30 我が子は順調? に成長中
前回のあらすじ:メーヴェは自分の幸せがわかってないと判明したよ!
僕のお腹に新たな命が宿ってから1週間。
僕は見てわかる程度にお腹がポッコリしていた……うん、順調に成長? しているね。
なんか皆は心配して、わざわざ僕があんまり動かなくていいように僕と鈴音の部屋に集合しちゃってくれてるけど。いやほんと、大丈夫だよ?
「だ、大丈夫お姉ちゃん?」
「ん、まあ意外と重くないしつわりとかもないから大丈夫だよ……着れる服、というか下着が困ったけど」
そう、服が。まあお腹はまだそこまでではないので何とかなるにしても、胸が張ってちょっと巨乳になっちゃったせいでブラが入らなくなってきてしまったのだ。
さすがにこんな妊婦姿で外に出るわけにもいかないので、まあノーブラで過ごしてるけど。今後母乳が出てくるようになったら、ノーブラってわけにもいかないよなー。
「……というか、ちょっと異常に早くない? たった1週間でここまで出ないと思うのだけれど」
「あ、そういえばメーヴェにはまだ話してなかったね。実は僕の子たちは魔力が反応して産まれた純魔法生物になるから、普通の子供よりも成長が早い、というかやろうと思えば今すぐにでも産めるんだよね。まあ僕の身体がおかしくなるかもしれないからって、まだ出てきてくれないけど」
「……出てきてくれない? まるでお腹の子と会話できるように聞こえるのだけれど」
「できるよ、僕の共鳴で会話できる。もう普通におしゃべりできるよ」
「なにそれ初耳なんだけど」
あー、そういえばそうか。暁さんにもお腹の子が純魔法生物とだけ話して、最初から普通の大人? と同じように会話とかできるし、多分産まれた瞬間から僕たちと同じように生活できるっていうのは言ってなかったっけ。
暁さんに、言っておこう。
「最初から僕たちと同じように魔法少女として、会話もできるし普通に生活できる状態で産まれてくると思います」
「あ、そ、そうなのね……それなら安心、なのかしら?」
「ええっと、もしかしたらご迷惑をおかけするかもしれませんが……その」
「ああいえ、大丈夫よ……ここの責任者として、新しい子たちも迎え入れるわ」
うん、申し訳ないとは思うけど、さすがにこんなたくさんの子達を僕だけで見るのは不安だし。
暁さんが協力してくれるなら、少しは安心できるかな……そもそも、僕がちゃんと母親できるかってのが心配だけど。
「ところで、正確に何人産まれるか、っていうのは……」
「ああはい、8人姉妹になりますね」
「はちしまい」
「えっそんなに」
うん、鈴音は普通に驚いて、メーヴェはポカーンとして、暁さんは遠い目をし始めたぞ?
たしかに多いけど、なんか双子が2組いて、いやそれでも6回孕まされたのか僕。杏ちゃんも鈴音も、容赦がないな?
「だ、大丈夫、かな……」
不安そうにする鈴音。うんまあ、気持ちは分かるよ。僕も不安だもん。
「鈴音」
「え?」
ベッドに一緒に腰掛けている鈴音をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だよ、僕も不安だから」
「いやそれ大丈夫じゃないじゃん」
「ふふ、でもこの子達、とってもいい子だから。ちゃんと愛してあげれば、問題ないよ」
「……うん」
「メーヴェも。僕の子達と、鈴音のことも。見てくれると嬉しい」
「え……あ、そうね。大変だものね」
うん、疎外感を感じてたみたいだけど、ちょっと復活したかな。
やっぱりメーヴェ、頼ってもらえると元気が出るみたい。
「フィアラルにも伝えておこないといけないわね」
「まあ、そうですね。もうすぐ到着しますよ」
「え?」
――ピンポーン。魔法少女寮のチャイムが鳴る。
うん、来たね杏。
「あ、本当にフィアラルさんだ」
鈴音がドアを開けて、迎え入れる。本来はめんどくさがりのはずなのに、僕とヤってから積極的に動いてくれるようになったよね、鈴音。
「お邪魔しまー何そのお腹!?」
ばびゅん、とすごい勢いで近づいてきて僕のお腹をがしっと鷲掴みにするフィアラルもとい、杏。おいこら。
「ちょ、子供いるからそんな掴まないで」
「へ、あ、ご、ごめんなさい」
そう言っておとなしく手を引っ込めてくれる杏。……あれ、ちょっと顔が赤いぞ?
「私と、鈴ちゃんの……子供……うぇへへ」
あ、なんかトリップしてる……大丈夫かなこれ。一応杏、僕の恋人でこの子達の母親……いや父親か? でもあるんだけど。
まあ、僕よりも明るくて元気な子だから、この子達を元気にしてくれる……事を祈ろう。
なお杏ちゃんはヨダレを垂らしながらトリップし、暁さんにチョップされて現実に引き戻された模様です。
杏ちゃんをウェーブが「杏」と呼び捨てになって距離が近づいていますね。これからもっと夫婦のようになっていく予定です。




