表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

124/184

主砲を撃てB10

「パイロットは集合! ここでミーティングを行い、整備士たちがガリウスを起動させ次第搭乗、出撃する!」


 パイロットはすでにノーマルスーツを着用していて、幸いなことにいつでも出撃を可能にしていた。今日は元々、演習に出る予定だったからだ。スケジュールが崩壊して敵襲を受けるのも初めてではない。むしろ慣れていた。


 シドウの集合に応えるソータたち。なんとも言えない面持ちをした6人を、見送った。


 みんな俺に失望したかな。………ごめんな。()()()()なんだ。


「エー先輩」


「うん?」


「なんで………こんなことをしたんですか!?」


 愉快犯みたいな真似を、ってことか。アイリは憤りながら掴みかかる。


「みんなエー先輩のことを信じてたのに!」


「もう、信じられなくなった?」


「信じられるだけのひとじゃ、なくなりました!」


「そっか。うん。いいよ、それでも」


「ちょ、ちょっと!」


 アイリの頭を撫でると振り払われる。


「ヒナにもこんなこと言ったっけな。嫌ってくれてもいいよ。アイリを守れるなら、それでいい。俺を信じなくていい。代わりにソータを信じてやりな? 俺は、お前とソータが仲良くしてくれるのが一番嬉しいんだ。そのためなら、俺はなんだってやれるよ」


「意味がわかりませ───」


「なにやってんだアイリィ! そのクズ野郎の代わりに、お前が今日からドローンカメラのパイロットだ! 仕事しろ! それからテメェはこっちだ!」


「いてて」


 カイドウに蹴り飛ばされて、アイリが遠くなる。


「おやっさん。もうちょっと優しくしてくださいよ」


「うるせぇ! もうテメェなんざ信じやしねぇ! ついに本性現しやがったな! 化けの皮が剥がれた今、テメェに居場所は無いと思えや!」


 胸倉を掴まれて、隔壁まで投げられる。


「………おやっさん」


「………マジで意味わかんねぇよ。エースッ! テメェ………自分がどんな立場にいんのか、本当にわかってんのか!? なんだよその目は………必死こいてるわけでもねぇ。命乞いしてるわけでもねぇ。なんでっ………そんな冷静な顔をしてられるんだよ!? 頭どうにかしてんじゃねぇのか!?」


「迷いはありません。………ここにいるひとたちを守るためですから」


「ざけんな………ハルモニ。エース・ノギから、お前の行使権限と移動権限を剥奪。どの部屋にも入れるな。監視カメラをフルで使って観察。移動の都度、俺に報告しろ」


『イェス。マスター・カイドウ。メカニック・エースから私の行使権限の一切を排除します。以降、移動を制限。監視を続行します』


 俺の端末からハルモニが消える。確かに、これでもう好き勝手はできなくなった。


 ちなみに端末は取り上げられなかった。装着していれば位置情報は掴めるからな。狭いようで広い特殊宇宙戦艦だ。逃げ場はない。


「………テメェは光るなにかを持ってると思った。それを、俺は希望だって、勘違いしてたんだな。テメェはそんな器じゃなかった。………こんな思いするくらいならよぉ。出会わなけりゃよかったぜ。いっそのこと、あのプロトタイプと一緒に消えれば()()()()なんぞ………」


「………()()()()? え、おやっさん。()()()()って言いました?」


「テメェにゃもう関係ねぇ」


「待ってください! タキオンをどこで聞いたんですか! あ、ちょっと………おやっさん! おやっさん! ………クソ!」


 とても悲しそうな顔をするカイドウに、ついに隔壁の向こうに投げ飛ばされる。


 閉まった隔壁を開けようにも、整備士でもパイロットでもない俺は、もうドッグに入れない。どれだけ隔壁を叩こうと、カイドウは応じはしないだろう。


「タキオン………アリスランドの、あの子の愛機の名前。オリジナルガリウスを、なんでおやっさんが知ってるんだ?」


 グラディオス級二番艦、アリスランドは第2クールで敵対する。


 そこから出撃した漆黒のガリウス。ソータを苦しめることになる。


 神経接続と加速を可能とし、ソータの駆る一号機を翻弄するのだ。そしてハーモンがソータ救出のため乱入し───死ぬ。


 まさに悪魔の代名詞。壊れかけたソータを完全覚醒させる要因にもなった。


「なんでプロトタイプとタキオンが関連してるんだ? クソッ………意味わからねぇ。こんなの考察勢も考えもしなかったことだ。………いや、待てよ? ケイスマンだとしたら………ハァ、チクショウ。そういう関連性かよ。じゃあ、なにか? 俺はタキオンの材料というか、当時は入手不可能だった、()()()()()()になる材料をグラディオスに連れ帰ったってことか!? ………はは。なんて偶然だろうな。俺も()()()()()ってわけかよ」


 またひとつ、歯車が合致して回り出す。ギャリギャリと歪な音を立てながら。


 だが今は、そんな感傷に浸っている場合ではない。


 ドッグから移動する。どこか、戦況が見える場所に行きたかった。展望デッキはダメだ。第一警戒態勢に以降した時点で、外側から覆うようにシャッターが閉ざされる。


 ならばと、かなり進んだ先にある壁のコンソールにアクセスした。ハルモニが取り上げられ、移動権限が制限されただけだ。まだ軍籍はある。俺のIDで小さなモニターが応答して、艦に設置されたカメラのひとつが反応。モニターに映す。


『ドローンカメラ発進します! 続いて、ミチザネ小隊も発進位置へ!』


 艦内放送も忙しない。いつもはコクピットブロックから見ていたから、他の場所で戦場を体感すると妙に緊張する。………いや、原因は他にある。今はまだその時ではないから、しばらくここに留まる必要があった。どうせ監視が継続している今は放置されるのだし、


『アンノウン布陣、奥より敵主力出現! Eタイプの全長は250メートル!』


 グラディオスの全長は約300メートル。乗組員は168名プラス学徒兵27名。あとは志願しなかった民間人9名。


 これを見た全員が度肝を抜いた。かつて視聴者だった俺もそうだ。


 Eタイプは100メートルほどの超大型アンノウンという予想が外れ、250メートル級の敵の移動要塞だったのだ。


『Eタイプより続々とアンノウンが射出されています! Bタイプの数………40を超えます!』


 酷い数だよな。前よりも酷い。


『第一波、ミチザネ小隊と接触! グラディオスは戦闘態勢へ移行!』


『戦術システムにリンク! 各砲門開けぇ! 撃てぇ!』


 デーテルの号令も緊張の色が濃い。


 ビームとミサイルがアンノウンに命中する。クランドの指示でEタイプにも照準を合わせているはずだ。


 しかし、


『全弾命中! しかし………Eタイプは未だ健在!』


 ここは原作どおりだな。



 よし。



 やるか。



「ハルモニ。バックアップデータ起動。ウェイクアップ」



『───イェス。メカニック・エース』



 俺の端末で、ハルモニが再び起動した。


3回目!

ここからです。エースがやらかします!

またストックを消費してしまったので大急ぎで書いております! この勢いを維持するためにも応援よろしくお願いします!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