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第17話

 修正等完了しましたので投稿します。楽しんでいってね。





 予想外の魔法使いとの遭遇に冷や水を掛けられたオーヤンが正気を取り戻し、さらにユウヒの一見すると馬鹿力に見える行動に意気消沈してから小一時間後、怪我の治療を終えたドワーフの二人はコンテナの影で遺物を整理していたユウヒの前に胡坐で座り深く頭を下げていた。


「いや本当にすまねぇ」


「次からは良く話し聞くことをお勧めするよ」


「めんぼくねぇ」


 大きな怪我こそ無かったが体中にあちこち擦り傷を負った二人は、戦闘やユウヒの【ウィンドボム】で吹き飛ばされた荷物を探すのに時間がかかり、治療を終えるのにもずいぶん時間がかかったようだ。そんな二人は一息ついたことで改めてユウヒに謝罪している様で、謝罪するオーヤンの表情はすっかりしょぼくれており、彼の顔にはユウヒに噛みついていた時の威勢は全く感じられない。


「ほんとっすよ! こっちの身にもなってほしいっす!」


「うっ……だがよ、俺は早く帰りたくてだな」


 一方でユウヒの事を一方的に恐れていたカリナンは、話をするうちユウヒが優しい人間であると分かりすっかり元気になっていた。今ではしょぼくれたオーヤンに対して不満を口にしながら噛みついている。そんなオーヤンは早く帰りたいという一心で焦っていたらしく、眉尻を落としながら隣で頬を膨らませるカリナンの顔を下から覗き込む。


「普通に働けばいいだけっすよ」


 そんなオーヤンに大きくため息を吐き背中を丸めるカリナンは、早く帰りたければ普通に働けばいいと言ってもう一度短く鼻から息を洩らす。どうやら彼らには今お金が必要なようであると理解したユウヒは、焦るほどの金額とはどんなものだろうかと静かに二人の会話を見守る。


「だが金貨3枚なんてすぐにゃ無理だろ」


「ちょっと大きめの仕事とか面倒な仕事受ければよかったんすよ」


 金貨3枚、それとなく砂の海の貨幣について調べていたユウヒは少し驚いた様に眉を上げる。何故ならこの地での金貨は上から数えた方が圧倒的に早い価値があり、ユウヒが稼いだ小銀から銀貨、小金を経てやっと金貨となるのだ、そんな大金を3枚と言うのはオーヤンにもそう簡単に稼げるものではない様だ。


「だったら遺物をそのまま売ったが金になるだろ! あの箱なんかちと壊れたが小金3枚はいくぞ! 交渉次第じゃもっといくじゃろ!」


「博打すぎるんすよ!」


 その現状を解決する方策が遺物の売却だった様だが、それはずいぶん危険な方法らしく、カリナンに博打だと言われたオーヤンにもその認識があるのか、苦々しくも諦めた様な表情を浮かべる。


「金が要るのか」


「そうなんすよ! おやびんは女将さんの大事なツボ割っちまったんすよ!」


 しかし、お金とは何か得るために必要な道具でしかなく、その使い先は何とも情けないもののようだ。


「それが金貨3枚なのか」


「そっす! それを謝ればいいのに喧嘩腰で言い訳するもんだから追い出されたっす。弁償するまで帰ってくるなって、金細工の入った白磁壺で何かの賞品らしいっす」


 女将さんが誰なのか詳しく聞く気も無くなるユウヒの問いかけと視線に、オーヤンが実にばつの悪そうな表情でそっぽを向くと、代わりにカリナンが説明を続ける。彼女曰く、見た目からして高価な壺を割ってしまったオーヤンは、素直に謝ればいいものを何があったのか言い訳を始めた事で家を追い出されたのだと、ユウヒは話を聞く間に腕を組んですっかり肩を落とし背中を丸めたオーヤンは口を窄めてしまい、二対の視線に気が付くとチラリと二人に目を向けた。


