表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

サクラが始まった季節

少し肌寒いけど、あたたかさも感じることがでるようになってきた

冬のままでも、それでもいいと思っていたけど時間は過ぎていく

これから始まるであろう、新たな機会や出会いはあるかもしれない

それらは、何かを変えてくれることはないと、もう分かっている

新しい季節に、何かを期待することは無駄であると、今までの人生から悟ってしまった

期待することは、多分これからも無い

今まで一緒だったクラスメイトとは、これからも仲が良いまま一緒にいたかったし

別々の高校とか、大学にいくのも、本当は嫌だった

レベルに合ったところにいくのは、選択したのは良いことだったのか

進められるまま選択してしまったけど、本当のところは自分のレベルなんてどうでもよかった

自分が楽しいと思える人と一緒にいられれば、それでよくない?

それでよかったはずなんだよ

今、停滞しているのが悪いこと?

周りの期待にいつも応えることができる、そんなにできる人間じゃないよ

だからさ、誰かにすがりたかったのに

もっと、本音を受け止めてくれる人を必要としていたのに

このまま生きていて、楽しいことってあるのかな

最近はもう、タバコを吸う時くらいしか、楽しくないって思える

誰かに自分の人間性を決めつけられるのは、なんだか虚しい


ふと、黄昏れた目に映ったのは、なんか陰気臭く不愛想な学生だった

こちらを見るなり、バツが悪そうな反応をしていたから、もう戻るとするか……

この屋上には誰もいないと思ってきたのか

ごめん、一人の空間を奪ってしまったか

きっと、自分と同じように黄昏たりゆっくりしたいのだろうし、関わり合いたくないだろうからもう戻るよ

ゆっくりしなよ

「あの……」

気のせいだと思って去ろうとしてしまった

だって、何も面識がない、そんな人に急に話しかけられたから、

「あの……聞いてください」

さらに大きな声をかけられたので、振り向く

あきらかに私に声をかけてきている

きっと、ここが分岐点だったのだろう

彼にとっても、私にとっても

「僕を助けると思って、話を聞いてくれませんか?」

やっと見つけた

見つけることができた、このために戻ってきたのだから


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