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エルフに勉強を教えてもらう自信が、僕にはない

作者: ナベノヂ
掲載日:2025/11/07

エルフと少年の校内結婚、みたいな話です。

結婚とは違いますが大体同じ。

「私に勉強を教えさせてくれませんか?」

「勉強嫌いです」


いつもの返事をし、僕は教室から走って逃げる。

エルフに勉強を教えてもらうことは誇らしいこと、わかっている。皆、エルフに勉強を教えてほしいと思っている、それもわかっている。


だが、僕はいつも逃げる。




「エルフが嫌いって訳じゃないんだ」

廊下を歩きながら、僕は口にする。

確かに、エルフが嫌いって言う人は、いる。長命だから、知識が豊富で上から目線、こじつけばかりだけど。


この国、日本の首相は、エルフ。

隣の国、韓国のトップも、エルフ。

アメリカの大統領も、エルフ。

てか、首相、大統領、この世界にある国々のトップは、全てエルフ。


神に近いから、知識が豊富で平和を保てるから。

人類は、嫌っている人もいるけど、大体の人はエルフに憧れていたり愛していたり推していたりする。


「そんなエルフに勉強を教えてもらうことは立派なこと。僕も、嫌って訳ではないんだ」

首を横に振る。

ため息を吐き、頭を抱える。

「自信がない…」

クラスで、いや、この高校の3年生の中で、僕は1番勉強ができない。


バカだよ、バカ。


「それが、エルフに勉強を教えてもらう?

ムリムリ、僕なんかじゃムリだよ…」

しゃがみ、頭を振る。


若干、三猿の聞か猿に似ているな。

少し元気になる。

が、それでも頭は抱えたまま。


「他の人にしてよ…!」

大学に入れる訳がないし。

勉強は嫌いだ、できないから。できたら逃げたい。

両親も諦めていると思う。


「教室に戻ろう、昼休みが終わっちゃう。弁当弁当」




「ぐすっ、ぐすっ」


教室に戻ったら例の子が泣いていた。

泣きながら、弁当を食べていた。

163歳のエルフが、である。

人類で言ったら163歳は老人通り越して天使なのに。

それが、子どもみたいに。

いや、外見は16歳くらいなんだけど。


「なんで、勉強を教えさせてくれないんだろう。もう11月なのに。わたしは勉強を教えたいのに、一緒に勉強したいのに」

一人言。

僕には気付いていない。


…。

罪悪感がー!


そういや、エルフって学校を卒業したらどうなるんだろう。働けるのは180歳から。

この子は、あと27年、どこで何をするんだろう。ヒトには関われないんじゃないのか?


罪悪感!




「お願いします、勉強を教えて下さい」

すぐに、僕はエルフの前で土下座をする。

「11月ですが勉強頑張るのでお願いします。大学に入ります、お願いします!」

「え、えっと」

「お願いします! 今まで逃げてすみませんでした!」

叫ぶように。


「じゃ、じゃあ、お願いします。勉強教えますね」

「はいっ。あと、名前を教えて下さい」

「知っていると思ってたんだけどなあ…。エルフは滅多に産まれないから、エルフって言っても通じますが。名前、名前、ふふっ」


周りは「コイツらやっとか」てな目で見てくる。


よし、大学に入ろう!

読んで頂き、ありがとうございました。


国のトップは全てエルフ、平和そう。

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