素晴らしきもの(S)
「さとし、これどうよ?」
「や、それは素晴らしきものじゃないか!どこで手にいれたんだ?」
「それはちょっと口が裂けても言えないな。まあ、命を落としかけたとだけ言っておこう」
「すげえなぁ、これほどまでに素晴らしきものは、めったに手にはいるもんじゃないもんな」
「ああ、金には代えられない価値があるぜ」
「ちょっと触らせてくれよ」
「駄目だよ。これはお前なんかが触れるようなモンじゃないんだ」
「なんだよ、いいじゃないか」
「わ、や、やめろ。乱暴に扱うと……」
バキッ!
「こ、壊れちゃった。ごめんよマキオ。悪気はなかったんだ。これほどまでに素晴らしきものは、もう二度と人類の手にはできないというくらいの素晴らしきものだったのに」
「……」
「し、死んで詫びるしかない。おれは本当にとんでもないことをしてしまった」
「もう、いいんだ、さとし」
「よくねえよ。ちょっと、よく切れる包丁持ってくるから、介錯してくれ」
「もう、いいんだよさとし。おれはやっと目が覚めたんだ」
「なんだって?」
「本当に素晴らしきものがなんなのかがわかったんだよ」
「なにいってんだ?」
「本当に素晴らしきものってのはなあ、お前との友情だよ」
「ま、まきおっ!」
「さとしぃ!」
二人は抱き合ってキスをした。