番外編 〜リンデンバウム城のとある甘々な出来事〜
番外編 〜リンデンバウム城のとある甘々な出来事〜
この話は、領主リューンと名のない少女ムイが初めて恋人となってリンデンバウム城で暮らすようになった頃の話です。
「ムイ、それはなんだ?」
長く伸ばした黒髪を揺らしながら、ムイは振り返った。しゃがみこんだ体勢から見上げると、日差しをまとったリューンが立っていた。
ムイはそのリューンの姿が眩しくて目を細めながら、立ち上がって両の手に乗っているものを差し出した。
「鳥の子どもです」
手の上でもぞもぞと小さな体を動かしている。羽根はまだ生え揃っていなく、所々剥げていてみすぼらしい。
リューンは顔をしかめて言った。
「どうしてこんな場所で……」
それはガゼボの軒下に巣を作っているはずの、渡り鳥の子だ。ムイはその巣立ちを心待ちにしながら、毎日様子を見に行っていた。けれどここ数日、その雛鳥の頭数が減っていることに気がつき、ムイは他の大きな鳥にでもやられたのだろうと、心を痛めていた。
それが今日、散歩に出ていたガゼボからは少し離れたマニ湖の湖岸の近くで、偶然見つけたのだ。
「生きていますが、弱っていて……」
「巣から落ちたのだろうから、弱っていても仕方がないな」
「巣に戻しますか?」
リューンは一呼吸置いてから、答えた。
「人間の匂いがつくと、親鳥が寄ってこなくなる」
それは親鳥から餌を貰えない、ということになり、つまりは「死」に直結するのだ。
「戻したところで、死んでしまうぞ」
「……では、屋敷で飼ってもいいでしょうか?」
「ああ、いいよ」
リューンはそっとムイの頬を撫ぜた。その瞳は優しさと愛情で満ち溢れている。
そんな熱の帯びた瞳を凝視できず、ムイは慌てて手に乗せた雛鳥を見た。
首をすくめて弱々しく背中で呼吸をしている雛鳥の姿を見て、ムイは自分が初めてこのリンデンバウムの城に来た日のことを思い出した。
(リューン様は汚い格好をした私を、抱き上げお風呂に入れて綺麗にしてくれた)
脂でねっとりした髪に汚れた肌。
頭から湯を乱暴にバシャンとかけられ、恐ろしい声で言い放たれた。
「臭いぞ、娘。臭いで気分が悪くなる、吐きそうだ」
その時ムイは恐怖と羞恥で震えていたが、その言葉でさらに精神的に追い詰められた。悲しみが加わって、顔がかっと熱くなり、全身に震えが走ったのを覚えている。
ぼろぼろの雛鳥が、その時の自分に重なって見えた。
「雛鳥には生きた虫が必要だ」
リューンの言葉で、ムイが顔を跳ね上げた。
「えっ⁉︎ 生きた、虫、ですか?」
「そうだ。意地悪で言っているのではない。死んでいる虫は食わないそうだ。本当に必要なのだよ」
ムイは眉をひそめた。その引きつった顔を見て、リューンは少しだけ口元を緩めた。
「俺も幼い頃、小鳥を飼っていたので知っている。そうだ、アランにでも頼んだらどうか。庭師に虫嫌いはいないだろうからな」
虫が苦手なムイを慮って、リューンがそう補足した。
ムイは、ほっと胸を撫で下ろした様子で、まだ温かみのある雛鳥をそっと両手で包み込んだ。
✳︎✳︎✳︎
「随分と大きくなったものだ」
ちちち、と可愛らしいさえずりを響かせている小鳥を見て、リューンは相好を崩した。その表情を見て、ムイは頬を染めた。
リューンの城へと迎え入れられてから半年、リューンからあてがわれた部屋は、以前のような侍女の部屋ではなく、リューンの部屋にほど近い、広く大きな部屋だった。
落ち着いた色合いの家具。サテンの生地のカーテンは、軽やかに風に揺れ、敷き詰められた絨毯は裸足が好きなムイの足裏に心地よく触れた。
