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もし、精霊が人間と出会わなかったら  作者: 檸檬セレナ
出会いと旅の始まり編
10/18

番外編 ソラの一日

今回は番外編です。

 私、ソラは毎朝早起きをする。

「今日も行くかぁ~。」

 私は空の"力"を持っている。

 空の"力"は"全能"。

 過去のことや現在のこと未来のことまで知ることができる。

 そして、悪いことを"予知"することが多い。

 だから、予知したことが現実に起こらないように毎朝見回りをするのだ。

 私がこの能力を使おうと思えたのはフウちゃんのおかげだった。

 昔は、この能力が他の能力と違うことを知り、私自身、あまりこの能力が好きではなかった。

 しかし、フウちゃんが私を受け入れてくれたおかげでこの能力を認められるようになった。

(そして、私はフウちゃんのためにこの能力を使うって決めたんだ。)

 この能力を使いこなして、フウちゃんが村長になったとき、フウちゃんの役に立つ。

 それが私の夢だ。


 今回阻止するのは水霊草の盗難事件。

 水霊草とは、大昔にある水の"力"を持つ精霊が、この地を清め、ある程度の魔力を持つ者から村を守るために"力"でつくった植物である。

 私は森に着くと木の陰に身を潜め、犯人を待つ。

 数分後、犯人である男がやって来た。

 私は犯人を捕まえると、男の事情を聞いた。

「なんで、こんなことをしようとしたんですか?」

「 ... 子供が熱にかかっていて、なかなか治らないんだ。もう、今日で6日目だ。医者にもこのままでは命が危険だって ... 。もう、これしか方法がないんだ ... !」

 水霊草には、病を治す力もある。

 男はそのことを知っていたのだろう。

(やっぱり ... 。)

「これ、よかったら ... 。」

 そう言って私は薬が入った箱を男に手渡した。

「これは ... ?」

「私の家に伝わる薬です。この薬で治らない病気なんてありません。」

「本当に ... ?」

 私は頷いた。

「だから、こんなことをしなくていいんですよ。」

 男は何度も礼を言いながら薬を持って家へと駆け出した。

「 ... ふう~。今日も無事にやり遂げた ... !早く子どもの熱が下がるといいけど ... 。」

 そして、私は家に帰るのだった。


 帰り道、フウちゃんに会った。

「ソラ!おはよう!」

「おはよう。フウちゃん。」

「ねぇ、聞いてよ。今日もまた人間の世界の話をしてたら怒られたんだよね~。」

「そっか。まあ、私はフウちゃんが人間の世界に行けるように応援するね!」

 私はフウちゃんに嘘をつく。

 本当は人間の世界になんて行ってほしくない。

(でも、私はフウちゃんの夢を応援したい。)

 私はこの思いを胸に一日を過ごしている。

次回も番外編の予定です。

お楽しみに!

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