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死を忘れた世界で  作者: 黒川 イヌキ
第3章過去改変編
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018.向かう先は



ここにでは俺の記憶は無くなったものとされている。つまりIBの存在も知らないと思われているのだろうが、全てを思い出した俺はきっと誰にも止めることはできないだろうと思っている。

このゴミのような世界を元に戻すのだが、まずはあの時の返事をしなければならないのでカレンを助け出す。返事をしなきゃいけないから助け出すというのは言い訳に過ぎない。ただ俺が助けたいだけ。本人に会った時にそれが言えるかどうかはわからない。

でも、今はやるしかない。

「IB起動!」

この力を使い、壁を破壊したそこからはカレンがいる部屋へ白い道をひたすらに走っていく、こうも同じ色が続くと距離感がなくなってしまうが恐らく目的の場所へと近づいているはずだ。しばらくすると若干の凹みがあるところへとたどり着いた。前に一度来たことがあるここで間違いない。

ドアを全力で攻撃した。

「カレンッ!!」

そこには反逆者として牢獄に閉じ込められているカレンの姿があった。よかった。本当によかった。こうしてまた会うことができた。

「航!私はあなたにずっと会いたかったわ」

そんな言葉を聞いた俺は思わず泣きそうになってしまった。

「ごめん。少し待たせちゃったかな?」

自分にできる満面の笑みで応えたつもりだ。

あとはカレンを連れて早宵市まで逃げるだけだ。

「扉を壊すからちょっと下がってて」

カレンは頷いて壁の端まで下がった。

それと同時にカレンを閉じ込めていたものを壊した。すると建物内に警報音が鳴り響いた。まずい。

「カレン急いで出よう」

俺はカレンを抱えるとすぐにガラス張りの部屋へと駆けていく。IBのお陰もあって直ぐにたどり着いた。

「しっかり掴まっててね」

ガラスを突き破り空に身を投げ出した。

「航!これからどうするのよ!」

「大丈夫信じて」

「わかったわ。信じる信じるから、死んだら永遠と恨むからね」

「もちろん覚悟はできてるよ」

地面まで10メートルを切ったところで夢の中で密かに習得した飛行技術を実行に移した。

体は空中に留まり続けている。成功したので少しホッとしている。ここからそう遠くないはずの早宵市までノンストップで飛んでいった。向かう先は元俺の家へ。




読んでいただきありがとうございました。

ここでお詫びさせていただきます。前回の最後凛恵となっていたところはカレンでした。申し訳ございませんでした。間違いはすでに訂正しました。完結まであとわずかなので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。次回もよろしくお願いします。

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