02 顔合わせ
前回のあらすじ:
主人公は魔法少女『ウェーブ』になった……ら男に戻れなくなった!
責任者に連れられてやって来たは、うちの県の県庁にある魔法省。ここでうちの県にいる、あと2人の魔法少女と顔合わせをすることになった。
いや2人って広いわりに少ないな、めっちゃ大変そうじゃん。
「初めまして、私は『メーヴェ』、風を使う魔法少よ。よろしくお願いするわ」
「あ、えっと、『フィアラル』です、火を使える魔法少女……です」
なるほど、この子たちが。
メーヴェは背が僕より少し高いかな?ロングストレートの髪は紺色で で大人っぽい感じなのに対して、フィアラルは僕と同じほどの背丈で朱色のショートヘアーをしている。……なんか、ちょっと人見知りっぽい?
「初めまして、僕は『ウェーブ』、支援特化の魔法少女だから肩を並べて戦う事は出来ないけど、よろしくね」
「支援特化とか初めて聞いたのだけれど。どんな感じで支援してくれるのかしら?」
え、どんな感じでって言われても。
「一応、魔力の調整とか増幅とかできるけど」
「一応……?」
「えーっと、なんなら今から調整しようか? 触られるのが嫌じゃなければ、だけど」
「女の子同士だし、別に構わないけれど」
「僕、魔法少女になる前は男で」
「TSなの!?」
「えっと、魔法少女になって性転換した……?」
まあ、やっぱ驚くよねー。僕も驚いてる。
「ちな、多分もう男には戻れないらしい」
「ま、まあそれなら……?」
「あなたはそれでいいの?」
「まあ別にいいんじゃないかな」
僕の方を心配してくれるメーヴェちゃん、優しい。
「それじゃ、ちょっと手を出してみて」
「アッハイ」
メーヴェちゃんが自然に手を出してくれたので、僕も自然に握手するように手を握る。
……ふむ、なるほど?
体の内部の魔力の状態を確認し、流れる方向の統一や魔力タンクの指定、極性集中などで効率化を図る。
「これは……」
「どうした?」
「体が軽くなったような感じがするわね……それに体内の魔力の量も増えたような」
「流れをよくして整理整頓したような感じだから、そう感じるかもしれないね。確かに体内魔力量は少々増えたけど、出力も大きくなってるから発動できる魔法はそんなに変わってないはずだと思う」
うん、まあ僕のもう一つの『共鳴』で魔力を増幅すれば話は別だけど、調整だけだと各魔法の威力が上がっただけだと思う。
例えるなら、水のタンクを大きくしたけど出口も広げたから流せる時間は同じだよ、みたいな。
「フィアラル……さん? はどうする?」
「えっと、呼び捨てで大丈夫……です。わ、私もお願いします」
「OK、握手しようか」
メーヴェの時と同じように、フィアラルとも握手して調整をする。
体内魔力の経路最適化、極性統一、集積量の拡張……と。
「確かに、ちょっと力がわいてくるような気がします」
「一応言っておくけど、調子に乗ってバンバン撃ちまくるのはやめてね」
「はい……大丈夫です」
「ならよかった」
うん、今回も調整がうまくいったようで何より。
とは言っても、調整を行うのはこれで2回目(1回目は自分にやってみた)なので、まだ完璧とは言いにくい。
もう少し魔力経路は最適化できそうだし、魔力タンクというべき場所ももっと効率をよくできそうな感じがしている。この辺は今後の課題だと思う。
「あと、戦う時になったら僕は前線に出ないから、頑張ってね」
「え?」
「魔力の増幅は離れててもできるから、支援はするよ。ただ僕は戦うことが出来ないから、安全な裏方に徹するってだけ」
「遠隔で支援できるの? なら私たちとしても安心して戦えるわね。ウェーブ……って呼んでいいかしら」
「うん、構わないよ」
「そう、それじゃあウェーブ。これからよろしくね」
「うん、よろしく」
うん、僕も死にたくはないからね、出来る限りは安全な場所に引きこもらせてもらうよ。わざわざ危険な場所に出向く必要はない。
……あれ、そういえば。
「そういえば、2人とも空飛べたりするの?」
「え? そりゃもちろん飛べるけど」
「飛べますよ」
「あもしかして飛べないの僕だけ?」
「飛べない!?」
驚かれた。え、もしかして飛べない魔法少女って僕だけ?
「もしかして他は皆飛べるの?」
「うん、飛べない魔法少女というのは聞いたことがないわね」
まじかー。遠距離から支援できる後方支援系で良かった……いや、後方支援系だから飛べないのか?
「まじかー……まあ僕は飛べないから、何かあったら助けてね」
「それはもちろん、助けられるなら助けるから安心してちょうだい」
「で、でも前線には出ないってさっき」
「うん、僕の目の前にモンスターでも現れない限り何もないと思う」
「フラグたてるんじゃないわよ全く」
あ、これフラグだった?
前回同様、キャラクターイメージイラストはAIのMicrosoft Copilotに生成してもらいました。