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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

姉妹百合モノ

作者: オイラ

講義を受けていると突然降りてきました。

容姿については多くは書いてないので各々想像してお読みください。

「ただいまー」


 部活のテニスを終え、私は愛する我が家に帰ってきた。自分の部屋に向かっていると、リビングの方からいい匂いと共に声が聞こえた。


「お姉ちゃんおかえり。ご飯出来てるよ」


「ありがとう、萌」


 今日は父さんも母さんも帰ってこないため、妹である萌が晩御飯を作って待っていてくれた。これがあるから部活を頑張れているまである。


 私の名前は戸坂舞。正真正銘の女子高生だ。身長は一六〇より少し高いくらいで、胸は人並みよりあると思っている。友達からもよく大きいと言われてからかわれる。ちなみに彼氏はいない。


 晩御飯を作って待っていてくれたのが、私の大好きな妹である萌。私の一つ下で、成績優秀。運動神経も悪くなく、友達も多いが帰宅部。萌の笑った顔はあまり見たことないし、口数も少ない。彼氏はいないらしいけど、よく告白されるとのこと。萌は可愛いからね、仕方の無いことだと思う。


 さっきも言ったように萌は表情が乏しいが、たまに見せる笑った顔に私は鼻血出そうになるし、小声で「お姉ちゃん」と言われた時はいつも倒れそうになるし、その後に「どうしたの?」と首を傾げる仕草をされるともう駄目。一時間ぐらい抱きしめていたくなる。


 私は部屋にカバンを置き、制服をハンガーに掛けてから妹の待つリビングへと足を運んだ。今日の晩御飯は何かとても楽しみだ。


 リビングへの扉を開けると、机の上には既に料理が並べられており、座ったらすぐに食べられる状態になっている。萌はやはりよく出来た妹だ。私なんかとは大違いだ。


「今日は肉じゃがにしてみた。野菜が安かったし、お姉ちゃんが(肉じゃが)好きだから」


「あ、ありがとう」


 私は言葉に詰まってしまった。意味はわかってる。けど、そこ省かれたら勘違いしても仕方ないよね!? やばいよ。肉じゃがじゃなくて萌を食べてしまいそうになる。危ない危ない。


 気持ちを落ち着かせて席につき、いただきます、と言って肉じゃがを食べる。うん、今日も萌のご飯は美味しい。きっと良いお嫁さんになることだろう。いや、夫になる以前に付き合うには私を倒してからにしてもらわないと。


「お姉ちゃん、美味しい?」


「美味しいよ。いつもありがとう」


「好きでやってる事だから」


 本当にいい子。自分で言って悲しくなるけど同じ親から生まれたとは思えない。わたしは料理も家事もからっきしだしね。


「学校はどうだった?」


「いつも通りだけど?」


「そ、そう……」


 萌と二人きりは嬉しいのだが、問題はこれだ。会話が続かない。萌はあまり自分のことは喋らない。聞いてもありきたりな言葉しか返ってこない。親がいるともう少しマシなのだが、生憎今は二人なのだ。でも、ご飯は美味しい。


「お姉ちゃん、お弁当箱は?」


「あ、忘れてた。部屋から持ってくる」


 私は晩御飯が楽しみすぎて弁当箱を持ってくるのを忘れていた。私が持ってきてないことに気づく萌はやはりよく出来た妹だ。食べ終わった私はすぐさま部屋に弁当箱を取りに行く。


 帰ってくると机の上はきれいさっぱり片付けられており、萌は食器を洗っていた。


「お弁当箱かして」


 萌の言う通り弁当箱を渡し、私はソファに寝転がってダラダラとTwitterを見たりして、休んでいた。


 萌も洗い物が終わったようで小さい方のソファに体育座りをするように膝を抱えてアイスを食べながらスマホを弄っている。膝の間に顔が埋まっているのに器用に食べている。すごく尊い。


 というか、今の状況もやばい。この静かな家に萌と二人きりという事を考えるだけでさっきから心が持ちそうにないし、今だって本当は後から「何してるの?」って言いながら抱きしめたいし。というか、姉妹なら問題無いのでは? 普通の姉妹なら日常茶飯事でやっているのでは?