「ありゃ確かメルメサの美女コン優勝賞品だな」


「……おやびん、わかっててあれは正直ドン引きっす」


 ユウヒには良くわからない、しかしカリナンにはオーヤンの言った言葉の意味が分かった様で、優勝賞品と言う言葉を聞いた瞬間勢いよく立ち上がると、目の前に座るドワーフの男性に向けてゴミでも見るような表情を浮かべると絞り出す様に呟く。


 どうやらオーヤンとんでもなくありえない事を仕出かしたことだけは理解出来たユウヒは、視線を二人の間で何度も往復させると小さく肩を竦め溜息を静かに漏らす。


「いや、わしも悪いとはおもっとるんじゃ……」


「はぁ……」


 立ち上がり冷めた目で見降ろしてくるカリナンに若干怯えた様に肩を窄めるオーヤンは、視線を逸らしながらぼそぼそと呟き、その様子に大きな溜息を吐いて地面にぺたりと座り込むカリナン。


「荷運び手伝うなら少しくらい分けてやるぞ? 持ってった遺物の半分は貰えるらしいからな」


「なに!? ほんとか!」


「マジっすか! 半分も……」


 意気消沈を絵にしたような二人の様子を、取り外したコンテナの開口部に座りながら見詰めるユウヒは、目を瞑り眉を寄せて海風に掻き消える程度の溜息を洩らすと、二人に向かってバイトの提案を行う。その言葉に対する二人の反応は劇的で、先ほどまで砂浜の砂と同化して消えてしまいそうだった二人は、勢いよく顔を上げると目を見開き鼻の穴まで大きくして興奮した様に鼻息を鳴らす。


「まぁコンテナはこの場で加工するからその分減るけど」


「加工だぁ? 魔法使いが機械を扱えるわけないだろが」


「なんで?」


 二人の視線の圧から逃れるように日が落ち始めている空を見上げるユウヒは、いつの間にか手に持っていたペグ付きランプに灯りを灯すと砂地に深く刺し、眉間に皺を深く寄せながら失笑を洩らすオーヤンの言葉に小首を傾げる。


「え、機械を使ったら精霊に嫌われるじゃないっすか」


 魔法使いは機械を扱えない、そう話すオーヤンに小首を傾げ問いかけるユウヒは、カリナンの説明に目を瞬かせ肩にいつのまにか居ついている光の精霊に目を向けた。どうやらユウヒが魔法の光を灯したことで周囲から精霊達が寄って来ている様だ。


「そうなの?」


「常識だろ」


「常識っす」


 ユウヒにすり寄っては空を舞い、代わる代わる挨拶するように視界に入り込む精霊を見回したユウヒは、二人に確認する様に問いかけるも、ドワーフにとって機械を扱う者が精霊に嫌われると言う話は常識のようである。


<……?>


「気にしないそうだぞ?」


 そんな常識があったのかと驚くユウヒは、念の為に精霊にも確認するべく周囲をふわふわ舞う精霊に目を向けると、彼女達はユウヒの意思を汲み取り首を横に振る様に揺れて見せた。小さく力の弱い精霊の為、丸く光る球体にしか見えない彼女達であるが、その意思はユウヒへとしっかり伝わっている。


「それじゃドワーフから魔法使いが生まれねぇ説明にならねえだろ!」


「そっすそっす!」


 しかしそんな精霊と密にコミュニケーションを取れるユウヒの言葉は二人のドワーフに信じてもらえず、先ほどまでの死にそうな様子はどこへ行ったのか、拳を握って声を荒げはじめた。どうやらドワーフには魔法使いが生まれないらしく、それは彼らの種族にとってちょっとしたコンプレックスの様なものになっているようだ。


「ふむ、精霊はドワーフ嫌いなのか?」


<……?>


 嘘や冗談を言っている様には見えない二人の言葉に肩眉を上げて首を傾げるユウヒは、ならばと精霊に聞いてみようと顔を上げる。二人に精霊は見えないのでユウヒの言動は何とも奇妙に映り、彼を見る目の訝しむような色が濃くなっていく。


