26 とりあえず無事だからヨシ!
前回のあらすじ:魔法省副大臣のおっさんに弄ばれたよ!
「とりあえず無事だからヨシ!」
「ヨシ! じゃなくて……ほんとに大丈夫なのあなた」
「まあ大丈夫大丈夫」
うん、まあ……たぶん大丈夫だろう、お腹の子にも変わった様子はないし。
魔法省副大臣のおっさんと”身体検査”をした後、戻ったらめっちゃ心配された。
まあそりゃ、いろいろされて疲れ果てて寝ちゃって、起きたら勝手に瞬間移動で部屋に入ってきたアビスに膝枕されてたから驚いたけれども。
「変なことされてない?」
「あー、うーん?」
「されたのね……」
心配してくれるメーヴェ、やさしい。
まあぶち犯されたわけでもないのでとりあえずはセーフと言ったところか。いろいろされたけど。
「ま、まあとりあえず僕は大丈夫だから」
「無理はしないでね」
「うん」
まあ大丈夫、僕はもともと男だったし。精神的ダメージは純粋な女の子よりも少ないはず。
「それより、2人は大丈夫だったの? 何か変なことされなかった?」
「うん、大丈夫」
「自分の心配を先にしなさいよ……はぁ」
メーヴェにあきれられてしまった。
「まあ、今後は魔法少女寮に引きこもる予定だし、もう何もないでしょ」
「あなたそれフラグ立てに行ってる?」
「そういうわけじゃないけど。まあ、特に起こりそうなイベントもないし大丈夫でしょ」
うん、学校にも行かないし魔法少女寮で一緒に暮らすのはアビスとメーヴェだからねー。
何か起こると言うならメーヴェかアビスが襲い掛かってくるくらいだと思うので……正直女の子同士ならウェルカムなので問題はない。
まあ、それはそうと……身体中触られたと言うか、いろいろされたので実は服の中べっとりしてるんだよね。
「じゃあ早いけど、お風呂入るねー」
「え? ええ……」
「あ、私も一緒に入る」
「んぇ?」
え、それはちょっとまずい。服の中見られるのは――
「やっぱり、されてたんだね……えっちなこと」
「う、うんまあ……」
お風呂にて。鈴音にどろっとした液体を流してもらっている。
いや、自分でやるっていったんだよ? でも鈴音が許してくれなかった。
「ほら、こっち向いて、ちゃんと見せて。他は変な事されてない?」
「い、いやほら、大丈夫だよ」
「むーん……ほんとに触られてぶっかけられただけ? 入れられたりしてない?」
「してないしてない」
うん、まあ。一応本番はしていないのでセーフだろう。僕はまだ処女だ。
「私のお姉ちゃんなのに」
「僕はいつから鈴音のものになったんだろう」
「産まれたときから」
「うそん」
そんなくだらない会話をしつつ、シャワーを受け取って今度は僕が鈴音を流す。
こうやって一緒にお風呂はいるのっていつぶりだっけ……魔法少女になった初日ぶりだね、そんなに昔じゃなかった。
「んー♪ やっぱりお姉ちゃんとこうしてるのが落ち着く……」
湯船の中で、僕が座っている上に乗っかってもたれて来る鈴音。
兄だった頃はこうされると股間を盛り上がらせないように気を使っていたけど、今は立ち上がるモノがないからいいねー。
「ん……魔法少女になってよかったかな」
「え、なんで?」
「鈴音とこうして、ぎゅーってしたりできるから。姉の特権」
「別に兄でもいいけど。私の身体見て顔赤くしてたの知ってるよ?」
あ、マジか。妹とのお風呂で興奮しちゃってたの、ばれてたのか……これは恥ずかしい。
「今でも興奮する?」
「あー、別に見るだけでは。鈴音がえっちなことしたりしなければ」
「じゃあするね」
「え?」
ざばっと立ち上がった鈴音は、こっちに正面向いて。
僕にそのまま覆いかぶさるように近づいてきて――え待って、なんでそんなに強く肩をつかんでるの? 僕起き上がれないんだけど。
こ、これって。妹に、襲われる……!?
「大丈夫、私が嫌なこと、上書きしてあげるから……♡」
「いや、ちょ――んんぅ!?」
その後、僕は鈴音に散々いじられまくって。
足腰立たなくなって、魔法少女アビスに変身した妹に運ばれるという更なる羞恥プレイをさせられる羽目になった。
……もしかして鈴音も、僕とえっちなことしたかったのかな? とか考えつつ、ベッドに転がされた僕はあっさりおやすみしてしまうのだった。
魔法少女になるとパワフルになるので、素のままではどうにもならないと思った妹ちゃんは魔法少女アビスに変身して姉を運びましたとさ。
なお、元からお兄ちゃん大好き妹だった模様。