  いや、今まで何もしてなかったのに、突然抱きしめて「え、キモい」なんて嫌な顔して言われた時はショックで自殺しちゃうし、「どうしたの?」と聞かれても、萌が可愛いからとか、萌が好きだからとか言ったらドン引きされそうだし、抱きしめるにはリスクが高すぎる。共通の話題もないし、どうすれば……。


「私、そろそろお風呂入るね」


 萌がそう言ってお風呂に向かって行った。色々と考えていた私は萌に聞こえないような声で「あ、うん」としか言えないし、本当にどうしよう。別に仲は悪くないと思っているけど、萌は私のことどう思ってるんだろうか? 私から話しかけることはあっても、萌から話しかけてくるのは滅多にない。あっても参考書を貸す時くらいだ。


 そんな時に、私は萌が座っていたソファに掛かっているパーカーを発見してしまった。今日着ていたやつのはずなので一緒に持っていくのを忘れてしまったのだろう。萌にしては珍しいミスだ。


 萌がお風呂に向かってからそう時間は経っていない。私はすぐさま体を起こし、そのパーカーを手に取った。そう、ちょっとだけ。ちょっとだけならバレないよね? 手に持っただけで萌の匂いが鼻腔をくすぐり、頭の先から足の先まで私の身体中を犯すように駆け巡る。なんだかいけないことをしている気分だ。


 我を忘れてしまい、我慢出来ずに顔からパーカーを被り、萌の匂いをクンカクンカしまくった。いい匂い過ぎて気絶してしまいそう。同じシャンプーやボディソープを使っているはずなのにどうしてこうもいい匂いがするのか。


 時間も気にせず嗅ぎまくっていると、廊下からする足音に気づくことが出来なかった。リビングの扉が開き、その音で私は我に返った。


「お姉ちゃん、何してるの?」


 そこにはバスタオル一枚しか身に纏っていない萌が立っていた。髪が濡れておらず、体から湯気も出ていないのでお風呂に入る前ということだろう。というか、そんな観察している場合ではない。この状況をなんと言い訳したらいいのだろうか。


「えっと、その……」


 言葉がでない。完全にアウトだ。正直に「萌のパーカーがいい匂いするから嗅ぎまくっていました。てへっ☆」なんて言ったら絶対に嫌われる。というか、一生口を聞いてもらえないかもしれない。それは人生の終わりを意味している。


「それ、今日着てたから汚いよ。洗うからかして」


 何事も無いように萌はパーカーを渡すように言った。え? それだけ? 天然なの? 流石にその反応は予想外だ。無反応はないと思ったけど、この状況について何も思わないの? ま、まさか、全てを知っていて、尚且つ私を傷つけないために無反応でいるというの? ごめんね萌。そんなに気を使わせてお姉ちゃん失格だね。


 私は萌の言う通りパーカーを渡した。萌は再びお風呂に向かった。私はこの短時間で部活以上の疲れを感じた気がする。萌がお風呂から出るまで軽く寝ることにしよう。


 そうして私はソファの上で襲い来る眠気に身を任せた。






「お姉ちゃん、やっぱり私の服、嗅いでた」


 私はお姉ちゃんが私に対して家族以上の感情を抱いていることは薄々気づいていた。なぜわかったかと言うと、私もそうだからだ。私もお姉ちゃんが好き。これは誰にも言えない秘密だ。だから父さんも母さんもいない今日、行動に出た。あえてお姉ちゃんが一人のところに私の服を放置したのだ。結果は思った通り、私の匂いを嗅いでいた。