「機械扱うから嫌われるっす!」


<……? ……!!>


 ドワーフが嫌いかと聞かれて首を傾げる精霊、それはどちらでも無いと言った印象で、少なくとも拒絶する様な意思は感じられず、カリナンの発言を確認する様なユウヒの視線に精霊はキョトンとした様子で反対側に首を傾げると、全力で首を振りユウヒに纏わりつく。どうやらユウヒが機械を扱う事はいつの間にか周辺精霊の周知の事実となっている様で、必死な様子の理由はそんなユウヒからの悪感情を恐れた精霊の焦りのようだ。


「ほん」


「そうだ、機械を扱ったドワーフはその先の代も嫌われる。だからドワーフには魔法使いが生まれない」


 精霊から伝わって来る意思は脳に直接届き、その情報から何か勘付いたユウヒは精霊を指先で撫でるとオーヤンに目を向ける。ユウヒの視線に眉を上げた彼は、鼻から勢い良く息を吐くとドワーフにとって常識となっている話を語った。


「どうよ?」


<……? ……! …………!!>


 精霊は機械が嫌い、砂の海においてそう言った話はどこにでもあり、だからドワーフからは魔法使いが生まれないのだという差別的な論調に繋がり彼らの自尊心を刺激する。どこにでもありそうな話の答えがユウヒによって今まさに解き明かされようとしていた。


「なるほど、ドワーフって酒好きか?」


 精霊達から様々な意思を投げかけられるユウヒは、その一つ一つを咀嚼することで一つの解に至る。その確認の為に彼は静かに話し始めた。


「当たり前だ! 酒が飲めないドワーフなんていねぇ!」


 様々な世界のドワーフ同様に砂の海のドワーフも酒好きである。それは彼らの生活環境や生活様式に基づいた進化なのか、酒が飲めないドワーフなど居ないと言わしめるほど酒好きのようだ。


「そうか、もしその酒を奪われそうになったらどうする?」


「戦争だ!」


 それ故に、彼等から酒を奪おうものなら拳が飛んで来ることを覚悟しなければいけない。事実彼らはこの砂の海と言う地に国を作る過程で何度となく酒が原因の戦争を行っていた。そんな歴史を知らないユウヒは、戦争だと叫ぶオーヤンに呆れた表情を浮かべる。


「もしお酒が祭壇に飾られていたらどうする?」


「祭壇だと!? もったいねえ! 飲むに決まってる!」


 それは祭事であっても同様で、彼等は祭壇に捧げられた物であっても酒なら絶対に自分たちで飲み干す。たとえ捧げられても次の瞬間には祭壇から無くなっているであろう。


「飲む時は静かに飲むのか?」


「静かにのむだぁ? 酒に失礼だろ! みんなで集まって酒樽囲んで盛大に歌い騒ぎ鉄を打ち鳴らし飲む! それがドワーフの伝統だ!」


 また彼らのお酒の席は常に鉄が打ち鳴らされ、打ち鳴らす物が無ければ酒が注がれるたびにカップをぶつけ合い乾杯を繰り返す。このためドワーフの国の酒場には鉄製のテーブルが多く、全てが鉄じゃなかったとしても縁は鉄でなければドワーフの国で使われることは少ない。


「なるほど理解、そら嫌われるわ」


「どういう事っすか?」


 砂の海と言う地におけるドワーフの伝統を聞いたユウヒは、周囲で様々な感情を垂れ流す精霊達の様子を見渡すとため息を吐き、そんなユウヒの言動にカリナンは良くわからないと言った様子でユウヒを見上げる。


「……言って良いのか、いや言った方が良いだろうな」


 訝し気なオーヤンとキョトンとしたカリナン、二人の様子に少し悩むユウヒは小さく息を吐いて話し始めた。


「あれだ、精霊も酒が好きだが他人から奪いはしない、仲間と一緒に飲みはするが割と静かに飲む。酒を飲む時に大きな音を立てる事はほぼ無いそうだ……むしろうるさいと酒の味が楽しめないらしい」


