4.嘘を暴き、罪を裁け
「では、疑問に感じた事ですし、直接、ぶつけてみるとしましょうか。せっかく開発者が目の前に居るわけですし」
そうターゲットをトレニアにしぼって私は疑問というか確認事項をぶつけてみる。
「この記録球という魔道具。撮影するタイミングは、確か球と人間の距離で、事前に設定しておく必要があるんでしたか」
「よく知ってるね。予め設定しておいた距離の範囲内に何かしら生き物が踏み込んだりすると、その姿を自動的に撮影するって感じの使い方をする魔道具なんだ」
「範囲内、ですか?」
「ああ。中には走りながらとかジャンプしながらとか範囲内に入り込んでくるヤツもいるからね。そういうヤツを撮影したかったら、境界線に触れたらって設定よりも、境界線の内側に入り込んだらって設定の方が確実なんだよ。……まあ、そのせいで、ぎりぎりの範囲の境界線部分でウロウロとかされると、すごっく面倒なんだけど」
恐らくは、姿が見切れていたり、まともにピントがあってなかったりといった絵がとれてしまいやすいからなのかもしれない。
「その場合、この記録球で、複数の映像を記録することになるんですの?」
「いや、今の段階では、そこまでは、まだ出来ないから……」
フム。一個の球体で記録出来る絵は、一枚きりが原則ということですか。
「では、撮影した後に、対象が撮影範囲内をうろうろしていた場合などは?」
「そこらへんは設定次第だろうけど、標準の設定だと一旦範囲内に入り込んで撮影が行われたら、その撮影対象が範囲外に出るまでは、どんな風に動いていても無視されるだろうね」
「では、もう一度撮影対象が近寄ってきて範囲内に入ってきたら?」
「そこらへんも設定次第なんだけど、普通に使ってる分には、最後にとった映像で上書きされるって感じになるんじゃないかな」
となると、こうして全部の球が同一の姿を記録しているというのは……。
「今回の機材の設定は、どういう風になっていたんですの?」
「どうだったかなぁ……。確か、特定の場所に立った相手の最初の姿を一回だけ撮影するって感じだったんじゃなかったかな……。まあ、そこまで詳しくは覚えてないんだけど」
「この撮影された絵を見た感じだと、確かに、そんな感じだったんでしょう。……でも、特定の場所、ですか。……それはクローゼットの中の物がよく紛失していたから、その部分を重点的に監視してもらっていたという認識で良いのでしょうか?」
「うん。そういう認識であっていると思うよ」
なるほど。……となると……。
「やはり、不自然ですわね。この絵にはあきらかな“作為”がありますわ」
そんな私の台詞にやはり色めき立つ周囲の男衆だったが、そんな中でトレニアだけは不敵な笑みを浮かべていた。
「作為って、なにが?」
「具体的には、この撮影された者の姿の事です。この姿勢は明らかに“おかしい”のですわ」
この球は部屋に複数個設置されていた。その設置数は七つ。おそらくは故障や設定ミス、撮影が上手くいかなかった場合などに備えていたか、警戒でもしていたのだろう。でも、それだけ沢山設定してあったのに、なぜかクローゼットの中にだけは一個も仕込まれていなかったりする訳だが……。
言うまでもなく、その部分は突っ込みどころではあったのだけど。
「なぜクローゼットの中に仕込むのを嫌ったのでしょうか」
部屋の七カ所もの場所から同じ場所を狙っていたのに。
「そんな事? そんなの、中身を見られるのが恥ずかしかったからじゃない?」
「それはありませんわね」
ほら、とばかりに写っている映像を指で示してみせる。それは最も近距離、クローゼットの背後、斜め上の辺りから撮影されたと思わしき絵であって。そこには当然のように私のように見える女の後ろ姿と、その女が両手で扉を広げているクローゼットの姿が写っていて。
「この絵に写っている通り、クローゼットの中身までばっちり、ですわ」
