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007.訓練と言う名の人殺し⑴



訓練を終えてから、自宅へと運ばれ目を覚ましたのは月曜の朝だった。

人の気配がしたので横を見ると凛恵が睨んでいた。


「今何時だと思ってるの?」


寝起きでぼやけた視界の中時計を見ると眠気は全て吹き飛んだ。部屋のカーテンを開けると太陽が最も高い位置にある。

太陽を見て凛恵が怒っている理由が嫌が上にも分かった。


「ごめんなさい!」


振り向いて謝り凛恵の顔を見ると見たくもないものを見てしまったかのような顔をしている。視線を下へ移すと納得した。

それと同時に左頬へ激痛が走った。


「マイ、サンよ…………」


※※※


今回もまた気絶していた。

しかしあれは寝起きだったせいだが、言い訳をする気は無い。

それにしても何故こんなに気絶するんだろうか。そろそろ不思議に思ってきている。


「り、凛恵さん。この度は申し訳ございませんでした」


深々とお辞儀をした。今までで一番綺麗な形だったと思っている。


「航くんに、悪気が無いのは分かってるから。今日は帰るね」


流石に気まずかったので帰るとちょっとは落ち着けるだろうと思っていたのだが、家のチャイムがなる。


恐る恐る出て見ると案の定カレンだった。

しかし、真剣な表情をしているのだがおれには理由が分からなかったが、何か大切なことなのだろうと思いドアを開けた。


「失礼するわね」


「は、はい……」


リビングの椅子へ案内をした後、何故ここに来たのか質問をした。


「なんでここに来たんだ?」


少しの間が空いてカレンが話し始めた。


「決まったわ。最初のIB使用実技訓練の日時よ」


つまりは、とうとう人を殺し本物の意味で犯罪者集団の仲間入りをするということだ。


「明後日の午後4時(水曜日)に行うわ」


何故この時間なのかはなんとなく予想はつく。恐らくは人の多い時間帯だからだろう。

それだけを伝えてカレンは帰っていった。

人を殺すのだと思っただけで今日はもう眠れそうに無いが、布団へ入り朝を待った。


※※※


学校は来たものの授業には全く集中せずに明日のことを考えていた。

すぐそばの人たちが死んでしまう経験をしているので命の大切さとかは分かっているつもりなのだが、それを奪うと考えるととても怖くなってくる。結局気付いた時には学校が終わっていた。


「ねえ、航くん。今日なんも考えてないような気がしたんだけど何かあったの?」


「い、嫌なんでも無い」


この日は凛恵とは帰らず1人足早にかえった。


「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」


恐怖が襲ってくる。この恐ろしさを覚えておかなければならない。最低限人であるがために。

読んでいただきありがとうございました。

今回は投稿時間のすぐ前に気づき慌てながらも丁寧に書きました(笑)次回もよろしくお願いします。

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