その中央のテーブルには、小鳥を入れている鳥籠が置いてある。
「……とても、元気になりました」
じっと小鳥を見つめるリューンの横顔を、ムイはぼうっと眺めている。その鼻の高さ、黒い瞳と金色の眉。ウェーブがかかった金髪は、金糸のように美しく光沢がある。
「歌は……歌わないのか」
リューンがムイへと振り返り見る。
その言葉にはっとして、ムイは一歩後ずさった。ムイの様子を見て、リューンは慌てて声を上げた。
「いや、変なことを言ってしまった。お前に歌えと言っているのではない」
「リューン様」
「ただこの小鳥がもっと元気になって、よく鳴けば良いなと思っただけで……」
時々。
(リューン様は、辛そうなお顔をする)
それがムイには少しだけ悲しかった。なぜそのような顔をするのか、いつまで経ってもその理由も分からずにいる。
「餌はどこに置いてあるのだ? お前は虫が苦手だからここに置いておくのは嫌だろう。良かったら、俺の部屋に置いて……」
きょろきょろとリューンが目を配った時、トントン、とドアがノックされた。
はい、と返事をしながらムイがドアを開けると、そこにはアランが立っていた。
アランはリューンがムイの部屋に来ていることを知ると、慌ててその場で頭を下げた。
「すみません、お邪魔してしまって……」
手には小さな小箱。それを見て、リューンは胸に痛みを覚えた。
「昼の、時間だな」
「リューン様」
ムイが手を伸ばす。けれど、それには捕まらず、リューンは滑るようにムイとアランの横をすり抜けていった。
「リューン様っ」
ムイが後を追って、廊下へと出る。ムイがその足を二本、三歩と進めるうちに、リューンは自室へと入ってしまった。
「やっぱりマズかったな」
背後でアランの気まずそうな声が聞こえてくる。ムイは振り返ると、アランが差し出してきた小箱に手を伸ばした。
二度、躊躇してからそっと受け取る。
中に虫が入っている、そう思うと受け取る時に手がふるふると震えたが、ムイは意を決してそれをぐっと力を入れて持つと、部屋へと入った。
ドアが閉められて、アランの足音が遠ざかる。
(リューン様はきっと……呆れられたに違いない)
途端に目頭が熱くなり、ほろっと涙が零れて落ちた。
✳︎✳︎✳︎
「はああ、いい加減、俺も大人にならねばならぬのに」
虫が苦手なムイに代わって、小鳥に餌をやるのにアランに頼めと言ったのは、紛れもない自分だというのに。
(何という心の狭さだ)
ここ最近、国王の元歌姫がリンデンバウムの城に滞在していると聞きつけたどこぞの輩が、城を訪ねてくるようになった。
それまではムイを囲うような生活をさせていたのを曲げて、ムイに面会を許すようになると、途端にムイを慕う者が押し寄せてきて、リューンは心底煩わしく思っていた。
「リューン様のお心のままに」
戸惑いの表情を浮かべながら、ムイはそう繰り返した。
「俺が会うなと言えば、ムイはきっとそうするだろうな」
ムイが拾った小鳥に思いを馳せる。元気になり、今は鳥籠の中で羽ばたきさえできる。籠から出せばすぐにも高く青い空へと舞い上がっていくだろう。
(そんな風に、どこかへ飛び去ってしまったら)
リューンはバルコニーへと続く窓のノブに手をかけ、大きく開いた。バルコニーへと出ると、太陽の日差しが肌に差し、リューンはその眩しさに目を細めた。
(この健全な光を浴びれば、俺の鬱々とした不健康な気持ちも消毒されるだろうか)
苦笑しながらバルコニーの手すりへと手をかける。
