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002.4月10日


4月10日


これは入学式の日、人生が狂う前の数週間。


俺は鷹御台高等学校(たかみだいこうとうがっこう)、通称鷹高と呼ばれている。

この高校を選んだ理由は簡単だった。


中学のときまでは元々住んでいた家から離れていたので高校入学と同時に一人暮らしを始めるため鷹御台市に帰ってきた。


朝は目覚ましで目が覚めた。

朝食を作ってくれるような家族はいないので自分で作りテーブルについた。


「いただきます」


1人で朝食を食べることには、ようやく慣れ始めた。


登校の準備を済ませ外へ出て、歩き出す。


※※※


校門前


ここまでの人は久しぶりに見た。

流石市内で一番人数の多い学校なだけある。

玄関の所まで歩いていき。クラス分けをみた。自分のクラスのところを見ると、凛恵の名前があった。


「凛恵も帰ってきてるのか」


小声で独り言を呟いた。


校舎内へ入り、5階まで登った。

あまりにも階段が長すぎる。

教室の前に着いた。これから学校が始まると思うと、なんだか緊張してきた。


勇気を振り絞って扉を開けた。


「わーたーるーくんっ!」


俺の名前を叫ぶ人と言えば。


「航くん、元気だった?久しぶりだね」


凛恵しかいない。子供の頃街中でよく叫ばれたような気がする。


「おお、凛恵か久しぶり。でかくなってたから分からなかった」


正直、人の名前を叫ぶ癖のようなものがなければ気づけなかった。


「航くんはそのままだねー」


そのままって言われるのはなんだか嫌な反面、昔に戻ったようで少し嬉しい。

久しぶりすぎて何を話していいのか分からない。


「じゃ、じゃあ色々準備しないといけないし……あ、あとで話そうな!」


「う、うん。そうだね!」


ほとんど話すことができずに自分の席についてしまった。


「なあ、あの子と知り合いなの?」


前に座っていた男子が話しかけてきた。


「うん。幼馴染……かな」


「へぇ、いいなー。俺にもあんな子がいたら」


そんなことを言っているが久しぶりすぎて戸惑っている自分にとってはそんな呑気なこと聞いている余裕もないくらいだ。


「それより、君の名前は?」


肝心な名前を聞いていなかったことに気づき質問をした。


「俺か?俺は永峰亮(ながみねりょう)。そっちは?」


「神崎航。よろしく」


「おう!よろしくな」


自己紹介が終わる頃くらいには、周りの話が高校デビューと言えば不死薬服用の時期の話だ。この時代では定番のネタらしい。


だが、なぜなんの躊躇もなく飲もうとすることができるのか不思議でたまらない。


考えていると、その話が振られた。


「俺は……飲まない、かな」


以外にも周りの反応は薄かったのだが、どうやら俺のことを変なやつだとは思っていないらしい。


チャイムがなり担任となる教師が入ってきて、入学式の説明を始めた。


※※※

体育館


春なのに体育館はとてもあつい。

この違和感はなんなんだろう。

周りはあまり気にしていないようなのでおそらく、人口密度のせいだろうか。


式が終わり教室へ戻った。


以外にも早く終わり、帰り支度を整えていると、凛恵が近づいてきた。


「航くん、一緒に帰ろ」


「おう」


なんか、すごく気恥ずかしい。

突然再開した幼馴染って、こんなに違う存在なのか。


「な、なあ凛恵。あの日からずっと何してた?」


「え、えーと。色々してたかな」


色々してたのか。さっぱり伝わってこないけど。それよりもここからどうしよう。


そのまま無言の状態が続き、家の前まで着いていた。


そのとき凛恵が話し始めた。


「ねぇ、航くん。会えて嬉しかった。じゃあ、また明日!」


「お、おう。俺も……」


行ってしまった。


まあ、無理もないか。10年間もあってなかったんだからな。


この日は夜ご飯を食べ、風呂に入り。

明日へ備えた。


読んでいただきありがとうございました。

アドバイスしていただきありがとうございました。しばらくの間は001と002(書き足す前)間の話を書いていこうと思うのでよろしくお願いします

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