その3
「君、シンデレラだよね?」
魔法使いと名乗った青年が声をかけてきた。
おかしい…
「私がシンデレラですが…」
ボロボロになってしまったドレス、濡れて水が滴っている髪の毛、我ながら酷い姿だ。早く魔法でドレスを出してほしい。
「シンデレラは舞踏会に行きたいのかい?」
「はい!行きたいです!」
シンデレラは勢いよく答えた。
「なるほど、それじゃあ俺の力で相応しい姿にしてあげよう」
魔法使いは杖を上げる。キラキラの光がシンデレラを包む。
「わぁ!」
きたきた、これこれ!
シンデレラはキレイなドレスを着ている自分を期待した。
「こっ…これは…?」
シンデレラはメイド服を着ている。
「これでお城に行けるよ、舞踏会では沢山のお客様が来る。メイドも大忙しだ。1人増えても分からないよ」
魔法使いはシンデレラに微笑む。
これはどういう事だろう?
「あの、私、王子様と一緒になりたいんです。」
「だってシンデレラ、君、王子様のこと知ってるの?」
魔法使いがなぜかシンデレラに説教をし出した。
「会った事もない、顔も、性格も、何が好きか嫌いか?何も知らないのに、結婚して幸せになれると思う?」
シンデレラは言葉に詰まる。
確かに…
「結婚したらすごくマザコンだったり、口が臭かったりしたらどうするの?」
魔法使いは淡々とシンデレラを諭す。
「だから、メイドとしてお城に潜入して、王子がどんな人か観察した方がいいよ。舞踏会は3日続くから。」
「3日…」
メイドになるなんて、なんだかストーリーがおかしいが、シンデレラは魔法使いの言う通りにする事にした。
「ありがとうございます。魔法使い様の言う通りですね…これでお城に潜入します!」
「じゃあ、魔法で送ってあげよう。うまくやるんだよ」




