28 妹の心情や如何に
前回のあらすじ:杏ちゃんに姉妹丼で食べられちゃったよ!
杏ちゃんに僕と鈴音の姉妹丼をおいしく頂かれた翌日。
鈴音が浮かない顔をしていた。
「浮かない顔をしてるね」
「あ、うん……」
「僕のこと、好きだもんね。身を引こうとしてくれているんでしょ」
「あぇ……知ってたんだ」
まあ、知っていたと言うか昨日知ったというか。
鈴音の心の中覗いてみたら、知っちゃったよね。
「大丈夫だよ。別に今すぐ無理に踏ん切りをつけろとは言わないし、そもそも恋人がいたって鈴音は僕のかわいい妹であることには変わりがないからね」
「それは、そう、だけど」
「別に、無理に諦めろとは言わないよ。僕のことが好きなら、それでいい」
「え」
うん、気持ちは分かるよ。僕だって、メーヴェのことが好きだったんだから。
正直今でも未練はある。恋心は、そんなに簡単に割り切れるわけではない……と、思う。
「別に姉妹なんだから、遠慮せず甘えてくれていいよ。ほら」
こっちに鈴音を抱き寄せてそのままベッドにダイブ。そのままこねくり回す。ほーらなでなでむにむにー。
「ひょ、ほへえひゃ!?」
「ん、元気になった? かわいい」
「むぅー」
ちょっと嬉しそうな顔をして、だけど不満そうな声を上げる鈴音。器用なことするね?
まあでも、多少は心の内のモヤモヤが解消できていたらいいな。
「……ところで、鈴音大丈夫?」
「え?」
「学校は」
「あ……ああっ!?」
時計を見て目を見開き、僕を突き飛ばして飛び起きる鈴音。
いやちょっと、いくら時間がヤバいからって僕の扱い雑じゃない?
「……という事があったので、もし鈴音が浮かない顔をしていたりしたら教えてほしいです」
「あ、うん。そうね……なんか、ごめんなさい」
「うん? あーいや、別に僕は大丈夫だよ」
「……」
ううーん、メーヴェ、僕をフったのを気にしてる感じかな。
まあ、僕の場合は杏ちゃんという恋人ができたので、普通に大丈夫なんだけど。
「いいわねぇ、姉妹で仲良くしておきなさい? 血のつながった家族なんだから」
「ま、まあそうですね……」
「別にフィアラルとウェーブとアビスで三角関係になってもらってもいいのよ?」
「それ暁さんが見たいだけでは?」
「その通り」
うーん、まあ確かに女の子同士だと結婚とかできないし、フィアラルに鈴音も含めて姉妹揃って愛してもらうというのも手か?
「……まあ、鈴音ちゃんは大丈夫だと思うわよ。あの子、案外強かだし」
「うーん確かにねぇ」
まあ言われてみれば、鈴音はああ見えて計算高いというか、ダウナー系に見えて行動力は結構あるよね。
姉妹一緒の部屋になったのも鈴音が僕の部屋に住み着いたからだし、学校でもたまにいつの間にか背後にいたりしたし。
「……いつも思うけど、あなた自分のことを第一に考えなさい? 私はあなたの方が心配よ」
「うん? 僕は別に大丈夫」
うーん、僕は大丈夫だと思うけどなー。
学校どころか、外に出ないし。まあ外に全く出ないのも問題ではあるけど……でも、1人は慣れてるし。
「あ、そうそう。僕が今妊娠している子たちですけど」
「うん……え、たち?」
「もうすぐ産まれる見通しですよ」
「……は??」
お腹の子たちは魔法生物なので、成長時間とかほぼ必要ありません。




