013. 黒髪の少女
森にたどり着いたフウはアスカの言っていた黒髪の少女を探し始めた。
(ここからは慎重に行かないと ... )
フウはそう思いながら、森の奥に入っていった。
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その様子を"黒髪の少女"は上から"見下ろしていた"。
「ふぅ~ん、最後はあの子かぁ~。でも本当にあの子で良いのかな?」
そして、少女はフウの後をついていった。
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「結構奥に入ったんだけどな ... 。」
しかし、黒髪の少女はなかなか現れない。
(もしかして、私、行きすぎちゃったのかな ... ?早く来すぎたとか ... ?)
フウが右往左往しているとき、後ろからフウを呼び止める声が聞こえた。
そこには"黒髪の少女"が立っていた。
「あなたがフウさんですか?」
「あなたは ... もしかして、アスカが言っていた遣いの人?」
「 ... はい、アンと申します。フウさんで間違いないですか?」
フウが頷いたのを見たアンは、フウを人間の世界へ行くための"入り口"へ連れていった。
「フウさんは"入り口"がどのようなものかをご存じですか?」
「いや ... あんまり知らない。」
「"入り口は自然にできるものもありますし、私たち人間がつくることもあります。でも自然にできたものは、小さいので私たちは通れないんです。自然にできたものは人間の世界にある物をこの世界に送るんです。」
「ということは、こっちの世界に人間の世界の物があるってこと?」
「はい。数は少ないんですけどね。逆にこっちの世界から人間の世界に物が送られてくることもあるんです。私たち人間はそういったものを研究して、いろんなものを開発してるんです。」
「へぇ~!」
「って言ってる間に着きましたね。」
「え?ここ?」
周りに入り口らしきものはなく、ただ木や草が生えているだけだった。
「何もないけど ... ?」
「まぁ見ててください!」
そう言って、アンは近くの木にてをあて、何かを呟いた。
すると、突然風も吹いていないのに、その木が揺れ始めた。
「 ... !?」
「驚きましたか?こうやって入り口を開けるんです。」
そして、木の幹に真っ黒な穴ができた。
「どうぞ、ここを歩いていけば人間の世界にたどり着きます。」
「この中を ... ?」
そして、アンは穴の中に入っていった。
(覚悟を決めよう ... 。改めて、行ってきます。絶対に帰ってくるからね ... !)
そして、フウは穴の中に入っていった。
「ねぇ、まだなの?だいぶ経ったけど?」
「もうちょっとです。 ... ほら、あそこですよ!」
よく見るとアンが指差した先に明かるいところが見えた。
「早くしないと穴がどんどん塞がってしまいます。急ぎましょう!」
そして、二人は駆け出した。
「ここは ... !」
そこには、檻のようなものやたくさんの骨などが置かれていた。
(騙された ... !)
アンはそんなフウの様子を見て、楽しそうに言った。
「簡単にひっかかったねぇ。」
「ここから出して!」
「や~だよ。そんなことするわけないでじゃ~ん。せっかく捕まえたのにぃ。」
そう言って、アンは笑った。