13 学校でまた襲われる
前回のあらすじ:
メーヴェにお姫様抱っこされて空飛んだら怖かったよ!
さて、次の週が始まった。始まってしまった、というべきか。
「お姉ちゃん、大丈夫なの?」
「そうよ、あなたのほうが心配よ」
僕は今、鈴音とともに学校へ荷物を取りに来ているところである。
今回はメーヴェが護衛としてきてくれた。なお制服姿である。
まあメーヴェは中学校を卒業してから高校へは行っていないらしいので、まあ気分だけでもってことかな?
で、なぜ僕が心配されているかというと。メーヴェには妹の鈴音の方について行ってもらうようにお願いしたからである。
そりゃまあ、僕が犯されるのも嫌だけど、鈴音に万が一があったりしたら膝から崩れ落ちる自信がある。
「じゃあ、何かあったらすぐに呼びなさいよ? 飛んでいくから」
「ま、そうそう何も起こらないでしょ。大丈夫だよ」
「またフラグを……ほんとに気をつけてね?」
あ、これフラグだった? ま、まあそんな連続デフラグ回収なんてしないでしょ、漫画やアニメじゃあるまいし。
「わかってるよ。じゃ、僕の鈴音をよろしくね」
「お、お姉ちゃん……」
なんか複雑な表情をしている鈴音を尻目に、僕は自分の学年の方に歩いていく。
僕は3年生なので3階、階段を上がるのもこの身体になってからちょっとしんどくなったんだよね。女の子になって体力落ちたかな?
と、僕が階段の踊り場を歩いていると。
「むぐ!? ん〜〜〜〜!!」
いきなりタオル? で口をふさがれ、さらにアイマスクか何かで視界も塞がれた。
手は誰かに掴まれて、え、何!?
まさか早速襲われるとは思ってなかったので混乱したけど、ひとまず『共鳴』を使ってメーヴェに僕のうめき声を送っておく。これで気づいてくれる……といいなぁ。
そして僕はまあ、当然ながら激しく抵抗させてもらう。見えないのでガムシャラに動くしかないけど。
「大人しくしろ、この」
ゴッ
「いーってぇ!? なんだこの石頭!!」
頭を殴られた。いや、魔法少女になって頑丈になった僕を殴ったりしたらそらそうよ。
ってか、元男とはいっても僕は今女の子なんだぞ。殴るなんて……!
「いいからこの、大人しくこっちに来い!」
「んむぅー!」
嫌だよ、全力で抵抗するよ。と、その時。
「何を、しているのかしら?」
「あっやべ」
「俺は逃げる!」
「お、おいーー」
メーヴェの声がした。よかった、来てくれたらしい。
その直後。
「うがっ!?」
「ぐぎゃあっ!?」
「あっふん」
男子3人の奇妙な声が聞こえたと思ったら、僕を引っ張っていた力がなくなって……えっちょ倒れる!?
「お姉ちゃん!」
と思ったら、鈴音が支えてくれた。
「待ってて、今解くから」
と、僕の拘束を解いてくれる鈴音。あれ、いつの間に両腕も縛られてたんだ?
「ぷはっ、ありがと鈴音、メーヴェも」
「あなたね……予定変更よ、3人で行動しましょう」
「賛成。お姉ちゃんもそれでいいね?」
「アッハイ」