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その6
その日は家事をしなくてよかった。怒られる事も、陰口を言われる事もなかった。
好きな本を庭のベンチでゆっくり読む。
好きな時にお茶をする。
シンデレラは心が清々しくなっていくようだった。
魔法使いはずっとシンデレラと一緒にいた。
「だって、今朝あんなに泣いてたんだよ?心配で離れられないよ」
「もう大丈夫ですって」
シンデレラは笑う。
「俺が一緒にいたいの」
魔法使いはシンデレラの頭をポンポンする。
「ねえ、今日も舞踏会あるけど、行く?」
「はい。今日はドレスで行きたいです」
「そっか、分かった。とびきり可愛くしてあげるね」
ちょっと寂しそうに笑う魔法使い。
どうしたんだろう?
シンデレラは魔法使いの顔を見上げる。
「魔法使い様、元気ないです?」
「うん?シンデレラを外に出すのが心配でね」
そう言うと魔法使いはシンデレラの手を握る。
「困った事が起きたら、俺を呼ぶんだよ?」
「そんな、子ども扱いしないでください!でも、ありがとうございます」
2人は見つめ合って笑った。




