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魔法の実演大会2

3つの世界。天界、地上世界、地下世界。それぞれがお互いに補完している。

小さな変化で3つの世界のバランスが簡単に変わってしまう。3つの世界にまたがるシーソーに例えてみると、一つの世界が大きくなったり、二つの世界が小さくなったりするとバランスが崩れる。

また、一つの世界が一つの世界だけに干渉していると、一つの世界が孤立する恐れがある。

これと天界と地上世界のつながりは同じであると言える。一つの世界が天界でもう一つの世界が地上世界だ。例えば天界の神々が地上世界の人間に贔屓していると3つの世界のバランスが崩れるのである。

そういうこともあり神々は掟を守っている。魔族は自分らは関係ないと言わんばかりに我が儘を突き通していて、人間は真ん中に位置を保っている。

火魔法は地上世界で最もよく使われる魔法の一つで、どんな年齢からでも習得することが可能だ。もちろん2属性を除いて4属性においても習得することは可能だ。

火魔法は他の水魔法や風魔法とは違い、メジャーな魔法なのだ。世界中で広く使用される魔法だ。魔術師にも使用するものは多く、4割の魔術師が火魔法を扱う。

水魔法を扱う者も多く、全体の2割ほどではあり火魔法の2分の1だが、1割の土魔法や風魔法よりも2倍ほど使用していることになる。

最もメジャーな火魔法は地上世界ではおなじみの火というものを利用し、生活を支えたり危機を乗り越えたり様々な用途で用いられる。¥

一般的な用途は主に火起こしである。この世界に燃料はなく、道具でおこすか、魔法でおこすのが一般的だ。

魔法を使えない、もしくは使わないものはこの世界には多い。使わない者の方が使う者よりも圧倒的に多いのだ

魔法を使えるものはもちろん魔法で火を起こす。小さい子は基本的には魔術師の家庭教師がつきっきりで火の面倒を見たり世話を見たりする。

最もメジャーともいう属性だが、使うことが簡単という訳ではなく、実は難しいのである。メジャーだから難しいというのは大きな勘違いをしている。

火魔法はその他の水魔法や風魔法とは違い、命がかかわる魔法である。火を屋内で起こせば火事になるのかもしれない。

それゆえ最もメジャーな魔法なのだが、魔術師を家庭教師として雇い子供の世話を見るのもお願いするのが最も頻繁だ。

実際には小さい子が火魔法を使い、家事を起こした事件が後を絶たない。子供が魔法を使うことは実は犬猿されているという実情がある。

独学においては最もメジャーな火魔法ではなく水魔法や風魔法の方が安全に習得できるとしてお金のない家庭からは選ばれている。

そのため火属性の魔法教室よりも水属性や風属性、地属性の魔法教室の方が実は多い。

光属性や闇属性の教室を開くのは国から禁じられている場合が多い。その理由に世間に認められていないのでトラブルを招く恐れがあるからだ。

しかし光属性や場合により闇属性の教室が開かれている場所も少ないが存在する。しかし発見するのがとても困難であるのが現状だ。

独学でよく用いられる水魔法だが、結構感覚派にうけている。それもあってか魔術師の全体の2割が水魔法使用者だ。

風属性は地属性の使用者は全体の1割ほどをここ数十年推移している。他の人に合わせたくないマニアック派がよく使用している。

4属性の中で最も強力な魔法はやはり火魔法である。メジャーで使い勝手がよく威力も高い火属性はなんだかんだやはり魔法使用者から愛されている。

感覚派においてはやはり水属性だ。火属性は感覚派にはなぜか習得する時間が比較的かかることがわかっている。

水属性の愛される理由は感覚派にうけるだけではなく、それ以外の理由もある。

水は習得する際の安全もいいし、何より飲めるからだ。自分で魔法で生成した水をそのまま飲むことが出来る。ケチな人には願ってもいない属性魔法だ。

ケチな人は半分くらい水属性を選ぶのだろう。ケチでありたくない人は火属性やその他の属性を使用する。

風属性は初め習得することが難しく、挫折者の多い魔法だ。使い勝手が良くないで有名な風魔法は地魔法に劣らずマニアックな人が多い。

そのぶん習得できれば他の魔法に比べ活躍することが見込まれる。風魔法を習得したということは自信になる。

地魔法においても習得できた時は大きな自信になる。地をあやつれることにもなるし、使用者が少ないのでアイデンティティを得やすい。

人によって価値観は違うので結局属性選びは当人に任される。本人が好きなように選ぶのが筋である。

メリーは風魔法を選択した。周りに選んでいる者が多く、本人も選びたかったようだ。エルフは何かと風属性が多い。