「ふふっ」


 私の腕の中にはさっきまでお姉ちゃんが嗅いでいた私のパーカーがある。頭から被っていたからお姉ちゃんの匂いが付いていることだろう。とても良い気分だ。


 私は脱衣場でさっきまでのお姉ちゃんと同じ状況になった。洗剤や自分の匂いとは別に、大好きなお姉ちゃんの匂いがそこには存在していた。同じ物を使ってこんなにいい匂いがするのは、きっとお姉ちゃん本体から特別なナニかが出てるのだろう。


「あぁ、お姉ちゃんの匂い……」


 私もお姉ちゃんに見られてしまったら確実にアウトだけど、お姉ちゃんは今すぐにはこない。これは確信を持って言える。長年お姉ちゃんを観察してきた私に不覚はない。


 私がお姉ちゃんに家族以上の感情を持ち始めたのは中学生の頃だと思う。私は感情を表に出すのが苦手だ。それでいつも不機嫌そうや、眠そうだと言われる。色々あっていじめられたりしたが、その時はお姉ちゃんが助けてくれた。私の恋心はそれからだろう。


 この後に備えて私は体を隅々まで入念に綺麗に洗い、お姉ちゃんに見られても大丈夫なように丁寧に洗った。下は処理するほど生えてないし。


「大丈夫、だよね……?」


 ただの勘違いで、お姉ちゃんが実はただの匂いフェチで、私のことは家族として好きなんて言われたら恥ずかしくて死んでしまうかもしれない。その時は無理矢理襲って私の虜にしてしまえば……。


「よし。行こう」


 パジャマに着替えた私は胸の前で小さくガッツポーズして、お姉ちゃんを呼びに、そして今夜のためにリビングへ向かった。






 お姉ちゃんはソファの上で寝ていた。お姉ちゃんの寝顔を見るのは何年振りだろうか。とても良い顔をしていて、きっと楽しい夢を見てるんだと思う。私はキスできそうなほど顔をできるだけ近づけてお姉ちゃんを起こした。


「お姉ちゃん、お風呂空いたよ」


「ん、んんぅ……」


 寝ぼけていて反応が悪い。もう少し強く体を揺らしてみる。


「起きて、お姉ちゃん」


「ん、も……え……?」


「そうだよ、お姉ちゃん。お風呂入ったら?」


 目がまともに開いていないお姉ちゃんはそのまま体を起こした。するとどうだろうか。私はお姉ちゃんがここまで深く眠りについているとは思ってなかったから、お姉ちゃんが体を起こすのに反応できずに、唇同士が重なってしまった。


「!?!?」


「ふぇ?」


 お姉ちゃんはまだキスしたことに気がついていないみたいで、とぼけた声を出し、自分の唇を人差し指で触っていた。


「え、え、えぇぇっ!?」


 お姉ちゃんもようやく気がついたみたいで、私同様にすごく慌てている。顔がすごく赤くなっているけど、お互い様だろう。それよりも、この場を何とかしないと。


「お、お、おおおお姉ちゃん」


「な、なななななななななな何でございましょうかぁ!?」


 私もそうだが、お姉ちゃんの慌てっぷりは相当だ。私はそれを見て少しは落ち着いたと思う。


「お風呂、空いたよ」


「しょ、しょうでしゅか……」


 とても気まずい空気がリビングを支配している。どちらも動けず、喋るにしてもかなりの緊張感だ。


「わ、私お風呂行くね」


「う、うん。あっ」


 危ない危ない。本題を忘れるところだった。今の空気で言うには大分勇気がいるけど、今なら確実だと思う。


「お……お姉ちゃん。今日、一緒に寝ても、いい?」


 これでもかと言うほどに媚びるような甘ったるい声で、上目遣いでお姉ちゃんに言った。流石に断ったりはしないよね……?


