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僕は。(安佐北 結愛)
この世界に、絶えず流れ続ける血。
君も僕も等しく失う、赫い命。
残念でした。
未完成だったのは
空っぽで底のない
器だったのは
邪魔だったのは
僕だけでなく
君もでした。
膿んだ片目を閉じて
半分だけ写る世界を
傷つけてきました
片足を引きずったまんまで
愛される場所を探してました
奪うばかりの
無意味な存在でした
嫌われるばかりの
無価値な存在でした
私は
なにかを残せたかしら
なにかを
あなたに
あぁ
そうだね
残せてたよ
それはきっと
吐くほどの
不快感かな




