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もし、精霊が人間と出会わなかったら  作者: 檸檬セレナ
出会いと旅の始まり編
3/18

味方

ソウはフウの父の名前です。

「あなたの名前は?」

 とアスカに聞かれ、フウは自分の名前を答えた。

 フウはアスカから人間の世界の話を聞いた。

 特に驚いたのが、人間の世界には「車」という移動手段があるということだ。

「車」に乗れば、自分で動かなくても遠くまで行くことができるらしい。

 フウはもっと人間の世界に行ってみたくなった。


 もっと話を聞こうとしたとき、

「フウちゃ~ん?」

 と、フウを探すソラの声が聞こえた。

(ヤバい ... アスカといることがばれたら ... !)

 しかし、そう思った時にはもう遅かった。

「あれ、フウちゃん、そこのいるのはだぁれ?」

(見られた~!!まぁでも、すぐには人間だって気づかないでしょ。)

「もしかして、人間?」

「な、なんでわかったの?」

「やっぱり人間なの?フウちゃん、焦ってたから、もしかしてとは思ったけど ... 。」

「ソラ、お願い!このことは誰にも言わないで!!」

 フウはソラに頼み込んだ。

「 ... 」

(やっぱだめか ... 。)

 と思った時、ソラがいいよ、と言った。

 フウは思わずえっ、と言ってソラを見た。

 ソラは

「私はフウちゃんの味方だっていたでしょ。」

 と言って笑った。

「ありがとう。」

 フウがソラにアスカを紹介しようとしたとき、父の声が聞こえた。

(父様には絶対にばれたらダメだ!)

 フウはアスカに、

「理由は明日話すから、今日は早く帰ってくれない?」

 と言った。

 アスカは戸惑っていたようだったが、うなずいてその場から立ち去った。

 フウはそれを見届けたあと、ソラとともに父の声がする方へ走っていった。


「あそこで何をしていたんだ?」

(言うわけないでしょ。)

「別に ... 。」

「はっきりと答えなさい!」

「 ... 。」

 フウがずっと黙っていると父は諦めたのか、ため息をついてどこかに行ってしまった。

(危なかった~!)

 しかし、明日も、そしてこれからもアスカと会うかぎり、誰にもばれないようにするのは難しいだろう。

(何か対策を考えないと。)


 その日の晩、祖母がフウの部屋を訪ねてきた。

「人間に会ったのかい。」

「 ... 。」

「まぁ、答えなくてもいい。人間に会って無事で済んだなら、」

「人間は言い伝えみたいな怖い人たちじゃなかったよ!!」

 フウは祖母が言おうとしたことを最後まで聞かずにそう言った。

「ねぇ、怖くない人だったんだからこれからも会っていいでしょ?」

「 ... まぁ、その人間となら会っていいよ。」

「やったぁ!」

 フウが思わず喜んだ時、ただし、と祖母がいった。

「その人間とは私がいるところで会うこと。人間の世界で会うことは絶対に許さないよ。」

「 ... どうして?」

 フウが聞くとしばらく祖母は黙っていたが、こう言った。

「少し、ソウの昔の話をしよう。」

「父様の?」

「あぁ、 ... 今はお前が人間の世界に行こうとするのを怒っているけどね、昔、ソウも人間の世界に、親友とともに二人だけで行ったことがあるんだよ。」

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