未定51
夜空を大きなカラスが飛翔している──嘘だ。
飛翔しているのは僕だ。
そして、僕はそのままサンガリアの裏組織のボスと言われている大貴族の館へと直接乗り込ん──いや、攻撃を仕掛けていた。
「うわ! なんだ──!! 何が起こっ……」
その者は一気に魔力を吸われて魔力欠乏で倒れている。
その周囲の人間も同じだ。
屋根の瓦礫で怪我した者はそのままだ──。
そのまま、館の裏通路へと行き、地下へと降りていく。
地下では実験やら、裏貴族の道楽やら、奴隷売買が行われていた。
「なっ! お前どこか──」
パタッと視界に入る者から全員倒れていく。
『見つけた──』
実験施設の中で、カプセルに入れられて居る。
レイの母親を見つける。
衰弱しているが生きている。
その手にレイの名前や写真を握り締めさせる。
そして、一息ついて──モンスター能力
繰糸術 MAX
を用いて、魔力の糸で全ての者を分かりやすく縛り上げていく。
全てを終えた僕は館の外に出て──サンガリアの緊急警報を意味する色の火花を打ち上げる。
そして、館の裏には精霊王からの約束の囚われた人々を横に寝かせる。
精霊の世界で生きていた彼らはその間の記憶を消されて目覚める事だと言う。
ダンジョンの中の事も秘密だ。
そして、僕はそのまま皆とサンガリアで移り住んだ共同住宅へと帰るのだった。




