恋の寄生虫
私は、好きな人がいる。
もう何年も恋をして、かなわないと思ったことも何度もあった。
それでも彼は、私を選んでくれた。
誰にも気づかれずに、誰にも選ばれずに。――でも、彼は私を選んでくれた。
それに感謝するけど、私は知っている。――彼にも好きな人がいる。
そのことを私は彼に言う。それを彼も認めている。
「もう、いってくれないか――――――」
彼から告げられた、その言葉。――私は心のどこかで、その言葉を待っていたのかもしれない。
その言葉を聞けて、もう満足だった。
「今まで、ありがと」
そう言葉を残し、私は、光となった。
――ハッピーエンドというけれど、それは間違いだ。少なくとも私は、そうは思わない。
この幸せは、一生続くのだ。私が私でなくなっても、ずっと。
私の中で居続けるのだ――。