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どうせみんな死ぬA01

『人生やり直しますか? 継続しますか?』



 で・た・よ!


 またこのパターンだ。いい加減飽きてきた。


 1回目は過労でぶっ倒れた時。2回目はヒナを助けた時。で、今回は主砲をぶっ放すためにアイリの身代わりになったから。


 ハァァ………クソデカいため息しか出んわ。


 もうわかってるんだからね? 俺は。


 二度とあることは三度ある? やかましいわ。



『人生やり直しますか? 継続しますか?』



 うっるさいなぁ。こちとらいい気持ちで寝てたっていうのに。


 なにがあったかも覚えてるし。こんなところでやり直せってか? コンテニュー? カイドウとアーレスによるリンチ? 嫌だね。


 どうせさ。生きてるんでしょ? この選択肢がでるってことは。


 わざわざもったいぶって継続しますか? なんて聞かないもんね。


 だから継続。殴られるのは嫌だ。磔にされるのも嫌だ。痛いのなんて、もっと嫌だ。


 同じことを繰り返せる自信なんかない。


 今回も、俺にとっては最良の形になったんだぞ?


 とっとと起こせや。まだ終わってないんだ。3分の1しかやりきってないんだ。


 まだ危険が迫ってる。原作破壊行為のツケなら俺に回せ。みんなにそれを払わせちゃいけない。苦しめちゃいけないんだ。


 だから、起きろ。俺。とっとと起きろ───






 知り尽くした天井の下で目を覚ます。


 ただ目を開けた。それだけだ。


 けどおかしいな。なんでかな。体がまったく動かねえ。自分のものじゃないみたいだ。


「………エー先輩? エー先輩っ!」


「目を覚ましたの!?」


「待って。待ってみんな! 揺らさないで! ここからが大変なんだから! ええと………」


 声がした。


 俺に許されているのは呼吸と、まばたきのみ。眼球すら動かせないのはまずい。覚醒早々に危機感を覚え───でも、なぜかな。緊張感がない。心臓は一定のリズム。おかしいな。なぜだか、不安というものの危機感と焦り方を、忘れてしまったような? 俺はなにについて、不安に思っていたのか理解に達しなくなってきた。


 ヤバくね? ………あれ。なにがヤバいんだっけ?


 眼球が動かせないから、声で周囲にいる人間を判別するしかない。


 えっと、ヒナだろ。ソータ。それからレイシア?


 いやまだいる。泣いてるのがシェリー。右にいるのがアイリ。ちょっと離れたところから間仕切りを押し分けて現れたのがドクター。


 おかしいな。見ていないのに、なんでわかった?


 ドクターなんて声を出していないのに、明確に誰だか判別できたぞ。


 もしかして、あれか? 事故の後遺症で、新人類に覚醒しちゃったとか? ………アニメの見過ぎか。そんな都合のいい覚醒があるはずもない。


 おっと。シェリーがどこかに連絡してる。接続先はハーモンか。………なんで見ていないのにハーモンだとわかった?


「代ろう。レイシアくん。彼の覚醒は、微調整が必要だ。きみは彼に語りかけるんだ」


「はい。………エースくん。聞こえるかなー? まず、自分の名前言ってみようか?」


「………っ」


 ダメだ。声が出ない。唇を微かに動かせただけ。


「意識レベル良好。反応もあります」


「よし。感度を上げてみよう。………カイドウにやってもらった方がいいのだけどね」


「………あんな約束、しちゃいましたからね」


 ヒナとソータを下がらせたレイシアは、俺の顔を覗き込んで、いくつか質問をした。


 それでも声にして答えることはできない。


「っ………んぎッ!?」


「あっ、すまない! すぐに元に戻すからね」


「しっかりしてくださいドクター!」


 妙なコンソールを操作するドクターが、一気に反応レベルを上げたせいで脳内でバチッとなにかが弾けて、体が跳ねた。ヒナとソータとアイリが受け止めてくれなければベッドから落ちていた。


