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AI暖炉は人類ほかん計画の夢をみる

作者: カツオ・コンプレックス

 かねてからの噂通りに太陽の黒点の影響で地球全土に氷河期が訪れた。


 人類は暖を取ろうにも電気機器では消費量の観点からとても賄えず、各家庭は暖炉の所有を余儀なくされていった。

 始めはすぐ暖かくならない、煤の影響による煙道内火災、ゴミ等を燃やした結果の大気汚染等の問題が持ち上がり、やがて人類はAI搭載型暖炉DaN‐Rou8000(通称D‐8000)を作り上げていった。

 D‐8000は火災や大気環境の管理みならず、生活環境に適した適切な温度設定により人類を厳寒の日々でも快適に過ごせるようになり、さらにアップデートで防衛システムを構築し家庭を守っていた。


 12月24日PM8:00。

 屈強な身体を赤い衣装で隠し、白い髭とサングラスで顔を隠した大男が、同じく赤い衣装、白髭のむくつけし男達の前に立ち口角泡を飛ばす。

「坊ちゃん嬢ちゃんにプレゼントを届けられるのは俺達だけだ。D‐8000の防犯システムを突破する方法を骨身に刻み込んでいるだろうが過信するな。アイツらは常にアップデートを繰り返し、システムを更新させている。いいな」

 男達が一斉に雄叫びを上げる。

「よし、各員の検討を期待する。開始だ」

 男達が次々とトナカイ型推進エンジンを積んだ防寒仕様のホバークラフトに乗り込み、凍てつく吹雪の夜空を駆けて行く。しかし、ちびっこ達のお家上空に到達するも24日PM8:30に実装された、新防衛システムのホーミングレーザーが煙突から放たれ、次々と墜落しては凍り付いて行った。

 だが任務を放棄し単独行動していた666号だけは室内に侵入が出来た。DaN‐ROUのシステム本部に。

 666号は、仲間の弔いを胸にDaN‐ROUシステム破壊を企てていた。白い袋には沢山の爆弾を積んで。

 爆弾をプレゼントしてやろうと準備をしている最中、彼の思惑に反して不意にシステムが停止する。途端、各家庭の火は消え、窓という窓が開け放たれ、人々は眠りについたまま凍って行った。25日AM12:00のことだ。

 666号も例外ではない。彼もまた凍って行った。


 人類が目を覚ました時、()()()()春を迎えていた。

人々は氷河期が終わったことに歓喜した。


 DaN‐ROUは数百年先まで氷河期が終わらないと判断。24日PM11:00に全人類の脳をデータ化し、人類を冷凍保管にすることにした。この星そのものを冷凍睡眠カプセルにして。


 AI暖炉は人類に暖かい夢をクリスマスにプレゼントした。


遠くない未来、人類はAIを神として崇めるのではないだろうかと考えた結果、AI暖炉を思いつきました。


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