「うぇ!? い、い一緒に!? 良いよ良いよ。もちろんだとも」


 さっきからお姉ちゃんの言葉遣いが所々おかしいけど、大丈夫だろう。私はお姉ちゃんに何か言われる前にこの部屋からでなければボロが出てしまうかもしれない。


「じゃあ、お姉ちゃんがお風呂から出たら、行くからね」


「わ、わかった」


 私は早足で自分の部屋へ向かった。大丈夫だったかな? 違和感はあったかもしれないけど、きっと大丈夫だと思う。






「やばいよ。え、どうするよこれ?」


 萌から一緒に寝ようなんてどうしたのか。もちろん嬉しいんだけど、私今日寝れるかな? それより、さっきの萌はやばかった。可愛すぎない? あんな甘ったるい声と上目遣いで見られたら駄目でしょ。あの時襲わなかった自分を褒めてやりたい。


 一緒に寝るのか……。最後に寝たのはいつだったかな? 萌が中学の時にいじめられていて夜泣いてた時だったかな。それ以来一緒に寝ることも無くなったっけ。萌も成長したということなのかな。まぁ、あれだけ家事やって勉強出来たら成長してると言わざるを得ないけど。それに比べて私は……。


 ま、まあ、自分のことはどうだっていいの。それより、一緒に寝るんだから体はいつも以上に綺麗にしておかないと。何があるかわからないからね。って、さっきキスしたんだけど。思い出すだけで恥ずかしくなってきた。めちゃくちゃ嬉しかったけど。何で萌はあんなに近くにいたんだろ。起こすだけだったら顔を寄せなくてもいいのに。


 萌を待たせたら悪いからね。早くお風呂入って萌を迎えに行こう。……私はファーストキスだったんだけど、萌はどうなんだろ?






 私は自分のベットの上で悶えていた。事故とはいえ、お姉ちゃんとキスしてしまったのだから。完全に予想外の出来事だ。少しは狙っていたところはあったかもしれないけど、お姉ちゃんがあそこまで寝ているとは思ってなかった。私の顔が近くで慌てる姿を創造してたんだけど。


 今まで普通の姉妹を演じてきたつもりだ。でも、それも今日まで。私はお姉ちゃんに告白する。高校に入ってから告白もされたけど、「好きな人がいるから」と断ってきた。男子には申し訳ないかもしれないけど、私はお姉ちゃん以外に愛せる自信はない。断られたら考えるかな。


「大丈夫。大丈夫……」


 自分に言い聞かせるように大丈夫、と何回も繰り返す。お姉ちゃんはなにごとも根拠の無い自信を持って動いている気がする。私はそんなこと出来ない。だから、今だってこういう風に言い聞かせないと自分を保てない。いじめられてからの癖みたいなものだ。


 可愛い妹も今日で終わりだ。どうか私の告白が良い方へ動きますように。






 いつもより長くお風呂に入ってしまった。仕方ないよね。これから萌と一緒に寝るのに色々な場所を綺麗にしておかないとね。別に襲おうとかは考えてないよ。萌は可愛い普通の女の子だから。色々な意味でショックは与えたくない。家族間でヒビが入るのは避けたいし。


 うーん。いつから萌のことが好きになったんだろう。特にこれといったことはなかったと思うんだけど。昔からあまり笑わない子だったけど、あれかな。一目惚れってやつかな。多分、最後に一緒に寝た夜、顔を真っ赤にしながら「ありがとう」って言われた時かな。あれは破壊力抜群だった。あの笑顔は忘れることができない。


 悩んでいても仕方ないし、萌を呼びに行くとしましょうか。


「萌、お風呂上がったよ」


 顔を見て話すことを躊躇った私は扉を開けずに萌を呼んだ。向こうから動く音が聞こえるからベットで寝てたのだろう。


 扉が開き、そこには枕を抱えて少し俯いている私の天使が存在していた。うーん、可愛い。夜も遅くなってきたし、明日も早いから早く移動しようかな。


「じゃあ、行こっか」


「うん」


 そう言うと、萌は手を差し出してきた。え、すぐそこの距離なのに手を繋ぐの? 本当にどうしたのだろうか。ここまで甘えてくるのは本当に久しぶりだ。可愛いからいいんだけど。むしろいつもこれくらい甘えてくれたら私も嬉しい。


