その1
現在時刻13時48分。
学生ならわかっていただけるであろうか?
この時間帯は睡魔の猛攻にあう時間帯だということを。
しかも今日は金曜日。
金曜の5限目、それは数Ⅰという名の地獄の50分間である。
そんな地獄の中で睡魔に襲われているのは、羅修学園高等部1年C組。
羅修学園には小等部・中等部・高等部が存在し、学力はそこそこ。
自由な校風を売りにしている私立である。
クラス35人のうち半分は睡魔に負けたようで、
睡魔に必死に対抗している一人、永井紗稀の視界は良好。
そんな中で授業を進めるのは、数学担当教員にして1年C組担任の中山先生である。
「いいかー?立体問題は必ず図書けよー?
cosαがどこなのか、どこを求めれば求められるのかちゃんと確認しろよー?
いきなり答えがでるなんてまず有り得ないからあきらめろ。
相当な天才じゃなきゃ無理だからなー?
じゃ、126ページの問6まずは一人でやってみろ。」
無責任な先生の言葉に何人かがブーイングをするが、先生はどこ吹く風である。
「よし当てるぞー。じゃあ・・・本田!!」
指名された本田は紗稀の隣の席で安らかな寝息をたてている。
「おーい琉おきてるかあー?
もし寝てたら部活のとき校庭50周させるからなー?」
「・・・はいはいはいなんでしょうか先生っ」
先生の言葉のどこに反応したのか、琉は飛び起きた。
文字通り飛び起きて、足元にあった自分のエナメルにつまづいて派手に転倒。
その様は隣で見ていた紗稀が目を覆いたくなる程だった。
そして琉は再び夢の世界に旅立った。
はじめまして!!
この度初投稿させていただきました。
誤字脱字などありましたら、ご連絡くださるとありがたいです。
更新はおそらく不定期になってしまうと思われますが、
皆様に楽しんでいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします(^O^)/