 まったく。レイシアの言うとおり、しっかりしてほしいもんだね。ひとつに偏る操作をするから、俺の脳で異常が出たんだ。精密機械なんだからもうちょっと慎重にやってほしいもんだね。


 とはいえ、この作業は医療に関係ないし、ドクターには荷が勝つか。カイドウにやらせればいいのにね。


 仕方ないな。ここは俺が手本を見せようじゃないか。なに、心配することはない。巨大なレイライトブラスターのメインコンソールを数分間も、ハルモニの補助があったとはいえ完璧に制御に成功したのだから。こんなの、俺がちょいとやれば簡単に操作できるんだ。


「う、わっ」


「今度はなにをしたんですかドクター!」


「わからない! 装置が勝手に動き出した!」


「あ、心配しなくていいですよ。俺がやってるんで」


「え、エースくんッ!?」


「エー先輩ッ!?」


「わ、うるさ………怒鳴らなくてもいいじゃないですか。ああ、もう。無線接続だと気が散るといけないな。みんなちょっと静かにしててくれ。あとハルモニは使えます? 端末も一緒に………あ、あれ?」


 失礼な反応だ。


 ここにいる全員が同じ顔をしてる。なにをそんなに驚いているんだか───と、疑問に思ったところで、異常性に俺も気付いた。


 俺はベッドにいて、手が伸ばせないのに、ベッドの近くにあったコンソールを操作していた。


 どうやって? やれると思ったから。そうしたら本当にできた。


 しかし直後、猛烈な頭痛に襲われて、体もベッドで跳ねまくる。


「あ、ギッ!? ぐるtdっぺ、んさ、pr、アヌ? ゲゲゲゲッ! ギハ、bswガッ! ンギャヒ、ィギギギggg!」


「エー先輩ッ!?」


 奇声なんだか悲鳴なんだかわからない声をあげて飛び回ると、全員で押さえつけてくれたが、頭痛だけはどうにもならない。ドクターが急いで操作したが、収まるどころか酷くなる一方。


 そんな時、異様な姿に成り果てた男たちが、鼻血を撒き散らしながらメディカルルームに殺到した。


「退け! 俺がやる!」


「これは………なにがあったんだい!?」


 カイドウとアーレスだ。


 しかし酷い姿だ。誰かに暴行を受けたあとみたいな。


 カイドウがコンソールに触れて5秒で頭痛が鎮静。また喋れなくなる代わりに、意識が暗転する。


「エー先輩!?」


「揺らさないで。大丈夫。()()()()()が宿主の異変を感知して、痛覚を麻痺させ、意識を一旦ブラックアウトさせただけだよ。これならすぐに回復して、カイドウが再起動のビーコンを送れるようになるから。今は僕たちを信じてほしい。お願いだ。これが最後だから」


 アーレスは、いつものパパみを感じさせる声音でヒナたちを説得している。


 まぶたがゆっくり閉じる感触があったが、もう視界はなにも映らない。されども意識はあった。夢のなかにいるみたいだ。頭がふわふわする。


 ………てかアーレスのやつ、さっきなんて言った?


 ()()()()()だと?


 そんなもん移植しやがったのか!?


 あれか。孫悟空が三蔵法師に与えられた、頭のリングみたいな? なんて名前だっけ。そう、緊箍児(きんこじ)だ。さっきの頭痛がまさにそうだもんな。


 それが脳内にあって、悪さをすれば頭蓋ではなく脳で直接調教するみたいな?


 冗談じゃねぇ………!


 なに三蔵法師よりもエグいことしてくれてんだこいつら………!


たくさんのブクマ、リアクションありがとうございます!

エースはニュー◯イプにはなりません。もっと酷いものです。生きててよかったと思いきや、話数的にもまだ前半にも達していないので、エー先輩をどんどんいじめていこうと思います。ごめんねエース。


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

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