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ネヨとの出会い

メリーは久しぶりに興奮して歓喜の舞を自室で見せた。

「まずは図書館で魔術のこともっと知るぞー!」

彼女にとっては校舎体験は占め手である。彼女の心には少しの緊張と多くのドキドキが混じっていた。

「まずこの本にしようかな」

マキュール図書館に引けを取らない規模を誇るマキュール魔術学校図書館はあまりにも広い。

(この本、私の知っていることしか書いてない)

メリーの育った村にはこの図書館よりもはるかに高度な内容の書かれた本も珍しくなかった。

「じゃあ次!」

この図書館には数えられないほどの本がしまってある。メリーはより高度な本を探すことにした。

(この本も、この本も)

しかし図書館中を探してみたが、彼女の村より高度な本はあまり見つからない。

(これも、あれも)

メリーがため息をついたとき、ため息が館内に響き渡る気がした。

(えーなんで私の知っている本しかないの!!)

幾度となく調べてもメリーには知っていることしか書いていない。

「どうしたの?」

「なんか顔色悪い」

小柄なエルフが話しかけてきた。

「いや、大丈夫ですよ、ほら」

心配させないように返答するメリー。

「あなたも私と一緒ね」

同じような仲間である扱いを受けたメリーだが、どうも信じられない様子である。

「え?」

「ここの本、随分簡単な物で埋め尽くされている」

小さなエルフがぶっちゃけた。

「そうなんですね」

「いや、あなたも多分わかるはず」

「私、親に随分教え込まされただけですから」

「ここの本、一通り読んでみたけど、簡単な物しか置いていないみたい」

「あなたもそうなんでしょ」

小エルフがメリーに問いかけたところメリーが返事をした。

「はい」

「でもみんなすごい本って言っていましたよね」

「たぶんそれその人が大したことないだけ」

率直な感想がそのエルフからは高い頻度で生成される。

「だいぶストレートですね」

「私ストレートに言うことが得意なの」

「それ正直者ってことですよね」

「そうともいう」

独特な返しに内心ツッコミたい気持ちもあるのだがどうにか気持ちを抑えることに成功した。

「私の部屋に来て」

「え?」

唐突なお願いにメリーは一瞬戸惑いを隠せない様子だ。

メリーは困惑してエルフの顔を見つめた。

「私の部屋に案内するから来て」

「今からですか?」

「来て」

「今からはちょっと」

メリーは面倒ごとは避けていきたいと考えている。このエルフを面倒ごとを供給する者として定義した。

「来て」

「いや」

エルフの問いに拒否権を行使していくメリー。

「来て」

「......」

「来て来て来て来て来て来て」

エルフの推しに圧倒されたメリーは、仕方なくついていくことにした。

「わかりましたよ。来ればいいんでしょう」

「じゃあ今から行く。ちゃんとついてきて」

「ドタドタドタドタ」

そのエルフの部屋までひたすら校舎を進んでいく。やがて彼女の部屋の前にたどり着いた。

「ガチャ」

エルフはドアを開け、メリーを招待した。

「ドン」

エルフの部屋はメリーの部屋と遜色がなかった。同じだったのだ。

「これが私の部屋」

「へえ、クラスで違うんですね」

「クラスによって少し趣が異なるみたい。でも安心して。大部分は変わらないみたいだから」

「知りませんでした」

「ここに座って」

エルフは自分の部屋に招待で来た満足そうにしている。

「はい」

唐突に歌を熱唱したことはメリーにとって常識を覆されるような出来事だった。

「お友達ー歓迎かーい♪」

「私のお友達になってーありがとーう♪」

見たことがなかった。そう、メリーはそのエルフのようなあからさまな歓迎ムードに出会ったことがなかったのだ。

「へ?」

もちろん驚いただけではなくうれしさもあった。

「だからお友達になってありがとうっていってる」

「え?」

「歓迎するよ」

「ほら、水、ゴブリンの煮つけ」

フリーザ―からそれらしきものが出てきた。

「遠慮しないで。私なりの感謝の気持ちだから」

「感謝の気持ちなら受け取らなきゃいけないですよね」

「コクリ」

「パクッ」

一見鯖の煮つけに見えるものを口に入れてみた。

「どう?」

「おいしい?」

「美味しいです」

「よかったー!!」

「今日ゴブリン見つけた。それでつくってみた」

「ゴクッ」

平気でゴブリンを狩れるような実力であることは確かである。独特な感性もあるが、なにより独特過ぎる言葉遣いが気になる。

「明日も歓迎会しようか?」

「いいよいいよ。私、今日だけで満足した」

「えー。明日はオークの佃煮にしようかと思ったのに」

「へー」

「じゃあ本題に入るね」

エルフは急に様相を変えてまじめな話をした。

「今日のこと、内緒にしておいて」

「それで私と友達になって」

メリーとそのエルフは同族エルフなのではあるのでそのエルフは親近感を持ってるのだろうとメリーは考えた。

「そして私の探偵団に入らないか?」

エルフに押し切られそうになるメリー。

「でも私ちょっと御用が」

「入ろうよ探偵団。絶対面白い。うん、面白い」

「でも......」

「面白い面白い面白い面白い」

エルフはいつものように主張を通すまで引くつもりはないという意思表示をした。メリーは押し切られそうになった。

「うーん?」

「ちらっ」

そのエルフの顔を確認してもひたすらに面白いの一点張りだ。

「面白い面白い面白い面白い」

「ちらっ」

「面白い面白い面白い面白い」

そのエルフは本当の意味で止まることを知らないのであろうか。

(もうなんなのよーあの人。私そんなに忙しくなりたくないのになんでおしつけてくるのよー)

(断ろうかな。でも断れる雰囲気じゃないし)

必死に考えるメリー。しかしあのエルフは絶対にやめないだろう。

(もうなんで私の周りには変な人がよってたかってくるのよー)

(もううんざりよー!!)

時々あきらめそうになる。でもあきらめるなメリー。いつかきっと道は開ける。

「面白い面白い面白い面白い」

(なんかどんどん言葉のスピードが速くなってるんだけどー!)

「面白い面白い面白い面白い」

メリー。私からの願いだ。絶対にあきらめるな。己の意志を貫くといつかきっと道は開ける。

「わかったよー。入ればいいんでしょ入れば」

だめだったか。メリーでもあのエルフからは逃げられないか。

「それでこそ、友達」

「もう。それで何をすればいいの」

「用が出来たら連絡する。それまで待ってて」

エルフがメリーよりも一枚上手だったようだ。

「そう。じゃあまた今度ね」

「うん」

メリーは用をすまし自室に戻るためエルフの部屋を出た。

「ガチャ」

(私のスローライフどうなるのー!!)

(てかあの人なに。意味わからないんだけどー)


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