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TS支援系魔法少女  作者: LIN
第2章 不幸属性が付いたらしい
12/27

11 支援系の本領発揮

前回のあらすじ;

心がポッキリ折られてしまった主人公ちゃん。何のやる気も出なくてベッドにダイブ、そのまま朝まで寝てしまったよ!

 ……なんか、夢を見た気がするけど忘れた。あー……気がついたら寝てしまっていたらしい。


 薄暗いな、今の時間は? と、時計を見ようとして、気付く。目の前に誰かいる。……鈴音? 鈴音の服もそのままだし、もしかしてずっとそばにいてくれたの……?


 とりあえず起きよう。鈴音を起こさないようにして、ベッドから抜け出す。


 「んぅ……お兄ちゃん?」

 「あ」


 失敗。どうやら起こしてしまったらしい。


 「ごめん、起こしちゃったかな」

 「いや、それよりもう大丈夫なの?」

 「うん、もう落ち着いたよ。ありがとうね」


 まあ、気分はまだ重いけど……寝る前よりはマシかな。鈴音が傍にいてくれたからか、めっちゃ安心というか、多少は動く気力が回復したというか。


 「待って、私も起きる。一緒にお風呂入ろ?」


 お風呂、そういえばごはんもお風呂もまだだったっけ。今の時間は……日付変わってる!?


 「ごめん、思ったより寝ちゃってたみだい」

 「あ、そういえば。寝てる間に電話なってたよ」

 「ファ!?」


 慌ててスマホを確認……どこだ? あった。あ、ほんとに不在着信が来てる。

 相手は……魔法省の作戦本部長さんか。やばい、寝てる間に何かあったか?


 「ごめん、ちょっと電話かけるね」

 「ん」


 折り返しの電話をかける。……繋がった、はやいな。


 「もしもーー」

 『もしもしウェーブ!? 緊急で悪いけど、支援できる!?』

 「はい? え待って?」


 いきなり言われても思考が追い付かない。支援って魔法少女の支援よね?


 『隣の県から支援要請が来て、メーヴェとフィアラルが向かったのよ』


 あ、確かに存在がかなり遠く感じる。それから、2人とも魔法少女に変身してるみたいだ。

 ……起きてから今まで気がつけなかったのは、魔力をほぼ使い果たしていたからか。


 「大体の状況はわかりました。支援するので、一回切っていいですか?」

 『ありがとう、お願いするわね』


 というわけで、電話が切れた直後に『共鳴』を発動。状況を確認ーー


 「キャアアアァァ!?」

 「フィアラル、下がって! プリズムこっち来て、魔力残量は!? ……電池切れてる!?」


 あ、やばそう。フィアラルの悲鳴が聞こえたし電池切れてるってのは多分、インカムの電池が切れて魔法少女同士の連携が出来なくなってるってことだろう。


 「こちらウェーブ、聞こえる? 共鳴による魔力増幅を行う」


 いいながら、フィアラルとメーヴェの魔力を増幅させ……あれフィアラル?


 「助かったわ、フィアラルはさっきので魔力が完全に尽きたみたい。変身解除してしまったわ」

 「わかった、状況は? って聞いても、何もできないけど」

 「いえ、ひとつ策があるわ」


 あ、何とかなりそうな感じかな? ならいいけど。


 「私に共鳴をかけ続けられる?」

 「かけ続けるって、そんな魔力使うつもり?」

 「ええ、できる?」

 「やってみる」


 まあ、魔力の量を一定にキープする感じでやってみるか。

 と、メーヴェが魔力を使い始めた。結構な勢いで使っていくね、これだと少し多めに……通常時の2倍程度まで増幅しておくのが安心かな。


 「いい感じよ、このまま少し……プリズム、あなたはフィアラルを連れて下がりなさい! 他の――いえ、聞こえないわね、仕方ないこのまま!」


 プリズム……隣の県の魔法少女かな? 全員無事だといいけど。


 「攻撃を避けながらッて難しいわね……!」

 「大丈夫?」

 「ええ、なんとか。……撃つ!」


 その瞬間。バチバチィ! と放電するような音が聞こえた。

 え、大丈夫なの!?


 「メーヴェ!」

 「大丈夫よ、倒したわ。風の力で空気をを収束させて、プラズマ化して撃ったわ」

 「す、すごいね……」

 「周辺の救助活動に入るわ。ありがとう」

 「え、あ、いや……」


 感謝されても、僕は今まで寝てたわけだし。

 肝心な時に居なかったから、感謝されても、その。

魔力が無限になったメーヴェちゃん、強いです。


なお、戦闘後の救助活動用にも魔力を温存しておく必要があります。

救助せず撤収すると世間からバッシングされちゃうからですねー、魔法少女に厳しい世界であります。

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