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~君と出会ったときから~
誰かを思う気持ち。
それはまっすぐじゃなくてもいい。
私は死のうと思っていた。
ずっとずっと苦しかった。
私は友達がいなくて、根暗で、だれかと明るく会話することなんてなかった。
高校生になってからも、だれとも話さず、
1日1日、ただ黙々と過ごしていた。
そんな自分がいやだった。
そんな自分の性格がコンプレックスだった。
わーきゃー叫ぶクラスの子たちが、自分と違う世界の人に見えた。
私は、このままずっと友達ができないのだろうか。
家に帰ったら、お母さんがいて、
毎日私を笑顔で迎えてくれる。
「おかえり」
そう笑ってくれるお母さんが、大好きだ。
でも、私が学校で友達がいないことを母は知らない。
「今日、学校どうだった?」
母は毎日同じ質問をしてくる。
「楽しかったよ」
笑顔でありきたりな答えをいう。
「そう」
母の背中にぬくもりを感じる。
私は。このまま誰とも会話せず、楽しいこともせず、
高校を卒業するんだな、とどこかであきらめていた。
そんなとき、ある事件が起こる。