目の前に広がるバラ園から漂う香りを、胸いっぱいに吸い込む。そして、ふううっと細く息を吐くと、リューンは少しだけ落ち着いた心地になった。
(ムイを……あの籠の中の小鳥のようにしてはいけない)
それに、と思う。
(たとえ歌が歌えなくとも、ムイはムイだ)
太陽を浴び、バラの香りを胸の中へと押し込むと、リューンは声に出して呟いた。
「ムイ、お前が好きだ」
胸の痛みも、いつのまにか治った。
✳︎✳︎✳︎
そのドアが開くまで、ムイはリューンの部屋の前で立ち尽くしていた。手には小箱が握られていて、唇は引き結ばれている。
ガチャとドアノブが回る音がしたのに反応し、後ろへと仰け反った。
部屋の中からリューンが出てきて、心臓が跳ね上がった。
「ムイ、どうしたんだ、こんな所で」
「……リューン様」
俯いた顔は青白く、眉も斜めになっていて、その瞳はいつ雨が降ってもおかしくないというような、そんな曇り空のようにくすんでしまっている。
そんな様子のムイを見て、リューンが優しく言った。
「餌をやるのが怖いのか?」
ムイは迷いつつも、こくっと顎を打った。
「……あ、アラン、はどうした?」
今度はふるっと首を振る。
「俺のせいで、手伝って貰えなくなってしまったか」
ムイは、そっと視線を上げた。
困った顔をしたリューンを見ると、ムイは身体の奥から何か得体の知れない液体のようなものがふつふつと湧いて出てくるような気持ちになった。
リューンに対して、以前感じていた恐怖や、心が通じ合ってからの愛情のそれとはまた違う種類のもののようで、ムイは知らぬ感情に恐れ慄いてしまった。
(嫌われてしまう)
咄嗟に浮かんだ考えで、湧き出てくる液体が外へと溢れた。
実のところムイは、土の中を掘り出して虫を捕ってくれるように、リューンに頼みに来たのだった。
幼い頃、家族と暮らしている時はまだ、畑を耕したり種をまいたりしていたこともあり、平気だったのにと悔しく思う。
いつのまにか触れなくなり、リューンに虫を捕ってもらうだけでも、と思い、ドアをノックしたのだ。
けれど、リューンの困り顔を見て、自分の浅はかな考えに焦りと怒りとを覚えた。
(リンデンバウムの領主様に、私は何てことを頼もうとしていたのだろう)
「あ、いえ、私……じ、自分で……自分でやります」
小箱を持つ手にぎゅっと力を入れた。手のひらに箱の角が当たって、痛みがあった。
「自分でだなんて、無理をするんじゃない」
優しさを含む声に気づかず、ムイは焦って声を上げた。
「大丈夫ですっ」
この場を去りたかった。消えたい、そう思うほど、ムイの心はざわざわして混乱していた。
ムイは踵を返し、廊下を小走りで進もうとした。
「ムイっ」
腕を掴まれて、そして背中を抱かれた。
「ま、待てっ」
ぐいっと力が入った逞しい腕は、あっという間にムイの身体を引き寄せてしまった。
後ろへと倒れそうになり、ムイは驚いて前に回ったリューンの腕に掴まったが、どんっと当たった背中はリューンの身体によって支えられ、倒れることなくそのままリューンの両腕に包まれた。
「あ、」
ムイが小さく声を上げた。背中からリューンの体温が一気に流れ込んできて、ムイの身体を包み込んでいった。
「待て、俺がやる」
耳元でそう囁かれ、首筋がざわっとして震える。
「俺がやるから……お前は行かなくていい」
抱き締められて、ムイの胸はドキドキと打ちつけた。下半身から、するすると力が逃げ出していく。足が地についているのか分からないほどの浮遊感。
足元が覚束なくなり、ムイはいっそう、リューンの腕に縋りついた。