「それは……。実際に写すまでは、中身まで写るかどうか分からなかったからだよ」
「それも考えづらいですわね」
「なんでさ?」
「貴方はこういう物を設置した時に、一切、試し撮りはしないのですか? 何度でも上書き出来るんでしょう? 私なら、何度でも……。思った通りのタイミングで、狙い通りの姿が撮れるまで、延々と試写を繰り返させますわ」
そこまでやらないと、こういった類の罠を設置する意味がないだろうし、こんなに示し合わせたかのような同一のタイミングで絵は撮れないはずなのだ。
「現に、これほど綺麗に、七つとも……。おそらくは仕掛けた全部の撮影装置が、同一の瞬間を捉えるのに成功しているのですよ? それが試し撮りもせずに行った偶然の結果とは、とてもとても……。私には、そんな神業じみた偶然、とても信じられませんわ」
そんな私の経験談を元にした指摘に僅かに顔色を悪くしていたのだけれど。
「でも、まあ、その部分は本題ではありませんし、どうでも良い部分ではありますわね」
そう、いったん矛先を下げてやって。
「本当の作為とは、そんなどうでもいい枝葉の部分ではありませんし」
目一杯に振りかぶって、全力で力を込めて。
「本当におかしいのは、この女のポーズそのもの、なのですから」
ズドンッと、目いっぱいに突き刺してやる。
「……ポーズ?」
「はい。ポーズ。姿勢のことです」
「クローゼットを開けてる姿の、何がおかしいって?」
「クローゼットを開けてる姿だから、おかしいのですよ」
何故なら……。
「この球の自動撮影の設定は、特定の場所……。おそらくはクローゼットの前に立ったあたりの位置に、何者かが踏み込んだ瞬間。そのタイミングで、最初の一回だけ撮影するとなっていたはずです。それは、この撮れた姿からしても確実なはずなのです。……だから、クローゼットを開けた瞬間が写ったのでしょう。中を漁っている姿でもなく、目的の品を探し終えて扉を閉めている姿でもなく……。こうして、荒される前の綺麗に整っているクローゼットの扉を、両手で開いているという、どうにも間抜けな姿が撮影された訳ですね」
そんな私の罪の自白の如き解説に、自分もそう考えているとばかりにトレニアもウンウンと頷いて見せていた。
「……まあ、だからこそ、おかしいのですけれど」
何故なら、こんな姿が撮影されるはずがないのだから、と。
そう私の続けた言葉に、周囲からざわめきが上がる。
「何なら今からでも試してみましょうか……。私が、無人の部屋に押し入って、部屋の中にあるクローゼットを開けようとしますから、貴方は監視球に設定してあった適切な撮影のタイミングを口で示してみて下さい。……ああ。撮影した、の言葉だけで結構ですわよ」
そう告げると、私は少しだけ彼らから距離を取ると「無人の部屋に押し入った所だと思って下さい」と告げて、ツカツカと前に歩くと「クローゼットの前に来ました」と告げて、立ち止まって……。少しだけ間を空けて、彼の方に視線を向ける。
「どうしました?」
「……いや、その……」
「さあ、早く。撮影したと言ってくださいませ」
そんな私の指摘で、彼もようやく何がおかしいのかを理解出来たらしかった。
「……どういう事だ、マリー?」
「ハイドラ様。さきほど皆様と一緒にご覧になって頂いた通り、クローゼットの前に立った瞬間を狙って、七つの監視装置は置かれていたわけです。そして、その監視装置は狙い違わず、ほぼ同一の瞬間を捉える事に成功していました」
その結果、ああいう姿が撮影された訳で。ただし、その姿はクローゼットを開けたらしき瞬間になっていて。……クローゼットの前に立った瞬間ではなかったのだ。
「あの撮影装置の設定だと、対象となる人物がクローゼットの前に立った瞬間。まだクローゼットを開けていない状態……。閉まっているクローゼットの前に立っている姿か、あるいは手を前に……。閉まっている扉に手を差し伸べている姿が撮影されなければおかしいということになりませんか?」
