表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS支援系魔法少女  作者: LIN
第1章 魔法少女になりまして
5/22

05 魔法省に来ました

前回のあらすじ:

学校に行ったらめっちゃ見られた。普段ボッチだから落ち着かないね!

身体が馴染むまでは激しい運動ができない。体育は見学だよ!

 「ついたわよ」

 「はーい」


 さて、今僕はどこに連れてこられているかというと……魔法省である。

 魔法省のなんか偉い人……「地域担当魔法少女統括対魔物作戦本部長」とかいう、やたらと長ったらしい肩書の人が迎えに来てくれたのだ。舌噛みそう。

 なお、普通の魔法少女の場合は飛んでくるらしい。僕は飛べないので特別措置だそうだ。


 「1週間ぶりね」

 「えっと、常に変身状態なの……?」

 「あ、いや。僕の場合は変身できなくって、普段の姿のまま魔法少女の力が使えるタイプだから」


 そう、僕はTSした影響なのか、これが普通の姿にもなってる。多分変身状態のまま戻れない感じなんだとは思うけど、他の魔法少女は変身状態を維持するのにも魔力が必要になるらしいから……うーん、どうなってるんだろうね?


 「聞いたことがないけれど、魔力は大丈夫なの?」

 「うん、魔力消費はないから問題ないよ。どっちかというと、変身状態と解除状態の中間、いいとこ取りみたいな感じ」

 「そう、それは便利そうね……少しうらやましいわ」


 うん、この状態から変身することも、変身解除することも出来ないからどっち付かずの中間みたいな認識で問題ないと思う。


 「それじゃあ改めて、問診するけどいい?」

 「アッハイ大丈夫です」


 と、ここで本部長さんから声がかかった。

 僕の能力把握や行動など、必要な問診がこれから行われるらしい。あクリップボード渡された。


 「ひとまず、これを書いてもらえるかしら? 追加で聞きたいことは書いてから質問するわね」

 「はーい」


 クリップボードに挟まれているシャーペンを使って書き込んでいく。

 書き込む項目は住所氏名年齢電話番号など、基本的な事項から魔法少女になった理由やローテーション希望などまるで面接のような項目まである。うーん……理由はかわいい女の子を助けたいでいいのかなぁ?


 「理由ってなんでもいいんです?」

 「いいわよ、それこそ特になしで提出する子もいるし。フィアラルちゃんみたいに」


 あ、フィアラルは特になしだったんや……


 「じゃあ、こんな感じでお願いします」

 「うん……特に問題はなさそうね」

 「性別の欄がないですけど、TS女とか書き足しとかなくて大丈夫です?」

 「大丈夫よ。今は女の子で、戻れないのでしょう? なら書く意味がないわ」

 「アッハイ」


 まあ中身というか、僕はまだ完全に女の子に順応できてはいないんだけれど……まあいいか、その辺は。


 「それじゃ、追加の問診をします。まずローテーション希望の欄に毎回って書いてあるけど、あなたは支援系よね?」

 「はい、遠隔から魔力の増幅が可能なので。あと定期的に他の各魔法少女に『調整』を行ことが出来ます」

 「なるほど。それで、その魔力の増幅というのはどの程度の距離まで届くものなの?」

 「先日調整したメーヴェとフィアラルの魔力の動きは家でも感じることが出来たので、少なくとも県内ならどこからでも大丈夫じゃないかと」

 「魔力の動きを感じる……?」


 あー、詳しい説明が必要になると思うけど、どう説明したものか。


 僕が行う調整は身体の方の効率化はもちろん、それに対応した魔力の変質も行う。普通の人間で例えるなら、血管を太くするとともに血液サラサラにもするという感じである。

 その時に僕の魔力も混ぜ合わせているので、遠距離からでも自分の魔力と混ざった他の魔法少女の魔力を感じられるのだ。


 ……という事を頑張って説明した。


 「なるほど、じゃあどこにいても二人の魔力の増幅はできるという訳ね」

 「はい。一応魔力の共鳴を応用して、長距離通信みたいな事も出来ますので、いちいち電話をかけたりしなくても意思疎通が可能です」


 うん、言って思ったけどこれって結構強い能力だよね。


 魔法少女の戦闘中の意思疎通は基本的に支給されるインカムらしいけど、唐突に表れる魔物に対して常にインカムを持ち歩いているわけでもなし。

 そしてスマホ用のインカムとは違って単体で長距離通信用に設計されているので、あっという間に電池が切れるという欠点もある。


 それに比べて僕の長距離共鳴通信は相手が”僕の調整を受けた魔法少女”でなければいけない、という制約があるもののいつでもどこでも行えるし、時間制限もない。

 明確な欠点は僕が共鳴を発動しなければ使えないので、相手の魔法少女から話したいときは電話などほかの通信手段で僕に教える必要がある点だけど……魔法少女が変身したら僕の方でわかるので、それを合図に共鳴を発動するようにすれば問題ないはずだ。


 「まさに支援特化型という感じね……まあ、これに関しては申し訳ないけど、出来るだけ毎回お願いすることになるわね。もともとうちの県にはメーヴェとフィアラルしかいないから、2人にも毎回戦ってもらっちゃってるし」

 「問題ありません」


 まあ、静岡や東京の方だと魔法少女の数も多いけど、こんな田舎じゃねー。

 とは言っても、その分魔物の出現率も低いので、一概に悪いとも言い切れない。


 ちな、日本で最も出現率が高いのは富士山周辺、その他の場所も山脈などに集中していることから地脈に関係があるんじゃないかと言われていたりする。これは今後の研究に期待だね。

 ……まあ、研究しようにも魔力の解明がまだだし、現地に行こうものなら魔物のリスクが高すぎるので難航しているらしいけれども。


 というか個人的には、もっと他の県にいる魔法少女の支援とかもしたいんだけどね。特に魔物出現率の高い地域の魔法少女とか。

 とは言ってもいきなり何人、いや何十人もの魔法少女の支援が出来るのかと言われると自信がないので、まずはこの2人、次に周囲の県の魔法少女って感じがいいかな?


 「それでは次の質問です」


 なお、この問診は半日かかった。その間ずっと横に控えていたメーヴェ、すごくいい子。

 フィアラルちゃんは普通にあくびしたりスマホ弄ったりしてた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