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輸出・令和版  作者: 大久保次郎
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海外編

「このあたりのエリアは日本人では難しいですね。もし、どうしてもということであれば、かなり狭めな間取りとして、かつ築年数で妥協するしかないですね」


2025年シンガポール。地球温暖化の影響か、近年はますます暑い日が多くなっている。かつて、日本からの駐在職員はおおよそノベナ地区に住むものと決まっていたはずであった。ところが、最近では、韓国企業や中国企業の駐在職員と家賃の水準で競争できないという。ノベナ駅には日系スーパーのドン・キホーテも進出して便利そうだったのだが仕方ない。


日系スーパーでも高価な日本産の野菜を喜んで買うのはシンガポール人だ。日本人はセール対象品をせこせこと買っている。マレーシア産のモヤシだって特に問題ないじゃないか。


「ノベナが通勤にも便利だったのですが、それであれば仕方ないですね。会社も郊外に移転しますし、さらに郊外に引っ込もうと思います。住まいは人並みにしたいので。」

「それであれば、リトルインディアや、ゲイラン地域がよいかと思います。最近、日本人が増えていますのでコミュニティもできあがっていますよ」


リトルインディアでよいかもしれない。どうせ、寝るために家に帰るだけだ。ふと、猛烈に働くものとされている韓国企業と、長時間労働の日本企業と、いずれが実質的に時給に優るのか考える。ところで、欧米企業の駐在職員は、もっと瀟洒なエリアに住んでいる。常夏の国での駐在は、彼らにとって数年間にわたるバカンスであるかのようだ。平日の朝からテニス、プールサイドでゆっくりとしているようにみえるが、その一方で、夕方には再び同じところで見かける。環境・人をうまく使っての働き方は到底彼らよりも上手にこなすことはできないだろう。そもそも瀟洒な地域は交通や買い物の便が悪いのだ。そこで悠然と過ごせるということは、その裏には各種サポートがあるに違いない。


いずれにせよ、ついにシンガポールでの海外勤務生活が始まる。新卒から20年、いまだ役職なし。これまで、様々な国に駐在してきた。縮小を続ける日本市場でのプレゼンスを維持しながらの海外展開。どこまでいっても、海外拠点は遊撃隊の扱いだ。ここでも、現地・日本本社との間で苦悶・苦闘を繰り返すことになるのだろうか。



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