01 誕生
魔法少女、それは不定期に出現する謎の敵性生物、鬼や魔物、モンスターと言われる生き物と戦う少女たちの事。
魔法少女、それは望んでなれるものではなく、その力に目覚めた年端も行かない少女がなってしまうもの。
モンスター共には通常攻撃は効かない。おそらく魔力が込められた攻撃でないと通らないんじゃないかと言われていて、だから魔法少女に頼らざるを得ない――というのが大人たちの言い訳だが、だからと言って魔法少女が戦う所を支援しないのは大人としてどうなのかと思う。
だから僕は、即座に魔法少女になる決断をした。同年代の女の子たちを、少しでも助けたいから。
魔法少女「フェーベ」が戦いの中で大怪我し、その引退宣言が国内ニュースのトップを飾った事は記憶に新しい。
ウサギのぬいぐるみちっくな可愛らしい生き物の指示に従って、魔法少女になってみる。え、掛け声? 慣れるまでは心の中でいうだけじゃダメ? そっかー。
「魔力があれば、鳴らしてみよう」
「魔法少女の、希望となろう」
「魔力を繋ぎ、伝えてみよう」
「魔法少女を、助けるために」
「衣装:魔力波」
僕の身体が真っ白に光り、身体が男から女になり、服装も変化していく。身長も若干縮んだかな? 黒髪はのびてロングになって、胸の膨らみも多少出てきた。
――ここに新たな魔法少女、『ウェーブ』が誕生したのであった。
「で、変身解除できないんだけど」
「うーん、もしかして男から女にTSしちゃったからかも……」
「それじゃあ、僕はこのまま一生女として生きていくしかないと?」
「そうかもしれないのだ」
「ナンテコッタイ」
いや、まあ、いいんだけどさ。でもなんというか……マジか。
まさか女の子を助けたいって思って魔法少女になったら、自分が女の子になっちゃうとは。口調や立ち振る舞いとか、女の子っぽく変えた方がいいのかね?
「ご、ごめんなのだ。まさか戻れなくなるとは思わなかったのだ」
「いやまあ、承諾したのは僕だから別にいいよ。それにしても、戦えない魔法少女とはね」
そう、僕は魔法少女ではあるものの、戦闘能力は皆無なのである。何なら空を飛ぶことすらできない、戦場に出たら戦闘の余波で一般人よろしく死ぬのみ。
支援特化と言えば聞こえはいいものの、直接手伝うことが出来ないのはなんだかなーと思う。
「それで、魔法省まで案内してくれるの?」
「あー、どうしようなのだ。実は空を飛べない魔法少女って初めてで、歩いていくとなるとかなり時間がかかっちゃうのだ」
「ええ……」
「ちょっと待つのだ、この地方の地域担当魔法少女統括対魔物作戦本部長、まあつまり上司に相談するのだ」
そう言って、うさぎのぬいぐるみちっくな生物はどこからともなく……キッズケータイかあれ? を取り出して、電話をかけ始めた。
最初からこんなんで大丈夫なのかね?
なお、最終的に責任者が車で迎えに来てくれました。長距離を慣れない女の子の身体で歩く羽目にならず、良かった良かった。
主人公のイメージですが、AIのMicrosoft Copilotに生成してもらいました。なかなかかわいい子を生み出せたんじゃないでしょうか?
オッドアイなのはうぷ主の趣味です。オッドアイいいよね。