「それは……」
「そっ、そんなの、タイミングがちょっとズレただけなのかも知れないし……」
「それはありませんわね」
そうだとすると七つも設置していた装置の撮影タイミングが全部ズレていたということになってしまうし、もし仮に、そうだったとしても、あれほど完璧にクローゼットを開ききった状態の格好が撮影されるというのは、タイミング的にもポーズ的にも、色々とおかしかったのだから。
「皆さんも御自身で試してみれば分かると思いますが……。普通、こうしてクローゼットの前に立つまで手を差し伸べる事は少ないでしょう? まずは、扉の前に立ち止まって、それから開けようとするのではないでしょうか」
「その時にはすっごく急いでいたんだよ! だって、不法侵入者だったんだし!」
なるほど。ものすごく急いでいたから。だから、手を前に差し伸べながら走って近づいて、扉を勢い良く開きながら前に立った、と。
「さて、それはどうでしょう。……その球に撮影された犯人の女は、その日、その部屋の住人が部屋を留守にしているだろう事を予め承知していて、あえて、その日を選んで押し入ったのではなかったのですか? ……だとしたならば、そんな女が一番注意しなければならないことは、誰かが帰ってくる前に仕事を終える事などではなく、物音一つ立てずに、静かに仕事を終える事なのではないでしょうか」
もしそうだとするなら、この女は本当は足音をなくすためにも靴を脱いでいた方が良いのだろうが……。まあ、そこまで考えはまわらなかったのだろう。普通に靴は履いていたし、服装も特に勢いによって乱れたりもしていなかった。
「まあ、服を……。長い髪やスカートなどの様子を見る限りにおいては、特に急いで駆け寄ったという風でもないので、おそらくはゆっくりと足音を立てないように気をつけながら近づいていたのでしょうが」
そう結論付けると、いささか脱線気味だった話を元に戻して。
「……さて。駆け寄った歩み寄ったはどうでも良いとして、クローゼットの前に立って、それを全開になるまで開いてという動作をするとなると、かかった時間としては、おそらくは最低でも数秒は必要になったはずなのですが。……果たして、そんなに間が空いてしまっているのに、こんなにも理想的な瞬間を撮影が可能なのでしょうか」
そんな私の厭味ったらしい指摘に、もはや反論はおろか下手な言い訳の台詞すらもわいてくることはなく。
「クローゼットの前に立ち、こういうポーズを取る姿になるまでには、果たして何秒が必要になるのでしょうね。……しかも、扉が閉じている状態でもなく、中途半端に開いた状態でもなく、こんなにも全開にしている状態の姿を、です。そんなタイミングを、本当に都合よく撮影出来たというのでしょうか」
私はニッコリと笑って告げてみせる。
「もうお分かりでしょう。あらかじめクローゼットが開いていない限り、こんな姿を撮影するのは不可能、という事なのです」
つまり結論としては、こうだ。
「本来、七つも撮影球を用意していたのです。クローゼットの中に一個だけでも良いから仕込んでおけば誰にも何も言い逃れを許さない、そんな動かぬ証拠となる物が手に入っていたというのに、あえてソレを避けなければならなかったのは何故なのか? そんなに顔を撮影されると不味い理由でもあったのでしょうか……? それに、撮影出来るはずのないタイミングの姿が、やけに都合よく撮影出来ているのは何故なのでしょう? ……これだけ色々と不自然な点があるのです。この撮影はおそらくは自然な物ではなかったことは明らかでしょう……。恐らくは、色々と準備をした上で、任意のタイミングで、作為的に行われたと考える方が自然なのではないでしょうか」
こうして、と実演して見せる。
