未定9
「トオルー! トオルー!」
『ん? どうしたのレイ?』
「見て見て──!」
レイは両手の上でプカプカと水玉を浮かせていた。
ёレイ
ё種族─ハーフエルフ
ё歳─6
ёスキル
水属性1 風属性1 魔法強化1 魔法補正1
レイのステータスを少しだけ覗き見る。
スキルの横は言うなればスキルレベルだろう。
10がMAXと言った所か。
それに応じて使える魔法の幅というか扱える技量が高くなると言った感じだ。
水属性は父譲りなのだろうか? 青髪なのもそれかな?
金髪で有名なのがエルフで──属性傾向は風が強いと聞く。
魔法強化や補正は種族的な恩恵だろうか?
『へぇ──レイは凄いね!』
「うん!」
頭を撫でてあげると嬉しそうに微笑む。
1年で……、いや1年掛かってようやく笑顔が見えるようになった。
ただ、自分への依存性は高くなったような気がするが気のせいでは無いだろう。
「あっ─!」
ポチャンと水玉が弾け落ちてしまう。
嬉しすぎて集中力が切れた影響だろう。
「ど、どうしよう──!」
『大丈夫、大丈夫──はいっ!』
濡れたカーペット部分がふんわり浮いて乾燥させる。
「トオル──すごい!」
『あはは……』
ёトオル
ё人間
ё歳─6
ёエクストラスキル
神々の祝福、ペルソナ
ёスキル
風属性1 火属性1 水属性1 土属性1
光属性1 闇属性1 錬金術1 精霊術1
魔力強化1 魔力補正1
筋力強化1 筋力補正1
観察眼5 遠視1 近視1 ………etc
大量のスキルが並んでいる。
幾つかは今後MAXになれば統括されるだろうけれども……。
原因は分かっている。
僕本来は普通だ。
ある日大量に溜まっていたペルソナのスキルが気になって、ペルソナを発動したのだ。
その際仮面が僕の顔に現れて装着された瞬間に世界は変わったペルソナに蓄積された能力は自分の見聞きした存在の能力を全て反映させている。
ペルソナ発動の際はいうなれば、ほぼ全能に近いだろう。
水のスペシャリストが居て水属性MAXなら、僕もMAXを使えるのだから。
そして身体的な部分もフィードバックされているみたいだった。
そして、驚いたのはスキルは習熟度が溜まると自然と覚えられる。
ペルソナ時の習熟度は自分の物として反映されてるらしい。
その際に一気にスキルが覚えてしまった訳だ。
ただし──今は家族で住んでいるから変なことは出来ない。
こっそりとその日以降気を付けるようにしていた。
ただ、ペルソナを発動した瞬間にレイの視線には気付いてしまったのでそこだけは失敗したと思ったが……レイは寝惚けていたらしく記憶が曖昧だったのは助かったのだった。