リューンの左腕が動いて、ムイの持っていた小箱に手をあてがう。
「俺が小鳥の世話をする」
小箱を取り上げると、リューンはムイから腕を離した。
「餌も俺が用意する」
ムイは膝から崩れ落ちそうになるのを必死に耐えて、その場に立っていた。
小箱をさらったリューンは、部屋の中へと戻っていった。
ムイは、熱く火照った頬を両手で包む込むと、小刻みに震える息を整えようと、細く細く吐き出していった。
(どうしよう、リューン様に小鳥の世話を頼むなど)
昔、ムイがリューンに貰った花の髪飾りを、かつてリューンの恋人だった洗濯係のサラに蓮の畑へと放り投げられた時、リューンは泥中へと自ら入り、全身泥まるけになりながら探してくれたという。
(そんなこと、もうさせられない)
ムイは唇を噛んだ。そして、心を決めると、廊下を小走りで走った。
✳︎✳︎✳︎
(あんな場所でリューン様は何をやっているのだ)
届いた手紙を手元で仕分けしながら、ローウェンは城のバラ園を足早に歩いていた。午後のティータイムの準備はマリアに頼んであるものの、自分がいなければリューンは新しく取り寄せた紅茶すら口に入れることはできない。
(なんせ、ティーポットからカップに注ぐことすら、やったことがないお方だからな)
苦笑しながら、歩を進めていると、遠くにリューンの姿が目に入った。
(あれは、リューン様か?)
足を止めて怪訝な目で見ていると、リューンはその場でしゃがみ込んで、何かをやっているようだ。肩の動きから、地面に向かって何かをしていることが分かった。
(なんだ、何をやっているのか)
じっと、目を凝らす。すると、右手に持っていた何かを側に放り投げた。
ガランと音がしてよく見ると、それはスコップだった。
(……穴、を掘っているのか?)
ローウェンは疑問で頭をいっぱいにしながらも、その場をそっと離れた。
それは、このような人気のない場所で、執事である自分に何の相談もなく、リューンが自ら行動しているのを見て、これは触れずにおいた方が良いのだろうと、総合的に判断した結果だった。
「それにしても、一体何をしていたのか」
リューンの行動も気にはなるが、新着の紅茶の茶葉の具合も気になる。リューンの口に入る前に、試飲をしなければならない、そう思うと気がそちらに向いて、ローウェンは再度、足を速めた。
裏庭にある蓮畑の横を通って、調理場への近道である裏口に手を掛けようとした時、視線の端に何かが見えた。
いったんはノブを握った手を離し、二、三歩後ろへと下がる。
すると、裏口から回った少し離れた場所にある花壇にムイの後ろ姿を見つけた。この花壇は、この城の料理長であるソルベが、料理に使う香草や葉物を育てているものだ。
(こんな所でムイは何をやっているのか)
デジャヴか? と思いながらも、ローウェンはムイに気づかれないように、そっと近づいた。しゃがみ込むムイを後ろから覗き込むと、右手にスコップを持って、花壇の隅をつついている。
デジャヴだな、そう確信すると、ローウェンはムイにも気づかれないようにと、そっとその場を離れた。
裏口から入り調理場へと向かう廊下で、ローウェンは吹き出しそうになり、口元を手で押さえた。
「何だ、あれはっっ」
声に出すと笑いがこみ上げてきて、ローウェンは腹を抱えて笑った。
「はははっ、二人してしゃがみ込んでスコップとは……笑えるのだが……ははっ」
はー腹が痛い、そう言いながら、ローウェンは廊下を歩いていった。
✳︎✳︎✳︎
部屋へと戻ると、鳥籠が無くなっていた。
(リューン様が、もう?)
