楿子と落書き
こんにちは、中野です。
昨日に引き続き、本日も事件です。教科書を忘れてしまいました。
理由は簡単、曜日を勘違いしてしまったからです。
「やっちゃったなぁ」
「どうしたの?人でも殺めたの?」
隣に座る楿子が頭の悪そうな事を聞いてくる。
「んなわけないでしょ。家に教科書忘れちゃったみたいなのよ」
「毎度毎度アホだねぇ〜」
「昨日のはアンタのせいでしょうが」
昨日、私の筆入れを隠し持っていた前科がコイツにはある。
さて、今日持ってきていない教科書(勘違いしていた曜日との被りがない科目)は…現国と数学と世界史か。持っていない教科書が3科目分だから不幸中の幸いかな?
「ゴメン、楿子。現国と数学と世界史の時間、教科書見せて貰っても良い?」
「かまわんよ」
日本語不自由なのかな?
とまぁ、内諾を得たので一先ずは安心した。
幸いにも予備のノートはあったので、今日はそれを使う事にする。後で普段使ってるノートに移す事で復習にもなるし一石二鳥で良いかも。
そんな事を考えてた時期が私にはありました。
まず現国。今日の授業は小説文だったが、勝手に登場人物のセリフが足されていた為、朗読している最中に普通に笑ってしまった。先生に注意を受ける。1OUT。
数学。y=A ∪<C ∪ like termsとかいう訳のわからない構文の落書きがしてあった為、理解に苦しんでいる間に先生に当てられ、答えられず。2OUT。
世界史。歴史上の偉人が何故か全員ツルッパゲに落書きされていた。もしくはオカメみたいな化粧が施されており、思わず吹き出してしまう。先生に怒られる。3OUT。
〜放課後〜
「今日は散々だった」
ぐったりしている私に、やれやれと言いたげな顔をした楿子が嘆息する。
「何か今日注意力散漫だったよね。マジメに授業受けなよ?」
「お前が言うな!!!」
3アウトを喰らった本日、2度と忘れ物をしないと誓いました。チェンジ!
like terms…英語で同類項という意味になります。