無属性魔法というのも存在する。どの属性に属していても使用することのできる魔法だ。例えばメリーの使っているアクセルという魔法が例だ。

しかし無属性魔法は有属性のものよりも数段習得が難しいと言われている。知識も属性魔法での経験、そして少ないがセンスも必要だからだ。

基本的に魔法の知識は家庭教師を雇う。学校での学びだけでは魔法を使いこなすことは難しい。

無属性魔法はより知識と経験重視なので、身に着けるのが困難だと言われている。有属性のものと比べて何倍も時間がかかる。

だからこそ属性魔法の価値は大きく上がる。誰にでも使えない無属性魔法と違って属性魔法は愚直に訓練に取り組めば誰でも習得できる場合がほとんどだからだ。

あまりに早すぎるメリーの成長に驚かなかったものはエルフ族ではいないのである。

「イーレットさん、ありがとうございました」

イーレットが舞台から降りた時、ヨムがまっすぐに側面に沿って立っていた。

「これで株が上がったとお思いですか?」

「ヨム君!?」

ヨムはイーレットの演技を見て興奮したが、彼女の事が信じられないのですかした態度を取った。

「勘違いしないでくださいよ。僕はまだあなたを認めたわけじゃないですからね」

ヨムのジョークにイーレットは順応した。彼は生粋の疑心暗鬼キャラであり、自分を受け入れることはないと疑っていなかった。

「はいはい」

イーレットはいつも通りヨムのジョークに相槌を打つ。

「失礼します」

ヨムは会場内の奥の方に進み彼女の前から姿を消した。

人に言えないことは誰しも一つや二つ持っているものだ。彼はイーレットに本音を伝えられないようだ。

疑心暗鬼で人間不信のヨムだが、何も不利益ばかり被っているわけではない。無駄な事象を極端に減らして、大事なことに専念しようというのが彼の考えだ。

多少の不利益は彼も承知している。彼のもっとも気にしているところは孤独なところだ。毎日一人で寂しいのだ。

囚われていると指摘されることは稀だが、不審者扱いされることはある。ヨムを知らない人は彼の奇想天外ぶりに驚かされた。

さてヨムの希望に彼女は応えることはできるのだろうか。

「お待たせいたしました。魔術学校対抗の戦闘試合を始めます」

次の幕が上がった。教師の上演会から戦闘試合に移った。

新入生歓迎会のスケジュールは毎年同じで上演会から学生同士の戦闘試合の順に行われる。

「早速出場校を紹介します。マキュール魔術学校、エリュドルクス魔術学校、ニコラノラルクス魔法学校、エレウィーン魔術学校です」

出場校は毎年異なるが、カルバーテルの名門魔術学校の学生がマキュール魔術学校主催の大会に参加する場合が多い。

新入生歓迎会ではあるが、大会でもあるので名門魔術学校の学生も参加している。

もはや規模の大きすぎるこの大会は新入生歓迎会の体裁をなしていないのだが、マキュール魔術学校は規格外なのでたびたびこのような事件みのある出来事が見られる。

「ルールを説明します。学校の代表者を5名選んでください。ただし一人だけ回復魔法を使用できる人を用意してください。これは学生だけでなく先生も参加できます」

「技の威力、洗練さ、美しさなどを見せ合います。3学年だけではなく2年生や1年生も出場できます」

「技の威力はお互いに向き合い同時に魔法を使用してください。どの程度相手を押し出したのかがポイントになるガチンコ勝負が特徴です」

「洗練さは一人に一回得意技を披露していただきます。魔法の威力は関係なく魔法をどのように磨き上げたのがポイントになります」

「美しさは舞台でどのくらい会場の観客を魅了させられるのかをポイント化します」

「威力、洗練さ、美しさでそれぞれ10ポイントずつ合計30ポイントで競います」

いろいろと長いルール説明は終わり、時間がやってきた。

「ちょっとまて」

「学長!」

すると司会の目の前に学長らしき人物が見えた。観客はどれどれと関心を見せる。

「ここまで出場者を煽ってもしょうがないだろ。こんなシステム面白くない。技の威力とか美しさ?」

「そんなものよりもその人自身の特性を見るべきだろう。魔法というのは威力や洗練とかとは本来は無縁なんだ」

「確かに実力も大事だ。しかしこれでは魔術師を望む者は少なくなる一方だ。大会の意義は世界のみんなに魔法のすばらしさを伝えることだ。強さを競うものではない」

「何でもかんでも数値化するのは本来魔法に興味を持つはずだった者を無視していることになるんじゃないか?」

「なあみんな、今回はわしが見てやろう。楽しみながらやろう」

学長は自分の直観を信じている。少し違った考え方を会場に知らしめる学長。しかし当然学長の主張は広く受け入れられるものではなかった。

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