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TS支援系魔法少女  作者: LIN
第2章 不幸属性が付いたらしい
18/27

16 LILIUM DOLL

前回のあらすじ:

魔法少女アビスをみんなに紹介したよ!

 「あのそれで、僕のほうも一つ報告がありまして」

 「ん、何かしら」

 「今の僕の状態って半分変身してる状態だけど、半分変身してない状態みたいない感じじゃないですか。もう1回変身すると、完全版になれるかなーって」


 そう、今の僕の状態は変身状態と同じように魔法が使えるのに、変身時の魔力消費はないし空を飛ぶこともできないという中途半端な状態である。

 自分で調整の練習をして体内魔力をこねくり回していたら気が付いたんだけど、どうにももう1回変身できそうな感じがするんだよね。


 「その状態から、さらに変身するっていう事? そんなこと出来るの?」

 「気が付いたのは一昨日当たりなんですけどね。ちょっとやってみましょうか」


 それじゃ、やってみるか。変身時の文言は……ん、なんだか禍々しい?


 「人の悪意を、真に受けて」

 「魔法少女は、戦い続け」

 「ならば私が、闇となり」

 「全ての罪を、引き受けよう」

 「衣装(フォーム)百合人形(リリウムドール)


 僕の身体が光って……あ、うん。衣装はウェーブの初期衣装と同じだね。

 ……あ、やば。


 「うぷ」

 「ちょ、お、お姉ちゃん?」


 やばい吐きそう。座り込んで両手で口を押えて、何とかこらえる。


 なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ。パンドラの箱だ、これは。


 思い出すは、前世の記憶。今までうっすら断片的にあっただけだけど、今のですべてが思い出された。

 前世も僕、いや”私”は魔法少女だった。


 なんで? なんで!? 死んだらそれで終わりと思ってたのに! 転生してまた魔法少女、前世と同じみんなのサンドバッグ……!?

 僕が、私が何をしたっていうの……? 死んでも許されないの……? もうやだ、なんでよおぉ!!


 「お姉ちゃん、飲む?」


 鈴音が水を持ってきてくれた。受け取って飲む。……少しは、落ち着いた。


 「ごめんなさい」

 「い、いえ……とりあえず立てる? 座って休みましょう」


 ん……ヤバイ、足腰に力が入らない。鈴音と暁さんが支えてくれる。


 「何かあったの? 私に話してみる? それだけで、楽になると思うから」

 「そ、んな」


 ダメ。今そんな優しくされたら、女の子に情けないとこ見せちゃう……。


 「泣きたいときは、思いっきり泣いちゃいなさい。全部一人で抱え込まないで」

 「い、や」

 「大丈夫、私は……そうね、少なくともあなたを助けたいと思ってる。これだけは信じて」


 あ、だめだこれ。僕の中で何かが決壊して、感情が抑えられなくなる。


 そこから先は、記憶が飛んでいる。何を話したのか、どんな醜態をさらしたのか……自分では全く覚えてない。

主人公ちゃんは魔法少女ウェーブから魔法少女リリウムドールへ進化しました。

同時に前世の魔法少女”愛の原子力使い(アトミカルラヴァー)”を思い出して発狂してしまいました。


心をへし折る最後の一手は自分自身。こういうの好きです。

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