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もし、精霊が人間と出会わなかったら  作者: 檸檬セレナ
出会いと旅の始まり編
15/18

012. 「 ... いってらっしゃい。」

今日はついに人間の世界に行く日。

フウはソラから借りたイヤリングをつけて、村を出る支度をしていた。

「う~ん、この本たちはどうしよう ... 。」

(せっかくライがくれたけど、全部は持っていけないしな ... 。)

そしてふと、「ブラックロード」のページことを思い出した。

そこにはこう書かれていた。

"ブラックロードとは、稀に現れる、人間の世界への抜け道である。その実態は不明で、人間が魔力を使用して作っているとも考えられている。人間の世界と行き来する方法はこれ以外存在しない。 ... "

(もし、父様が見た女の子がアスカが言っていた子なら、その子のブラックロードの中にコウキさんの手がかりがあるかもしれない ... !)

フウはブラックロードについて書かれていた本と「精霊力と魔力について」の二冊をかばんに入れた。


部屋を出ると、部屋の外にはライがいた。

「お姉様 ... ?どこかへ行かれるのですか?」

「ラ、ライ ... 」

(どうしよう、変に嘘ついても逆に怪しまれるだけだし ... 。)

「ライ、今から言うことは絶対に誰にも言わないでね。私は今から遠いところに行くの。しばらくの間は帰ってこれないと思う。もしもの時はソラと連絡できるようにしてあるから安心して。父様や母様たちのことをよろしくね。」

(まぁ、問い遠いところっていうのは嘘ではないし ... )

「お姉様 ... 。もしかして、人間の世界に行かれるのですか ... ?」

泣きそうになりながら尋ねるライを見て、フウは笑って答えた。

「ライは本当に頭がいいねぇ。これなら私がいなくても安心だよ。大丈夫、死ぬ訳じゃないから。」

「そんな、絶対に生きて帰ってきてくださいね。」

「うん、約束!」


フウが家を出ると、父が立っていた。

「やっぱり、出てきたか ... 。」

「と、父様 ... 。どうして ... 」

「私が気づいていないとでも思っていたのか。ここ最近、様子がおかしかったから、もしかしたらとは思ったが ... 」

「 ... 別にいいでしょ、死ぬ訳じゃないんだし。」

「死なないかなんてわからないだろ!!」

「じゃあ、死ぬかもわからないでしょ!!それに、父様になんて言われようと諦める気はないからっ!」

(風よ ... !)

そして、風の"力"で父の気をそらした瞬間、フウは羽で飛び上がり、森に一直線に向かっていった。

(ごめんなさい、父様。)

その時、ため息をついて父が言った。

「 ... いってらっしゃい。」

「 ... !」

フウは涙がこぼれ落ちそうになるのをこらえて言った。

「 ... いってきます ... !」


ここまで読んでくださりありがとうございました!

これからも引き続き読んでいただければ幸いです。

ブックマークや☆を★にしていただけると、とても嬉しいです♪

また、「一日クラスメイトは紙飛行機に乗ってやってくる」や「涙の卒業式(?)」も投稿しているので、そちらも読んでいただけると嬉しいです!

これからもよろしくお願いいたします!

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