 躊躇うことなく私はその手を取ろうとしたが、念の為ズボンで手を拭いてから萌と手を繋いだ。私の手も小さい方だと思うけど、それよりも萌の手は小さい。お風呂上がりだからか、萌と手を繋いですぐに手汗をかいてる気がする。少し恥ずかしい。


 部屋に着くと、もちろん一緒のベットに寝ることになる。私が入ってから萌は端の方に寝転がった。大きめのベットを買ってくれた親に今だけは感謝している。いつもは少し落ち着かない。


 電気を消して布団を被ると、萌が背中合わせで寝ていたから、私は反対を向いて、萌を抱きしめるように寝た。色々聞きたいこともあるから。


「今日はどうしたの? 何かあった?」


「そんなこと、ないよ。いつも通り」


 本当にそうだろうか。嘘を付いているのは明らかだが、萌が言いたくないのなら無理に聞く必要もないだろう。


「そっか。じゃあ、おやすみ」


 萌から返事はなかったが、私は寝ることにした。萌の匂いですぐに寝れるか心配ではあるけど。


 その時、腕の中で萌がこちらを向くように反転した。丁度萌の顔が私の胸の位置に来ていて、少しくすぐったい。しかし、萌の口から出た言葉に私は驚きを隠せなかった。


「お姉ちゃんは、私のこと、好き?」






 お姉ちゃんの部屋まで来てしまった。もう、後戻りすることはできない。覚悟は決めたんだから後は思いを伝えるだけなんだけど、それが難しい。


 いつもと違うことはお姉ちゃんにもわかっているようで、背中合わせから抱きしめられるような体勢になって質問されてしまった。胸柔らかいなぁ。


「今日はどうしたの? 何かあった?」


 うん。普通はそう思うよね。誰の目から見ても明白だろう。でも、私の口からではのは本心ではなかった。


「そんなこと、ないよ。いつも通り」


 どうしてそう言ってしまったのだろう。自分の気持ちが普通じゃないのはわかってる。だから本当の言葉を口にすることができない。覚悟はできているつもりだった。でも、実際にそうなると、やはり躊躇ってしまう。


「そっか。じゃあ、おやすみ」


 お姉ちゃんはそう言って寝る姿勢を見せる。このままじゃ駄目だ。何のためにここまで来たのかわからなくなる。この先、思いを伝える機会は来るかもしれない。でも、それは確定している訳では無い。だから今しかない。私はお姉ちゃんの方へ体を向けると、顔の位置に胸が来た。顔を埋めてやっと出た言葉がこれだ。


「お姉ちゃんは、私のこと、好き?」


 何の捻りもなくストレートに聞いてしまった。実に私らしくない。お姉ちゃんは今どんな顔をしてるだろうか。顔が胸に埋まってるから見ることができないから、頭を動かして上目遣いでお姉ちゃんを見てみると、いつもの優しい顔をしていた。


