015. 援軍と逃走
「ん ... 」
「あ、起きました!起きましたよ、アスカさん!」
フウが目を覚ますと、見知らぬ少女がフウの顔を覗き込んでいた。
( ... 誰?)
その時、何かがぶつかる音ともに爆風が二人を襲った。
「アスカさん!」
少女が叫んだ。
(え ... 、アスカ!?)
少女の目線の先にはアンと戦うアスカがいた。
*~~~~~~~~~~~~~~*
(ふ~ん。この子、なかなか強い。しかも光の"力"かぁ)
アンはアスカと戦いながら思っていた。
フウを眠らせた後、連れていこうしたときに突如現れたアスカ。
(まぁ、私のブラックロードに入ってきた時点でできる子だとは思っていたけど 。 ... それにしてもどこかで見たことがあるような ... )
アスカの攻撃がアンの鼻先をかすめた。
「危なかったぁ。キミ強いね」
アンの言葉に対し、アスカは反応しない。
アンはだんだんつまらなくなってきた。
(なにも言ってくれないし。ここで時間潰すのはもったいないな~。帰ろっかな)
そうしてアンはアスカの攻撃をかわし、攻撃をやめた。
*~~~~~~~~~~~~~~*
「つまらないからもう帰るね?今回は諦めてあげるからさ」
アンはそう言って、走り出した、が、何かを思い出したように足を止めてフウに言った。
「一つ良いことをキミに教えてあげるよ。私以外にもキミを狙ってる人はたくさんいるよぉ。ま、私にまた会うときまでせいぜい頑張ってね?」
そしてアンは消えた。
「フウちゃん、大丈夫?」
そして、アスカが駆け寄ってきた。
「ごめんね、気づくのが遅くなって」
「大丈夫だよ。 ... それよりあなたは ... ?」
そう言ってフウは少女を見た。
それに気づいたのか、少女はフウを見て言った。
「ミズキと申します!アスカさんの遣いとして来たのですが ... さっきの人に先を越されちゃいました」
「どうやってここがわかったの?」
「それは私の"力"だよ。前会ったときにフウちゃんに私の"力"で作った光をつけておいたの。もしものことが起こったときに駆けつけられるようにね。今回、役に立ってよかったよ」
森に出ると、アスカはブラックロードを作り始めた。
「あまり時間がないから急いで。フウちゃんとミズキは手を繋いで。行くよ!」
(みんな、行ってきます ... !)
そして、3人はブラックロードに飛び込んだ。
フウが目を開けると、そこはジャングルのように立ち並ぶ、高い建物の上だった。
「フウちゃん、危ない!」
思わず身を乗り出したフウは落ちた、ように思われた。
「だ、大丈夫ですか?」
「危なかったぁ~!羽があってよかった ... 」
(ここが人間の世界 ... !ワクワクする!)
アスカは振り返って言った。
「ようこそ、人間の世界へ!」
この章はこの話で終わりです。
次話から次の章に続きます。
これからもよろしくお願いいたします!
「七度目の人生、回帰令嬢は悪を極める ~何回やり直してもバッドエンドだったので、いっそのこと悪を極めてみることにした~」を連載予定です。ぜひそちらも読んでみてください!
*一旦、この作品をお休みさせていただきます。*