表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

わかりづらい

調べれば調べるほどワケ分からなくなる日本語。

まるで虹色(または漆黒または白)の輝きとともにグニョグニョと形を変える、不定形なことで有名なアレのようです、アレ。狂気山脈にいる地下鉄なみにデカいアメーバ。


テケリ・リ、テケリ・リ


ええっと、不吉な鳴き声は放って置きまして。

今回は四つ仮名に纏わる愚痴です。

四つ仮名とは、

「じ」「ぢ」「ず」「づ」

の四文字の事。

これの使い分けが、メンド臭いような、メンド臭くないような……ちなみに不定形なアレはすごく臭くて「玉虫色の悪臭」という異名もあるそうですが、某ライトノベルでメイドになっている時はどうしているんだろう。


いやいや、メイドも放って置きまして。

同じ発音なのに「じ、ぢ」「ず、づ」と仮名が二つあるのは、

「い、ゐ」「え、ゑ」と同様に昔は発音が違ったから、らしいです。

それをまた例のごとく国のお偉い方々が整理して、現代仮名遣いを優先して使おうぜ! という事になりました。

「じ」「ず」の方が基本優先です。


ですが「ぢ」「づ」も使われますね。

これは下の二つの場合のみに許される「特例」という扱いのようです。


【①同音の連呼】

 語の中で「ち」「つ」の音が続いた場合

 ・縮む(ちぢむ)

 ・続く(つづく)

 ・鼓(つづみ)

 などですね。正直数は少ないかと。


【②二語の連合】

 「ち」「つ」の前に語がついて「ち」「つ」が

 濁った場合。これを連濁というそうです。

 ・鼻血(はなぢ)

 ・底力(そこぢから)

 ・小包(こづつみ)

 ・近付く(ちかづく)

 ・わかり辛い(わかりづらい)

 など。連濁する元々の言葉を考えると分かり易いですね。

 血(ち)、力(ちから)、

 包(つつみ)、付く(つく)、辛い(つらい)、

 が濁るわけですから。


んで。これで終われば話はシンプルなのですが、

何事にも例外が付き物なのです。

上の二例自体が現代仮名遣いの例外だっていうのに……


【①の例外】

 ・著しい(いちじるしい)

 ・無花果(いちじく)

 ……多分、コレだけ。

 文化庁さんはコレだけだって言ってる!


【②の例外】

 探すとまだまだ有りますが。

 ・稲妻(いなずま)

 ・融通(ゆうずう)

 ・世界中(せかいじゅう)

 ……などなど。

 妻(つま)、通(つう)、中(ちゅう)

 が濁るのに何故「づ」「ぢ」表記にならないか、

 という疑問が湧きますねえ。

 人妻は(ひとづま)なのに。


 これは「二語」の連合と解釈されるかどうかの問題のようです。

 人妻は「人(ひと)」+「妻(つま)」

 と分解しても、色っぽい熟女が連想されますが、

 稲妻の「稲(いね)」+「妻(つま)」

 は、分解してしまうと雷光が連想されません。


 よって稲妻は

 「一語」として初めて意味が通ると解釈され

 【②「二語」の連合】には当たらない、

 すなわち「ぢ」「づ」の適用範囲外と

 されてしまうみたいです。

 融通、なども同様と思われます。


でもね、この【②の例外】については、

「じ」「ず」の表記が本則だけど、


★「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする★

 (現代仮名遣いに関する内閣訓令及び内閣告示)


とか中曽根総理が、1986年7月1日に告示しやがって、とってもワケが分からなくなっております。

……ショゴスに喰わせたろか。


あと悩むのは歴史的仮名遣いがらみですね。

「すこしづつ」「いづれ」「さかづき」

「うなづく」「つまづく」「ひざまづく」等

の中の「づ」は全て旧仮名遣いであるとされ、現在は「ず」で表記されるのが原則です。

助詞などはともかく、名詞や動詞は語源を考えると【②二語の連合】が適用されそうなものですが、

現在では二語に分けた時の意味が連想出来ず、

また「盃・杯」「頷く」「躓く」「跪く」と一語表記で書ける事もあって、現代仮名遣いの「ず」が適用されるみたい。……でもね、これも


★「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする★

 (現代仮名遣いに関する内閣訓令及び内閣告示)


ああ、もう! 不定形極まりないわ!

カモーン、ショゴス! ヤっておしまい!



……SAN値チェック……0/1D4……………



ええと、なんでこんなにSAN値削ってまで調べていたかというとですね、

拙作の中で「ぬかずく」という言葉が使いたかったからなのです。

私は当たり前に、

「額(ぬか)」+「突く(つく)」

だから「額づく」だよね〜と思っていたのですが、辞書は「額ずく」になっていてタマゲました。慌てて調べたら、この四つ仮名問題が出て来た次第。

辞書も内閣告示も「ぬかずく」なんですよねえ。「頷く」みたいな一語表記も出来ないのに。

どうも「額」の(ぬか)という読みが一般的ではないのが敗因みたいです。それで【②二語の連合】適用外になるんでしょうね。「額田王(ぬかたのおおきみ)」とかあるやんけ。


困った時の常套手段である、「ルビ無し漢字表記」に逃げようにも、それだと

「額突く」か「額衝く」

になってしまって、あんまり好きじゃないんですよね。なんか床に頭ゴンッて感じ。勢い良すぎてタンコブ出来そう。静かに礼拝する様が書きたいので、風情がなさすぎるのです。

でも大正義「額ずく」はワタシ的に違和感バリバリだし……


この国語ノートシリーズで一番文字数を浪費した割には、まだ決められずにいるのでした。「ず」にするべきか、「づ」にするべきか……ああもう、どうしよう……


テケリ・リ


あれ? どうしてこっちに向かってk



生き残っていたら、次話に補足があります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