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TS支援系魔法少女  作者: LIN
第2章 不幸属性が付いたらしい
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16.1 LILIUM DOLL 暁さん視点

前回のあらすじ:

ウェーブがリリウムドールになったらアトミカルラヴァーの記憶が出てきて発狂しちゃったよ!

 「うああああぁぁぁ!! わたし、もうやだあぁ!! なんでいぎでるのおぉ!?」

 「え」

 「わたしが、なにしたっていうのよおぉ!! なんでしんでも、うわああぁん!! ゆるじで、もうゆるじでよおおぉぉぉ!!」


 ……いったい、何が。

 魔法少女ウェーブ……だけじゃない、他の、別の人の記憶も混じってるの……?


 「大丈夫、私たちは――」

 「もうやだあぁ、わたし、わだじはああぁぁぁ!!……っ、ゲホッ、カハッ」

 「ちょ、大丈夫!?」

 「お姉ちゃん!?」


 アビスちゃんがさっき水を持ってきたときと同じように、忽然と消えてまた一瞬でこつ然と現れる。手に持っているのは水入りコップとビニール袋。流石ね。


 「とりあえず水飲める?」


 と、聞いてみるもウェーブちゃんは首を横に振って下を向いたまま。


 「お姉ちゃん、大丈夫?」

 「ゲホゲホ、ガフッ」


 ひときわ大きな咳をしたと思うと、彼女の口から赤い液体が……は?


 「お、お姉ちゃん!?」

 「フィアラル、変身を! 衣装(フォーム):(メーヴェ)!」

 「うえ!? あ、えっと、衣装(フォーム):自然発火(フィアードファイア)!」


 メーヴェとフィアラルが変身する。病院へ連れていくつもりね。


 「私の能力で私とお姉ちゃんだけ病院に飛びます」

 「わかったわ、メーヴェとフィアラルはここで待機。私は病院へ連絡するわ、県立中央病院に行ってもらえる?」

 「わかりました」

 「ま、まっ……」

 「ごめんなさい、あとで聞くわ」


 ウェーブは何かを言おうとしていたけど、それどころじゃない。アビスちゃんにウェーブを任せる。一瞬で消えた。……よほど、抱え込んでいたみたいね。


 「ウェーブ……」

 「ごめんなさい、私も油断していたわ……いきなりこんな事になるなんて」






 「ひとまず、身体の方は大丈夫だと思います。検査の結果は良好、今は眠ってます……まあ泣きはらして気絶した、って言った方が正しいと思いますけど」

 「それは良かった、けど……起きた時が怖いわね」


 病院の病室で。

 ウェーブは5点拘束され、ベッドに寝かされていた。理由は魔法少女であり、精神状態が不安定なので万が一にも暴れられたら大変なことになる、という事で。


 病院の判断もわからないことはない。多くの入院患者のいる病室で、万が一があれば取り返しがつかないことは分かる、わかるんだけど……


 「お姉ちゃんは支援系だから大丈夫だと思いますけど……っていうか、起きたらこんなことされてたってなったら、お姉ちゃんの精神が大丈夫じゃないんじゃ」

 「……ごめんなさい、私にはどうにもできなかった」

 「どうしてお姉ちゃんが、こんな目に」


 それは、本当にそう。

 ショッピングモール事件から、ずっとろくな目に遭っていない……どころの話ではない。

 学校で襲われ、警察は役に立たず、ネット上では叩かれ。私たちが必死に救いの手を差し伸べても、それ以上の不幸が降りかかる。


 「魔法少女は戦って街を守るのに、街の人々は魔法少女を守るどころか、気遣ってもくれないんですね。もうこんな世界、守らなくていいんじゃないですかね」


 私は、アビスちゃんのその言葉に何も言えなかった。

5点拘束というのは両手足を拘束することですね。追加で肩にもベルトが巻かれる事もあるとか。

もうやだー!! ってなって泣いて起きたら拘束されていたとか、追加でもう1狂いしてくださいと言わんばかりですね。

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