不死の巣
それは突然の終わりではなかった。
みな、恐れながらも終焉を悟っていた。
いつから終わっていたのか?
いつになったら終わるのか?
今も暴動は終わらず、処刑を求める群衆が徘徊する。
だが、それを望むのは人か?死者か?
それを望まれるのは人か?死者か?
広場で磔にされた人型は憎悪さえ忘れて絶望する。
処刑台を囲む者も死者共に間違いないからだ。
町に断末魔が絶えることなく響き渡る。
何度処刑を繰り返しても広場に集う人影は減らない。
だが、絶対に処刑を止める事はできないのだ。
たとえ、町に一人も生存者が居なくなったとしても。
たとえ、永遠に死者が根絶出来ないとしても。
自分たちはここで生きていると信じるために。
それがどんなに現実味の無い妄想だったとしてもだ。
「私たちは救済されなければならない」
「なぜなら、私たちは」
「「「まだ生きているから」」」
太陽は廃墟を照らし、かつての狂乱を明らかにした。
中央広場の燃え尽きた処刑台。
町の至る所に散乱する武器にされ壊れた道具。
鎖で縛り付けられた棺。
子供は言った。
「なんだか大変だったみたい」
彼は言った。
「知りたいかい?」
子供は町を巡り最後に中央広場に戻った。
そして、処刑台に縋る物言わぬ骸骨の群れを見た。
子供は言った。
「最後はみんな一緒だったんだね」
彼は言った。
「その通りだとも」
「じゃあ、それで良かったんだよ、きっと」
誰一人生き残らなかった町にその声は響いた。
太陽に雲がかかり、日差しが遮られて暗くなる。
もはや、静寂を破ろうとする者は無かった。