 精霊と言うのは非常に曖昧な存在で物質に干渉することもしない事も出来る為、お酒を飲むことも可能である。むしろお酒と言う物の何が好きなのか不明であるが、ユウヒの周りに集まる精霊達はお酒がとても好きだと言うがしかし、それは仲の良い者達と静かに飲むもので騒ぐものではなく、また彼女達の情報伝達速度は非常に速いため、仲間がもしドワーフにお酒を奪われようものなら翌日には地域全体に知れ渡る。


「え?」


「は?」


 普通の人だってもらったお酒を目の前で奪われたならば気分が悪くなるもの、特に精霊は純粋で幼い心を持つ者が多い、そんな精霊が自分たちの為に捧げられたお酒を祭壇から持ち去られたならどう思うか、火を見るより明らかであろう。


「要はだな、ドワーフが精霊と契約できないのは、酒のマナーが悪いからだ」


「なん、だと……?」


「うそ、そんな……」


 これまで砂の海でドワーフが精霊と契約し魔法使いになれなかったのは、ドワーフが精霊の嫌う鉄と油を多く使う機械を好んで扱うからだと、誰もが信じて来た。しかしその真実はユウヒの通訳の結果、酒癖の悪さであったのだから、聞かされた二人が受けた衝撃は如何ほどのものかユウヒには想像も出来ない。


「だいたい、人様の酒を奪っちゃいかんだろ? 相手が精霊でも」


<……!>


 想像もできない衝撃であったであろうが、だからと言って擁護する気にはなれないらしく、精霊からどんな話を聞いたのか呆れを多分に含んだ目をするユウヒの言葉に、周囲の精霊は全力で頷いている。


「「…………ぅ」」


 二人にも何か思い当たる節があるのか、目を泳がせると何も言えず呻き声一つ残して崩れるように倒れてしまう。どうやら気絶したらしく、ユウヒはこの世界のドワーフと言うものを一つ知り何とも言えない気持ちになりながらも、二人が寒く無い様に魔法の火を点けるのであった。





 それからどれくらい時間が経ったのか、目を覚ました二人は荷物から薪を取り出しユウヒの点けた火に無言でくべる。


「すっかり意気消沈してしまったな」


<……>


 温かな火をじっと見つめる二人はすっかり意気消沈してしまい、それでも空腹は満たしたいらしく焚火の火で炙った何かの干し肉を無表情に咀嚼していた。まるでゾンビの様なその姿を遠目から見るユウヒの呟きに、傍に寄り添う精霊達は申し訳なさそうな様子で揺れている。


「まぁ良いんじゃないか? 知ることは大事だよ」


<……>


 精霊達の様子に肩を竦めて見せたユウヒは、気にしなくていいと話すが精霊達の罪悪感は中々消えない様で、そう言う純粋な子供の様な彼女たちの様子に微笑む彼は、解体したコンテナで作った車輪を軸に固定しながら少し考え込む。


「そうだな……良い酒が手に入ったら一緒に飲もうか? 何だったら仕込んでも良いな」


<……!>


 元気づける為に何か無いか、そう考えたユウヒは安直に酒の席に誘う。その効果は劇的で、先ほどまでの悩みが吹き飛んだかのように輝く精霊達は、ユウヒ自身がお酒を造れると知り驚きに満ちた感情を振りまく。


「巨竜山脈の向こうに居た時に作った事があるんだよ、神様にも好評だったらしいから材料が揃ったらまた試しても良いな」


 事実ユウヒは魔法の力でお酒を造った事がある。工程を無視して理想に近づけるユウヒの魔法によって生み出された酒は管理神をもってしても十分美味しいと言えるもので、その後もアミールの下にはユウヒの酒が手に入らないかと言う問い合わせが来ているが、忙しい彼女はその連絡に気が付いていない。