「先ほどはポーズが不自然と言いましたが、逆にどういったタイミングでどの角度から撮影されるのかといった諸条件を熟知している者が行ったのであれば、あの絵の姿は十分に再現が可能なのです。クローゼットもあらかじめ開けておくだけで良いのですし、特定の場所に立つ直前に……。こうして、両手を広げておいて……。一歩だけ、前に進むだけで良いのですから」
コツリ、と。足音が静まり返った会場に響く。
「撮影されました。ポーズも構図もバッチリですわね。……こうして、仕掛けを理解している者が行ったのなら、この絵の何処にも不自然な物はなくなるのですから……。でも、これを作為……。捏造と言わずして、何を捏造と言えというのか!」
バッと扇子を広げて、蔑みの視線を向けて。
「トレニア・ウィクサー。貴方のやった事は、決して許される事ではありませんよ?」
そして、と。余裕の笑みも浮かべる。
「……典型的な世間知らずの技術馬鹿。職人風情の浅い考え……。上位貴族である私の行動を、貴方程度の小物が推し量ろうとしても、些か無理があったのでしょうが……」
もと平民風情の女と職人程度の男が共謀したとしても、あっという間に底が割れてしまうだろう。そんな私の言外の揶揄に悔しそうに顔を歪める。それを見届けた私は、最後に根本的な間違えを指摘しておくことにした。
「仮に、私が何かを盗もうと企んでいたとしましょう。……果たして、そんな時に、本人が直接動くなどと……。本気でお考えなのですか?」
そんな事はありえない。
それは私の事を蛇蝎の様に嫌っているのだろう、ハイドラ様の取り巻きの皆様方であっても、渋々といった風ではあったが認めざる得ない事実でしかなかったのだから。
「うちの使用人達は実に優秀ですからね。頼めば、何処からでも、どんな物でも……。大抵の物は希望通り持ち帰ってくれるのでしょう。……まあ、私が望めば、なのですが」
ついでに言っておくと、先ほども言ったが、下級貴族の令嬢風情の装飾品など興味すらわかない、と。そう「望むはずもないのですが」と付け加えて話を終えた。
「……さて。そろそろ貴方がたとの『お話』とやらも、お終いにしてもよろしいでしょうか」
ハイドラ様は登場と同時に自滅して果て、愉快な取り巻きである所の馬鹿一号も開口一番に自爆した事だし、さっそうと出てきた大本命だったらしき二号に至っては、この体たらくっぷり。そんな彼らの頼りない醜態を見てしまったせいか、早々に見限ったらしき馬鹿三号は気持ち悪く頬を赤く染めながら苦笑して「降参」とか抜かしながら両手を上にあげて白旗のポーズをとっていたし、そんな彼らの後ろでは、とっておきの切り札だったのだろう動かぬ証拠とやらをあっけなく覆されてしまった馬鹿女が青い顔で震えていたりする訳だが……。
「……いい加減にしろよ。この毒婦が」
そう最後の大トリを飾るべく出てきたのは、脳筋四号ことハイドラ様の最後のとりまきの一人にして、近衛騎士団長の息子という立場上、この学院でのハイドラ様の護衛を任されているとかいうアラン・ファレノプシスだった。
「良い加減にするのは、貴方のほうですよ」
そう出てきて早々にご挨拶なアランだったが、暑苦しい熱血馬鹿は趣味でないので、さっさとご退場を願うとしよう。
「アラン・ファレノプシス。貴方に問います。この学院における、貴方の立場とは何ですか」
「……殿下の盾にして剣。そう、自負している」
「その心がけは立派ですが……」
上げて、落とす。
「私に言わせれば、貴方は、護衛失格ですわ」
「なんだと!?」
「うるさいですわねぇ……。そんなに叫ばなくても、ちゃんと聞こえています。それよりも、貴方は護衛失格だと言ったはずです。さっさとお役目を返上して、もっとしっかりとした、信用できる方に代わって下さいませ」
貴方程度の男に、大事な殿下はお任せ出来ません。
