エルフに勉強を教えてもらう自信が、僕にはない
エルフと少年の校内結婚、みたいな話です。
結婚とは違いますが大体同じ。
「私に勉強を教えさせてくれませんか?」
「勉強嫌いです」
いつもの返事をし、僕は教室から走って逃げる。
エルフに勉強を教えてもらうことは誇らしいこと、わかっている。皆、エルフに勉強を教えてほしいと思っている、それもわかっている。
だが、僕はいつも逃げる。
「エルフが嫌いって訳じゃないんだ」
廊下を歩きながら、僕は口にする。
確かに、エルフが嫌いって言う人は、いる。長命だから、知識が豊富で上から目線、こじつけばかりだけど。
この国、日本の首相は、エルフ。
隣の国、韓国のトップも、エルフ。
アメリカの大統領も、エルフ。
てか、首相、大統領、この世界にある国々のトップは、全てエルフ。
神に近いから、知識が豊富で平和を保てるから。
人類は、嫌っている人もいるけど、大体の人はエルフに憧れていたり愛していたり推していたりする。
「そんなエルフに勉強を教えてもらうことは立派なこと。僕も、嫌って訳ではないんだ」
首を横に振る。
ため息を吐き、頭を抱える。
「自信がない…」
クラスで、いや、この高校の3年生の中で、僕は1番勉強ができない。
バカだよ、バカ。
「それが、エルフに勉強を教えてもらう?
ムリムリ、僕なんかじゃムリだよ…」
しゃがみ、頭を振る。
若干、三猿の聞か猿に似ているな。
少し元気になる。
が、それでも頭は抱えたまま。
「他の人にしてよ…!」
大学に入れる訳がないし。
勉強は嫌いだ、できないから。できたら逃げたい。
両親も諦めていると思う。
「教室に戻ろう、昼休みが終わっちゃう。弁当弁当」
「ぐすっ、ぐすっ」
教室に戻ったら例の子が泣いていた。
泣きながら、弁当を食べていた。
163歳のエルフが、である。
人類で言ったら163歳は老人通り越して天使なのに。
それが、子どもみたいに。
いや、外見は16歳くらいなんだけど。
「なんで、勉強を教えさせてくれないんだろう。もう11月なのに。わたしは勉強を教えたいのに、一緒に勉強したいのに」
一人言。
僕には気付いていない。
…。
罪悪感がー!
そういや、エルフって学校を卒業したらどうなるんだろう。働けるのは180歳から。
この子は、あと27年、どこで何をするんだろう。ヒトには関われないんじゃないのか?
罪悪感!
「お願いします、勉強を教えて下さい」
すぐに、僕はエルフの前で土下座をする。
「11月ですが勉強頑張るのでお願いします。大学に入ります、お願いします!」
「え、えっと」
「お願いします! 今まで逃げてすみませんでした!」
叫ぶように。
「じゃ、じゃあ、お願いします。勉強教えますね」
「はいっ。あと、名前を教えて下さい」
「知っていると思ってたんだけどなあ…。エルフは滅多に産まれないから、エルフって言っても通じますが。名前、名前、ふふっ」
周りは「コイツらやっとか」てな目で見てくる。
よし、大学に入ろう!
読んで頂き、ありがとうございました。
国のトップは全てエルフ、平和そう。




