と、活動を許可されてる場所、逆に侵入禁止の場所を教えます。ちなみに私が働く医務室はいつでも来ていいからね! 実はちょっと嬉しいんだよね。ほら、この艦ってさ、男女の比率が違うから。しかも歳だって離れてるし。でもみんなが来てくれて、歳が近い子がいっぱいいるし! みんな仲良くしようね!」


 そうそう。レイシアはこうやって、学生勢の心を掴み、不安を解消していく。


 もし彼女がいなければと思うと、ゾッとする。メンタルケアができる人員なんて、彼女以外に知らないからだ。


 レイシアは軍属ではあるが、一般人寄りの視点をしているため、アイリたちの味方になる。


 時としては父であるクランドと敵対し、問答で勝利したこともある。そこにはファンブックにしか乗っていない()()があったからなのだが。ほぼ脅し同然だった。


「じゃ、みんな着いてきてください。離れないようにね。しゅっぱーつ!」


 元気よく合図するレイシアは先陣を切ってミーティングルームを出る。


 そんなレイシアに、ヒナが駆け寄った。そう、レイシアと最初に仲が良くなるのはヒナからだったな。


たくさんのブクマありがとうございます!

作者はノンケです。

タグにBLがつきそうな展開ですが、同性愛には理解があるだけで、私はちゃんと異性が好きです。ただエー先輩は感動するあまり暴走しているだけなのです。

ソータは主人公補正バリバリの中性的なイケメンなので、エー先輩もディープなキッスができるわけです。なにを書いているのか作者自身わからなくなってきましたが、多分そういうことなのです。


作者からのお願いです。

皆様の温かい応援が頼りです。ブクマ、評価、感想、いいねなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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