06 フラグ回収!?
前回のあらすじ:
魔法省に行って正式に魔法少女として登録、問診を受けてきたよ!
僕が魔法少女になってから、およそ2週間。女の子の身体にも慣れてきて運動も出来るようになったころ、メーヴェ・フィアラルの2人とデートをしていた。
……いや、女の子3人だからデートと言っていいのかどうかわからんけど。とにかくショッピングモールに来ていた。
僕たちは今昼食を食べているんだけど、目の前には周りの客がドン引きするほどの食べ物が並んでいる。
どうやら、魔法少女に変身している状態だとすごくお腹が減るらしい。まあ飛んだりできるようになるわけだから、燃費が悪くなるのも足り前なのか?
「あなたはそれだけでいいの?」
「僕の食欲は前よりちょっと増えたなかーくらいだから、特盛セット1つで十分だよ」
「はむっ、もぐもぐはむあむ」
うーん、やっぱり目立つね。フィアラルもメーヴェも魔法少女の状態で来ているから。
なおフィアラルちゃんはさっきからずっと食べ続けてる。見てよあの幸せそうな顔、可愛い。
「で、変身解除はしないの?」
「してもいいけど、このショッピングモールは広いから。1日中歩き回るなら、変身状態の方が楽というか、疲れないのよ」
「なるほど、変身中は体力も上がると」
まあ確かに、魔物・モンスターと戦う形態だから体力も上がっていて当然か。
「結構目立ってるけどね」
「それはまあ、仕方がないわよ。最初は私たちも気になっていたけれど、もう慣れたわ」
「クレープ買ってくる―!」
「あ、うん。いってら」
フィアラルがクレープを買いに行った。まだ食うんかい……
「彼女は魔法少女の中でも特に食べる方ね。もともと食いしん坊だったみたいだし」
「あ、普通の魔法少女はあんなに食べないの?」
「そうね、とは言っても普通の人の2倍か3倍程度は食べるのが普通だと思うけれど。私も定食2つで充分だし」
その定食が両方大盛りなのは突っ込まない方がいいのか……?
まあ、僕もメーヴェもフィアラルの食べるクレープがおいしそうに見えて、その後2人ともクレープ買ってきちゃったんだけどね。
「それで、二人とも。食後の運動が必要になりそうな気がするんだ」
食べ終わって、今は連絡通路を通っているところ。僕は窓の外を見ながら、そう言った。
「……?」
「ゲーセンでも行く?」
「いや、あれ見て」
そう言って、僕は窓の外を指さす。
そこには――ショッピングモールの天井より高い、大きな魔物が出てきていた。何で騒ぎになってないんだろうね。
とは言っても今はまだ歩いてすらいなくて静止しているので、今のうちに避難誘導を行えば人の多いショッピングモール周辺でも被害を抑えられるかもしれない。
「外に何かあるの?」
あれぇ見えてない!? え幻覚……いやいるよ!?
え、なんで? 見えてるから光学迷彩じゃないし……認識阻害魔法的な?
あ、なんかこっち向いた。あれ僕と目があってない? こっちロックオンされてない? そのままこぶしを振り上げて……や ば い
僕は『共鳴』を発動して二人の魔力を増幅させつつ、突き飛ばす。
その瞬間、魔物の拳が連絡通路を突き破り――僕に直撃したかどうかは分からない。とにかく僕はそのまま吹っ飛ばされ、意識が途絶えた。