ムイは慌てて部屋から飛び出し、リューンの部屋のドアをノックした。
「入れ」
ムイがドアを開ける。するとリューンが書斎のデスクの前で、書類の束を抱えて立っていた。
「ムイか、どうした?」
振り返って言うリューンの声はいつもに増して優しかった。
その声を聞いて、ムイの目がじわりと熱くなる。チチチと小鳥の鳴き声が耳に入ってきて、ムイはその声の元を探した。
「こっちだ」
リューンが指をさす。
ソファ横の大理石のサイドテーブルの上に、鳥籠は置いてあった。
「ムイ、おいで」
リューンの声に誘われて、ムイはふらふらと鳥籠の側へと寄る。それに合わせてリューンも近づいてきた。
「ちゃんと夜飯もやったから、安心しろ」
傍らには、小箱。きっとこの中には虫が入っているだろう。
(こんなことを、リューン様にやらせてしまった)
ムイの心の中は混乱し始め、胸もぎゅっと掴まれたように痛い。ムイはそんな気持ちを我慢するようにと、唇を引き結んだ。
「どうした、ムイ」
声色が変わった。
ずいっと前に出てきたリューンに両手で頬を包まれた。リューンの手の温度が、ほわっと温かみを増していく。
「なぜそんな顔をしているのだ? 泣いていたのか? どうして、泣いたのだ?」
焦りの色を加えた声に、ムイは顔を上げた。
リューンがムイの頬を包んでいる指で、すうっと撫ぜた。
「涙の跡がついている。どうしたんだ、俺が……」
リューンがくしゃりとその顔を歪ませる。
「俺が、何か……その、俺が、したことで、お前が悲しい思いをしたのなら……」
「違いますっ」
ムイはリューンの言葉を遮って言った。
「……違うのです」
視線を下げる。リューンの首元の飾りをじっと見つめながら、ムイは話し始めた。
「……小鳥のお世話などをリューン様に押しつけて、」
涙が、ぽろっと落ちた。
「このままではいけないと思い、」
リューンの手に、ムイは手を重ねた。
「リューン様のお手を煩わせてはいけない、そう思って、」
涙が次々と頬を流れていく。
「……花壇で、虫、を探そうとしたのですが、」
ひっく、と背中が打った。
「こ、怖くて、」
さらに、びくびくと背中が波打つ。
「……さ、触ることができなく、て……ふ、うっうっ」
「む、ムイ」
リューンが慌てて抱き締める。
「す、スコップなのに、スコップでも、触れなくて、」
「もういい」
「……自分が、、情けなく、、、ううっ」
「もういいから」
リューンがムイの髪を撫でる。そっと髪にキスをした。
「ムイ、苦手なことを無理にしなくていい。俺が世話をすると言っただろ。お前はやらなくていいから」
「…………」
「分かったね」
ムイがこくっと顎を打つと、リューンが覗き込むようにしてから、唇にキスをしてきた。ムイはそれを受け入れ、大人しく目を瞑る。
「さあ、もう泣くな。お前は何でも我慢し過ぎるきらいがある。今まで十分辛い思いをしてきたのだ。これからは楽に生きていい」
リューンの力強い抱擁を、ムイは全身に感じると、縋るようにムイもリューンに手を回した。
「リューン様」
そして、ムイが落ち着くまで、リューンはムイにキスを繰り返した。
✳︎✳︎✳︎
「何なんでしょうね」
アランが呆れ声を出した。
「本当だ。茶番でも見せられた気分だ」
ローウェンも呆れた声だけでなく、呆れた顔を浮かべている。
肩を並べながら二人、廊下を歩いている。
「ただの虫ですよ?」
「ああ、虫、な」
そして、ぶはっと笑い出した。
「と、鳥の世話するだけで、この展開、くくっ」
「全くだ。アラン、お前は知らないだろうが、毎日、これだよ」
アランが、さらに声を上げて笑った。
「毎日ですか、それはローウェン様もお辛いですね」
「ムイの指に刺さった、バラの棘事件のことは聞いたか?」
「聞きましたよ、調理場でも大爆笑でした」
あはは、くくく、と二人の笑い声が廊下に響いた。
終わり