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第2話 ギッラギラのお姫様

二話目の投稿です。

ちょいちょい修正もしていく予定です。

「私はリレインカ王国の第一皇女、ビアンカと申します。」


そう言って宝石ギラッギラのドレスに身をつつんだお姫様が前にしゃしゃり出てきた。


「今、この国は魔王の手によって滅ぼされようとしています!

もういろいろな手を尽くしたのですが、それも魔王達にはかないませんでした・・

そして最後の手段の勇者召喚の儀式であなた方を召喚するしかなかったのです・・っ」


お姫様は申し訳なさそうな顔をして顔を手で覆う。


予想が的中してしまった。

っていうかなんだこれ!テンプレすぎるだろ!

ラノベでよくあるような展開じゃないか。


高校生達は動揺しながらもその言葉に期待の色を見せていた。


「勇者って私達がですか・・?もしかして魔法とかつかえたり・・っ!」

ポニーテールをしたハーフっぽい女子高生が質問を投げかける。


おおっ、あの子はラノベ読んでる口だな。

ここに来て、目がキラッキラしてる。

普通は元の世界へ帰れるかどうか聞くところなのに。


「ええ、使えますよ。魔法はこの世界の生活基盤ですから。使い手は限られていますがね。勇者様方なら当然、使えると思います。」


ポニテの女子高校生はすごいうれしそうにガッツポーズしてた。おい、家に帰らなくていいのかよ。


イケメン君が声をあげる。

「ふざけないでください!!何で僕達が魔王なんかと戦わなきゃいけないんですか!!帰らせてください!!」


うん。それが普通の反応だよね。



「それは・・・っ、私達にはできません。」


「なっ!どうしてですか!?」


「勇者召喚は私達にとっての最終手段だといいましたよね?

つまり勇者様方を召喚するにはそれ相応の対価が必要なのです。」


ふと俺達は魔方陣の周りの神官?ぽい人達の足元に目を向けた。

そこにはただ気絶しているだけだと思っていたボロボロの服を着た人々がいた。


「まさか・・」


その事実に言葉を失う。


「勇者召喚をおこなうには複数の生贄が必要だったということです・・」


禍々しく、何かを追い求めるように俺を引きずり込んだ複数の手はこの人達のものだったのかもしれないとそう思った。



「とまあ、そういうことだ。

勇者たちよ。貧しく苦しんでいる国民達のために働いてはくれぬか?」


ギッラギラした宝石の服を着たデブのじじ・・ゴホンッ・・・もとい国王が後ろの玉座から問いかける。


もうちょっとこのシリアスな空気読めよ。ていうか居たんだな。お姫様の存在感が強すぎて気づかなかったよ。


「帰れないならそれでも仕方ありませんが・・・戦う理由にはなりませんよ!」


「それ以外に、本当に・・帰る方法はないんですか?」

ショートカットボブの女子高生が不安げにお姫様を見上げる。


「・・・・・・・帰る方法はないこともありません・・。それは魔王を倒すことです」


「魔王の魔石ならそれ相応の対価に成り得ると思います。」


「「魔石・・・?」」


「上級の魔物には必ず魔石が存在します。その魔石の中の魔力量はレベルが高ければ高いほど多くなるのです。」


なるほど・・そうなると魔王は魔物に分類されるってことか?

魔族とかはいないのかな・・イマイチよく分からん。


「そういえば私達の能力ってどうなってるんですか!?」


ポニテの女子高生。本当にお前は空気をぶちこわしてくるな。


「それは召喚するとき、一緒に鑑定スキルを付加しておいたので、“ステータスオープン”と念じたら自分の能力を見ることができますよ。」


俺は異世界に飛ばされてから、多少心がおどっていながらもなんとなく予想ができていた。



「わぁ!凄い!!ちゃんと職業が“勇者”になってる!!!」


「僕もそうなってます・・本当なんですね。」


「あたしのも・・・っ!」


「・・俺のもだ」


今になってやっと出てきたね!地味な少年!


