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河川読書(城島 廻)
流れる川に足を入れ
手頃な岩に腰掛けて
お気に入りの栞を抜いて
持っていた本を開く
たまに吹く風が
流れる汗を落として
川は一定のペースで
読み進める手とともに
光は梢を活字に落とし
時折青葉が落ちてくる
静かな川に蝉の声
夏の風物詩のど真ん中
浸した足は冷たくて
字を読む手は止められず
遠くで親子の遊ぶ声
それも聞こえず読み進め
いつしか日は沈んでいる
時間が経つのは早いなと
我に返って独り言
川の水も冷たくなり
本も丁度読み終えて
祖父の家に帰ろうと
座っていた岩から立ち上がる
夏の川は涼しくて
一人になるにはもってこい
読書に使う僕の場所
毎年毎年
この場所で