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TS支援系魔法少女  作者: LIN
第2章 不幸属性が付いたらしい
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18 前世の悲劇

前回のあらすじ:

病院に入院したら先生に優しくされて涙ポロリしちゃったよ!

 「大丈夫? だいぶ無理してるみたいだけど」

 「えっと、大丈夫です……よ?」


 病院の病室で。なんか暁さんに心配されている。

 後ろにはメーヴェとフィアラル、それに妹のアビスの姿もある。魔法省総出でお見舞いに来てくれるなんてね。


 「まあ、僕は大丈夫なので。ありがとうございます」

 「どういたしまして。……もしよければ、あなたが何をそんなに思い悩んでいるのか……聞かせてもらっても?」


 あー、うーん。どうしような、前世の話とか信じてもらえるものなんだろうか?

 というか教えたら嫌われたりしないかな……? 愛の原子力使い(アトミカルラヴァー)についてまだ調べてないから、どんな反応が返ってくるのか想像がついていないので怖い。


 「お姉ちゃん、もしかして。前世も魔法少女だった?」

 「え、あ?」


 な、なんで鈴音が知って――あ、そういえば。

 何回か鈴音には、前世の記憶があるからーとか言った記憶がある。まだ鈴音が小さかった頃の話なんだけど……まさか、覚えてた?


 「……愛の原子力使い(アトミカルラヴァー)

 「な……っ!?」


 メーヴェと鈴音は驚いて、暁さんは苦い顔になった。フィアラルはよく分かってないみたいで間抜けな顔をしている。かわいい。じゃなくて。

 あれ、何で口に出して? そんなつもりはなかったのに。


 「ごめんなさい」


 こうなれば、謝るしかない。僕……いや、()、は……何をしても、嫌われて。怖がられて。

 私はただ、町を守りたかっただけなのに。何も知らない人々が、平穏に生きていける場所を壊されたくなかっただけなのに。


 「ごめんなさい」


 原子力を使うとは言っても、放射線は出ないようにしてた。

 魔力を使い果たして変身が解けても、救助活動に協力した。

 街に被害が出ないように、それでいて魔物を倒せるように。威力と角度を調整して、戦った。


 私、頑張ったよね。誰か1人くらい、褒めてくれたっていいと思うんだ。慰めてくれたっていいと思うんだ。


 「ふふ」

 「……お姉ちゃん?」

 「はは、は」

 「お姉ちゃん、しっかり!」


 もう、いや、だって、笑うしかないじゃんこんなの。

 私は生まれ変わっても魔法少女で。しかも直接戦えなくて。もう一度、生き地獄を味わって生きていけと、そういう事でしょう?


 「ウェーブ……いえ、鈴。よく聞いて」

 「へ?」


 暁さんの顔が、目の前に。そして僕の顔に両手が添えられてる。これどういう状況?


 「初代魔法少女は今、ちゃんと評価されているわ。だから……ありがとう」

 「むぎゃ」


 暁さんに抱きしめられる。え、っと?


 「今までずっと、たった1人でよく頑張ってくれたわ。もう大丈夫、もう大丈夫だから……」

 「う、あ……」


 暁さんが、優しい言葉をかけてくれる。背中をさすってくれる。

 やばい、涙があふれて止まらない。こんな情けない姿、見せたくないのに……いや、もういいか。今まで散々な目に遭ってきたんだし、これくらいは許される……よね?

 優しくされて泣いちゃう主人公ちゃんでした。

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