彼らのステータスはこうだ。


まずはイケメン君


《名前》一之瀬 蓮

《年齢》16

《職業》勇者 異世界人

《レベル》1

《HP》178

《MP》109

《攻撃力》218

《防御力》90

《俊敏性》84

《スキル》 (鑑定Lv1) (言語能力:リレインカ語) (魔闘技Lv1)(神聖剣Lv1)(縮地Lv1)

(神撃Lv1)




《装備》聖剣 制服



次はポニテの女子高生


《名前》如月 日葵

《年齢》16

《職業》勇者 異世界人

《レベル》1

《HP》140

《MP》20

《攻撃力》212

《防御力》30

《俊敏性》132

《スキル》 (鑑定Lv1) (言語能力:リレインカ語) (確率補正Lv1) (一撃必殺Lv1)   ワンショットキル



《装備》聖弓 制服



ショートカットボブの女子高生


《名前》花咲 心春

《年齢》16

《職業》勇者 異世界人

《レベル》1

《HP》120

《MP》310

《攻撃力》60

《防御力》90

《俊敏性》88

《スキル》 (鑑定Lv1) (言語能力:リレインカ語) (神聖魔法Lv1)(エレメントマターLv1)


《装備》聖杖 制服



地味な少年


《名前》朔田 大和

《年齢》16

《職業》勇者 異世界人

《レベル》1

《HP》170

《MP》0

《攻撃力》263

《防御力》133

《俊敏性》21

《スキル》 (鑑定Lv1) (言語能力:リレインカ語) (筋力強化Lv1) (乱れ突きLv1)   (筋肉Lv1)



《装備》聖拳 制服



そして俺。


《名前》鈴木志朗

《年齢》26

《職業》巻き込まれた者 異世界人

《レベル》1

《HP》109

《MP》52

《攻撃力》31

《防御力》22

《俊敏性》96

《スキル》(鑑定Lv1) (言語能力:リレインカ語)



《装備》聖ペン スーツ




“巻き込まれた者”

うん。なんとなく予想はついてた。

だって高校生の中に26才の俺がいるのはおかしいでしょう!

幸い鑑定スキルとか、言語能力とかはあるけど、それ以外はなし。


そもそもなんだよ!聖ペンって!!

みんな聖剣とか聖弓とかもってんのに俺だけ聖ペン!?



お姫様いわく、勇者にはそれぞれの伝説の武器が天から授けられるらしい。

俺、勇者じゃないのにな。

このペンだってじいちゃんから貰ったものだし。

これは隠しておこう。聖ペンってなんか恥ずかしいからね。

まだ鑑定スキルのレベルが上がっていないから相手も俺のステータスはみれないはず。


「貴方はどうでしたか?」


ふと周りを見ると俺に視線が集まっていた。

ステータスの内容を話していないから当然なんだけど。


「俺、勇者じゃないみたいです。」


別に隠すことはないと思ったので素直に答える。ただの一般人に戦えと言われても無理だからね。


その言葉に神官達はザワザワとしはじめる。


「・・・勇者じゃない?」


お姫様はさっきとはうって変わって、怪訝な表情をこちらにむけた。凡人であることを蔑むように国王や神官達も俺を睨む。


「か、彼らに巻き込まれて一緒に召喚されたみたいで・・・」


なんかやばめな雰囲気なんだけど・・

俺、なんかやらかしちゃったっぽい。


「お前は勇者じゃないのだな?」


低く、冷えきるような声で国王が問う。


勇者じゃないからってそのまま外に

ポイッ!っと捨てたりしないよね?

召喚した責任とってのくれるよね?



「勇者ではない者はいらん。今すぐ出て行け!!」


そう国王は俺に吐き捨てた。


前言撤回。

普通に保護してくれるとか勝手に思っていた自分を殴りたい。

ここに責任なんて言葉は存在しないのにね!



これはあかんタイプの勇者召喚だと確信した。


国民達が餓えているのに、王様の服とかお姫様の装飾品とかギッラギラですごかったもんね。


早めにおかしなことに気づいて上手いこと出て行けたら良かったのに。


それが出来ない俺はアホなのだと思う。



そうして俺は城を追い出された。



てっきり無一文で追い出されると思っていたのだが、門のところで門番さんから当面の生活費をもらうことができた。


なんかこの国の宰相様が用意してくれたらしい。


ありがたい・・さすがに無一文は危機的だったからとても助かった。


異世界に来たという戸惑いと好奇心で気づかなかったけど、あのお姫様はうさんくさかった。あの感じだったら 魔王の魔石で帰れるというのも、勇者達に戦わす為の嘘なのかもしれない。


とりかえずはこの世界で生きていかなくちゃならないわけだ。





「この国を出よう。」





そう決意して一歩、足を踏み出す。


だが、この世界は俺に甘くはできてなかったみたいだ。



そこに広がっていたのは






スラムのように荒れた街だった。



読んでいただきありがとうございました。


次の投稿は一週間後くらいかな?

けっこう気まぐれにいきます。


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