「好きだよ。萌は可愛い妹だよ」


 違う、そうじゃない。私が聞きたかったのはその言葉じゃない。可愛い妹、そう言われて嬉しさはあるけど、私は一息置いて、本心を伝えた。


「私も好き。でも、それはお姉ちゃんとしてじゃなくて、家族としてじゃなくて、恋の方の好き……なの」


「え?」


 お姉ちゃんは顔が固まっていた。当たり前だろう。今まで可愛い妹を演じてきたのに、突然恋の好きなんて言われたら当たり前の反応だと思う。


 問題はここからだ。本当にお姉ちゃんが私のことを『好き』なら、私の告白を受け入れてくれるはず。


 お姉ちゃんが何の反応も示さないから恥ずかしくなってきて、お姉ちゃんに思い切り抱きついた。私はお姉ちゃんの答えをじっと待った。






「私も好き。でも、それはお姉ちゃんとしてじゃなくて、家族としてじゃなくて、恋の方の好き……なの」


「え?」


 嘘……だよね? 萌が私のこと『愛してる』だなんて。まさか両思いだったとは。今までそんな素振り見せなかったのに、突然どうしたのだろうか。いや、嬉しいんだけど。


 しかも、萌が抱きついてきた。やばい。ちょっと待って。両思いなんだから襲っても受け入れてくれるんじゃない? いや、今日はやめておこう。萌が勇気を出して打ち明けてくれたんだから私も答えないと。だから、私は萌の頭を撫でながら返事をした。


「私も萌のこと愛してるよ。世界で一番大好きだよ」


 ついに言ってしまった。もう戻れない所まで来ているのはわかってる。後に何が起こるかはこの際考えないようにしよう。今はこの幸せを受け入れよう。


「本当? 嘘じゃない?」


 萌が涙目になって見てくる。こんなに可愛い子に好かれるのはとても嬉しい。妹だけど。本当に血が繋がってるのか怪しい。私とは大違いだ。


「本当だよ。嘘なんかじゃない」


「じゃあ、両思いだね」


「私と付き合ってくれる?」


 何を言ってるんだ私は。いや、両思いなのはわかったけど、萌の倫理観を無視して「私と付き合ってくれる?」はおかしいでしょ。ここで「無理」なんて言われたらどうするの。


「もちろん」


 私が色々考えている間に萌が「もちろん」と言った。その瞬間、私の唇は萌に奪われていた。


「んっ……」


 それだけではなく、明らかに萌は舌を絡ませにきていた。私の唇が激しく攻め立てられる。待って待って。思考が追いつかない。


「お姉ちゃん、お姉ちゃん」


 萌の攻めは止まらない。私に覆いかぶさるように上を取り、強引に舌をねじ込んできた。為す術もなく、私は口の中を容赦なく犯される。抵抗しようにも力が入らないし、何よりも快楽が体を支配している。思考も段々とやられてきていた。


「あっ、んはぁぁぁ……」


 舌を絡ませるだけではなく、遂には服越しに私の胸を揉み始めた。これには私も声を漏らしてしまう。本当に駄目になりそう。萌も私の足に股を擦り付けていて、興奮しているのが良くわかる。萌の膝が私の股にあり、激しく擦れあっている。


「萌、萌っ」


 このままやられっぱなしというのも気に食わないので、今度は私の方から萌の口内を犯していく。萌の頭を思い切り引き寄せて無茶苦茶に舌を絡ませる。


 何分ほどキスしていただろうか。お互い自然と頭を離し、顔を合わせる。呼吸を乱して、顔を赤くしている萌は最高にエロかった。


「おねぇ、ちゃん」


「なに?」


「私、幸せだよ」


「私も」


 今日はこのくらいでいいだろう。これ以上は止められそうにないから。萌もわかっているのか、何もしてこず、お互い抱き合うようにして眠りについた。今夜は良い夢が見られそうだ。

お読みいただきありがとうございます。三日前の講義中に突然案が降りてきたので思うまま文章にあらわしてみました。急速に書いたので正直全体的にあまり自分でも納得のいくものが書けなかったのですが、時間をかけてもこれが今の力量の限界だと思います。頭の構想通りに物語が進まないもどかしさ。うーん、悲しい。語彙力も圧倒的に足りてませんし。グー〇ル先生は偉大なんやなって。初めての一人称だったので、怪しい部分が多々あったと思いますが、そっと胸の中にしまっておいていただくか、感想にてご指摘お願いします。


こんな短編なら楽に書けるんですけどね。それではまた会いましょう。

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