そんな台詞にアランは腰の剣を抜かんばかりに身構えて見せていた。
「先ほどから黙って聞いていれば! 貴様、何様のつもりだ!」
全然黙って聞いてなかったし、ここで殿下の婚約者様だといつも通り正論で答えてやってもよかったのだが、余りにもアランの怒鳴り声がやかましかったこともあって、ここで少し気勢を逸らしてやる必要も感じていた。
「ハァ。……何故、自分が護衛失格だ等と評されてしまったのか……。それが、たとえ愚かで物を知らない女風情の言いがかりであったとしても、です。それでも何かしら貴方の行動に問題点があるのではないかと指摘されたのですよ? それをきちんと受け止めた上で、ほんの少しでも自分の行いを省みたりしましたか? ……先ほどの言葉の意味を、ちゃんと考えてみましたか?」
言っておくけれど、貴方が、ほかの下らない男どもと同様に、単純に女にうつつを抜かしているから、ハイドラ様の護衛として信頼できなくなった……。などという下らない指摘ではないのですよ、と。
そうため息混じりに付け加えてやったことで、ようやくこちらの言葉に少しは耳を傾ける気になったらしい。
「……どういう意味だ……?」
「わからないのですね。……良いでしょう、教えて差し上げますわ」
さりげなく距離をとって、真正面から体をどかして。
「こういった大勢の方々が集まるイベント会場などでの要人警護。それだけでなく、日常的な警護活動においても同様なのですが……。護衛対象の側で身辺警護を行うに当たって、最も基本にして、絶対に曲げてはならない基本的かつ、必ず守らなければならないルールがあるというのは、把握していますね?」
無論、彼は立場上、その問いに『否』の返事は許されない。万が一、ここで『否』と答えるようなら、その場で首を刎ねられても文句は言えないのだ。だからこそ、彼も無言のままに首を縦に振って見せていた。
「よろしい。では、その上で一つ問い正します」
ツカツカと歩みよって。うなだれたまま俯いて震えていたトレニアの腕を掴むと、アランの目の前へと突き出すようにして移動させた。
「この男。トレニア・ウィクサーは、魔法鞄を保持しているのではないのですか……?」
まあ、さきほど懐から私の書いた手紙の束とか、結構かさばるだろうサイズの魔道具を何個も取り出してたから、その時に気がついたのだが……。
そんな私の指摘に、アランは自分が何を言われているのか意味が分からないといった不思議そうな表情を浮かべていたし、トレニアの方も、何で魔道具の製作技能者である自分が、それほど貴重品という程でもない魔法鞄を保持している程度の事でアランと一緒に文句を言われているのかさっぱり分からないといった表情を浮かべていた。
「……まったく。そんな事だから、貴方には任せきれないと言ったのです! ……護衛の皆さま! 申し訳ありませんが、出てきて下さいませ! 緊急事態ですわ!」
そう一つため息をついて、パンパンと手を叩きながら呼び寄せると、会場のあちらこちらから……。太い柱の影に身を隠していた男性客や、さりげなく私達の周囲を歩き回っていたメイド達も表情を変えて、素早く集まって来ていた。
「お、おい! マリー? お前、何を……」
立場上、自分に護衛が陰ながら付き従っているというのは承知していたのだろうが、それをあえて呼び寄せるような真似など滅多にするような事ではなかったので、ハイドラ様も若干、不安そうな表情を浮かべていた。
「殿下のお側に、魔法鞄を持った者が……!」
そう「論外です」と暗に告げた私の言葉で周囲の護衛達も事態を把握出来たのだろう、一斉にトレニアに群がると、その服の中から……。腰のベルトに付けていたらしきポーチのような魔道具を取り上げて、そのまま素早く腕を後ろに拘束してしまっていた。
……無論、その際にハイドラ様から素早く引き離して、自分達で肉の壁を作って見せるのも忘れるはずもなかったのだった。