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TS支援系魔法少女  作者: LIN
第2章 不幸属性が付いたらしい
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18.1 前世の悲劇 アビス視点

 今回は妹ちゃん視点ですが、主人公ちゃんの前世について理解を深められたらなーという感じの回です。

 「……愛の原子力使い(アトミカルラヴァー)

 「な……っ!?」


 その名前を聞いて、驚いた。だってそれは、初代であり最強だった魔法少女の名前だったから。


 愛の原子力使い(アトミカルラヴァー)。原子力を使う事から被曝するという風評被害に晒され、当時はまともな評価を受けることのなかった悲劇の魔法少女。

 皮肉なことに、彼女が原因で被爆した人が全くいなかったり、後発の魔法少女は彼女のように音速を超えて飛翔したり、出現と同時に一撃で魔物を屠ったりすることが出来ないことが判明したのは、彼女が使い潰されてからだった。


 「ごめんなさい」


 お姉ちゃんは謝った。なんで?

 ……もしかして、お姉ちゃんはまた放射線がどうのこうのと言われると思ってる?


 いやでも、謝る必要はないと思う……というか謝るのはむしろ、守られていた側の人々だと思う。

 当たり前ながら私は当時まだ生まれてきていなかったわけだけど、当時の人間はさも当然のように魔力が尽きても救助活動をさせたり、治安維持活動という名目で普段から酷使したりしていたのだから。


 「ごめんなさい」


 もう1回、謝った。目には涙が浮かんでる。

 何とかしなきゃ、何か言わなきゃって思うけど……何をどうフォローすればいいのか分からない。下手なことを言って地雷を踏み抜いたら、今度こそ本当に壊れちゃいそうで――


 「ふふ」

 「……お姉ちゃん?」

 「はは、は」


 ちょ、ヤバイヤバイヤバイ! お姉ちゃんが乾いた笑いを、本当に壊れちゃった!?


 「お姉ちゃん、しっかり!」

 「ウェーブ……いえ、鈴。よく聞いて」

 「へ?」

 「初代魔法少女は今、ちゃんと評価されているわ。だから……ありがとう」

 「むぎゃ」


 あ、暁さんが抱きしめて、お姉ちゃんをよしよししてる。


 「今までずっと、たった1人でよく頑張ってくれたわ。もう大丈夫、もう大丈夫だから……」

 「う、あ……うう、グスッ」


 お姉ちゃんが、静かに泣き始めた。……これで、落ち着いてくれるといいけど。

 次の話から第3章に入ろうと思うのですが、ノクターン版は分岐ルートから書こうと思っていますので、ルート分岐をしない予定のこちらはしばらく更新が途絶えることになります。

 意見・要望などが来たら変更するかもしれませんが。

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