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【電子書籍化】理想の悪役令嬢にどうしてなれないの!〜なぜかヒロインのように溺愛されています〜【web版】  作者: やきいもほくほく
悪役令嬢はヒロイン気質!?

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74.目を覚まして下さい



ーーーあの事件から一年経った。



ラヴィーニアはずっと目が覚めることはなく眠り続けていた。



「……ラヴィーニア」



ビアンカは毎日欠かさずにラヴィーニアの元に通っていた。

エレナが消えてラヴィーニアが眠ってから、皆の周りから明かりが消えたように静かになっていた。


そして、ビアンカ達の時間は動き出した。

もう乙女ゲームのオープニングに巻き戻る事は無かった。


ラヴィーニアを見ていると「ねぇ、ビアンカ!」そう明るい声で呼んでくれるような気がして……。

手を握り、祈るように目を閉じる。



「ラヴィーニア……お願い!目を覚まして!!」



ビアンカの頬に涙の流が伝う。

何も出来なかった自分が恨めしい。



「ねぇ、ビアンカ」


「……なに?」


「なんで、泣いてるの?」


「……え?」


「???」


「ーーッキャァアアァァ!!」


「どうしたのビアンカ……そんな幽霊を見たみたいな声出して」


「……目、目がぁ、覚めッ!!」


「目……?さめ?」



自分の目を確認する為に、窓ガラスを見た。

そして、そのまま数秒固まっていた。



「ーーーミャアアアァッ!!!?」



自分の姿を見て、悲鳴を上げた。

美しいアイスグリーンの髪が、寝て起きたら白くなっていたからだ。


困惑していると、ビアンカは思いきり此方に抱きついた。

そのまま大号泣するビアンカをとりあえず抱きしめながら頭にハテナを浮かべて悶々としていた。


二人の悲鳴を聞きつけたステファノやジューリオ、ディーゴが部屋の中に入る。



「ラヴィーニア!?」


「……ラヴィーニア様ッ!!」


「良かった……っ!!」


「???」


「っ、心配したんだぞ!」


「皆、どうしたの……?」



そんな様子を見て首を傾げた。


ラヴィーニアが目が覚めた事は直ぐにもエミリーやロンバルディ家に知らされた。


フィン達が此方に向かって来る間、テーブル一杯に並べられたご飯を食べていた。


お腹が一杯になった頃、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃに汚れたディエと、同じく涙を浮かべたフィンとルドヴィカが現れた。


三人に抱きつかれたラヴィーニアは揉みくちゃであった。


いまいち状況が掴めずにいると一年間ずっと眠り続けた事を説明されて、暫く思考停止していた。


エレナは砂になり消え去り、ラヴィーニアは眠り続けた。


髪が変色したのはエレナ同様、強い魔法を使った影響だと教えてもらった。


ラヴィーニアは自分の手のひらを見た。

あの時は兎に角、エレナを止めたくて必死だった。


その後「ありがとう……」と小さな声が聞こえた。

それが誰か分からなかったけど、一瞬だけ綺麗な金色の髪が揺れた気がした。


その後、体がズンと重たくなった。

そのまま眠たくて温かい光に包まれながら、意識を手放した。


そして、目が覚めたら一年後になっていた。


(……こんな私でも皆を守れたんだ)


そう思うと誇らしい気持ちで一杯だった。


起き上がろうとして、ペタリと床に座り込んでしまった。

落ちた筋肉はなかなか戻らずに、ディーゴに支えられながら小鹿のような足を動かしていた。


リハビリを一生懸命行った後、国王陛下の元へと呼び出されたのであった。



「……顔を良く見せてくれ」


「はい、陛下」


「よくぞ闇魔法を打ち払ってくれた」


「はい!」


「……闇魔法を打ち破り、国を守ってくれたラヴィーニア・ロンバルディに褒美をやろう」


「褒美……ですか?」


「あぁ、何でも良い」



国王の顔が僅かに悲しげに歪む。

声には哀れみが含まれていた。


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