「おー綺麗だな」


 神の喉をも潤す酒と聞いては精霊も期待しないわけがなく、ユウヒの周りには続々と話を聞いた精霊が集まって色とりどりに輝く。夜空の星にも負けない輝きを見せる精霊に笑みを浮かべるユウヒは、その頭の隅で素材の少ない現状でも出来るお酒造りの算段を立て始める。


「よし、良い感じの荷台が出来た。次は動力だな」


 頭の中で思考が分かれながらも手は止まらず、計画通りに部品を合成魔法で作ってはプラモデルのように組み合わせ調整し接合して行く。暗くなった砂浜で魔法の光と精霊の光に照らされながら出来上がったのは、大きな車輪が取り付けられた金属の荷台で、十人乗ってもまだ十分な余裕がある大きさである。


「ギアとチェーンはこれでよし」


 だがまだ完成ではないらしく、荷台の上に上がったユウヒは中央の床板を外すと頭を中に入れ、荷台の上に置いてあったチェーンを歯車に噛み合わせ車軸と接続していく。さらに前方の床板を取り外すとその下に見える歯車ともチェーンを繋ぎ、チェーンを床板の上に引き出すと、あらかじめ用意していた魔法の回転盤が取り付けられた回転軸と接続した。


「回転盤を三枚で三段階変速の完成だな」


<……?>


「え? これだとダメそうか?」


 軸受けの上に置かれた回転軸に取り付けられた三枚の回転盤、日本でも作って育兎との合作で発電機を回すために用いた回転盤は、周囲から取り入れた魔力を回転エネルギーに変換する装置である。厚みはあるがそれほど大きくはない回転盤、使用する枚数を増減させる事で段階的に変速するつもりのようだが、ユウヒの側に寄ってくる精霊はその構造にダメ出しを入れた。


<……>


「なるほど、むむむ……確かにこれはパワーが強すぎるな」


 精霊曰く、ユウヒが作った動力部分の構造では力が強すぎ、このまま使えば危険だと変更を促す。精霊達から送られてくる意思はユウヒの脳裏に言葉や映像として伝わり、小さく唸るとそれに合わせて円盤を調整して行く。


「よしよし、これで良いだろう」


 しばらく精霊と共に回転盤を調整し続けたユウヒは、ようやく納得できる状態にできたのか額から流れる汗を気持ちよさそうに拭う。寒い時は暖かく、暑い時は涼しくしてくれる神様印のポンチョを着ていても、集中が必要な作業を行うと流石に汗が流れ出るようだ。


「カバーを付けて魔法で繋いで、うん完全に中が見えないし色も黒いしブラックボックスってところだな」


 主要部分が完成したことで立ち上がったユウヒは、腰を拳で軽く叩きながら今度はカバーの取り付けに移る。床板を先に戻し終わったユウヒは、鉄板の形を魔法で整えると動力部分に被せて魔法で綺麗に接合していく。完全にカバーで包まれた金属の箱は外から見ても何なのか解らず、外に見えている回転軸と歯車から推測するしかない。


「……そうだ、分解したら壊れる仕組みも入れておくか、チェーンとギアは取り外せるようにして、回転盤はブラザーも慎重に使えって言ってたからな」


 外に出た回転軸と歯車部分にも安全の為に簡単なカバーを取り付けるユウヒは、ふと何かを思い出し手を止めると、動力部分に目を向ける。どうやら地球で育兎と話したある事を思い出したらしく、優し気な笑みを浮かべる彼は、動力部分に内部構造隠蔽の為に自爆装置を組み込むことにしたようだ。


<……♪>


 嬉々として自壊装置を作り始めるユウヒからは濃厚な魔力が流出し、その魔力を浴びた精霊達は楽しそうに舞い踊るのであった。



 いかがでしたでしょうか?


 思いもよらぬ真実を伝えられ消沈するドワーフ、そんな彼らを眺めつつユウヒは趣味に没頭する。止める者のいない場所でユウヒは今日も作り続ける。次回もお楽しみに。


 それでは、今日はこの辺で、皆さんの反応が貰えたら良いなと思いつつ、ごきげんよー

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