板金邸にお呼ばれ【前編】
こんにちは、準菜食主義者の中野です。
前回軽く自己紹介をさせて頂いた時にお話ししましたが、両親が海外を転々としている為家に帰って来ず、その結果普段の食事は自分で作っております。
最近流行っているヴィーガン食とは異なり、基本的に肉以外は全部食べます。どちらかと言えばマクロビに近いのですが、白米は日本人の宝だと考えているので普通に食べます。他にも細かい定義はあるみたいですが、私はその辺は適当です。
厳密に言えば私は準菜食主義者(もしくはペスコベジタリアン)という分類にあたるみたいですが。
どうして私がこんな食事法を採っているのかと言えば、幼少期に親に連れ回されたヒンドゥー教圏の国を訪問した際に、現地のレストランで牛食はBullshitだ!と口汚く言われ、イスラム教圏の国々を訪問した際には、豚食はCringeswineだ!と血走った目で言われ、、他にもユダヤ教圏などを来訪した際に色々心許ない事を言われた為、幼少期のトラウマになりそれ以降ジビエなどを含む精肉を食べなくなりました。
前置きはさておき、どうして私がこんな事を言っているのかと言えば、前回のお話で楿子が生活指導の先生に不要なモノを咎められる際に一緒になって陳謝し助け舟を出してあげた事から、その御礼にという事で食事に誘われたのである。
到着したのは板金邸。ここに来たのは初めてですが、正門から家屋までの間にプールとバスケットゴールが見えました。
話を聞くところ、この家は別邸らしく幾つか所有している内の1つだそうです。本邸は兵庫県芦屋市の山奥にあると聞きました。お、お金持ち…。
高齢の執事の方に広間まで案内されると、楿子が既に席についており、暖かく迎えてくれた。
「やや、よく来てくれたねワタシちゃん!遠慮せずに座って座って」
普段バカやってるイメージしか彼女には無いのでピンと来ない部分がありますが、楿子は本来なら私とは住む世界が違うとんでもないお嬢様なのだと再認識しました。
「遠慮しないで、さっコッチの席にどうぞ」
「あ、ありがとう」
一目しただけで高価だとわかるフカフカの椅子を引いて座るよう促す楿子に感謝を述べ、ゆっくりと腰を下げる。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!
突然、私のお尻の下からオナラの様な音がしました。
「おい…随分と古典的な事してんじゃないの板金塗装ちゃんよぉ…」
「ば、板金言うな…」
椅子の下に忍ばせてあったであろうブー◯ークッションを取り出し、通気口を持って振り回しながら楿子へと近づく私。身の危険を感じ、ジリジリと私から遠ざかる楿子。
「板金家のおもてなしは来客に屁こいて貰う事なのか?だったらお返しにアンタにも出して貰おうじゃないの。尻子玉ってヤツをねぇぇぇ!!」
「いやぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁ!!!」
角を生やした私と楿子は急遽鬼ごっこ(in 板金邸)で遊ぶ事になりました。
次回に続きます!